第8話 ギアナ村でいろいろ
だいぶ間を開けての投稿です。ネタは上がっていたのですが、文章にするって本当に難しい。
おまけ
柏木缶「なぁ。ツインテールって最強だと思わんか?」
知人A「お、おう」
柏木缶「だってさ。金髪はもちろんのこと、桃色に変えても合うしなにより美しい。ツンデレでもヤンデレでも属性なんでもいける万能型やん」
知人A「何こいつきもwwww」
柏木缶「結構真面目だったんだが。そこまで言われると傷つく」
※知人Aは非ヲタです。
おお。揺れる、揺れる。
え?何が揺れるって、村人Aさんの胸ですが、何か?さすが、ファンタジーやな。おい。
ちなみにこの村人A氏、村長の孫であるそうだ。顔面偏差値は普通の普通である。まぁ、下の中である俺が言えることではないが。
それにしても、本当に村の案内に集中できないぞ。DTにはつらい戦いである。
「うー……」
横でメアがうめいているが、何かあったのだろうか?しきりに自分の胸を村長の娘さんと比べている。
「どうした?メア」
「……何でもないです。……レキさんのバカ」
え、何でや。バカ言われたぞ、俺。
という風なやり取りを繰り返しながら、村長の娘さんの案内に相槌を打ちながら村を周回している。
「と、こんな感じですが少しは楽しんで頂けましたでしょうか?」
「はい。ご丁寧にありがとうございます」
とりあえず、頭に入ってきた内容を整理しよう。
ここは、ナギア村という辺境の村であるらしい。人口は、200人くらいの小さな村。産業はこの辺でとれる鉱物から作り出す鉄器や武器の生産を主としているらしい。まぁ、山に囲まれているし鉱物云々は頷ける。
ちなみにここから見える一番高い山が、俺とメアが遭難した山であろう。どのような山か聞くと驚いた表情でこっちを見られた。あの高山は、神山ファルテノンというらしく大陸に一つある神山というものらしい。
神山というのは、文字通り神が住まうと言われる山らしく、修行などの目的で立ち入った者は帰って来なくなるようなハードなマウンテンらしい。生きて帰ってきた俺たちは運が良かったのだろう。たぶん。
「では、日も落ちてきたので宿でもご紹介しましょうか?」
ふむ。宿か。野宿は嫌だし、やっぱり宿はとるべきだろうな。
「はい。よろしくお願いします」
◇
「この宿はいかがでしょうか。値段も手軽ですよ」
「そうですね。では、ここを取らせてもらいますね」
外見、なかなかボロそうだったが中を見たら案外そうでもなさそうだ。一階の食堂を見る限りでは一応清潔な状態を保っていることがうかがえる。いい宿を紹介してくれたものだ。
「いらっしゃーい!」
女将さんらしきたくましそうな女性が俺たちを迎えてくれる。うん。清々しくてなかなかいいな。大学時代に行った旅館をふと思い出す。
「はい。2人お願いします」
「2人ねー!毎度ー!」
「一泊分、夕食と朝食をお願いします。材料はあるんですが、寄付するのでサービスするので食事代少しおまけしてもらえないでしょうか」
「食材かい?二人分作れそうかい?」
「はい。量は大丈夫だとは思いますが、保存が難しそうなので、引き取ってもらえないでしょうか。品質が悪いのなら家畜の餌にでもしてくれれば助かるのですが」
実は、魔物肉の保存に最近とても困っていたのだ。保存がきく干し肉にしようにも干せるような環境になかったし、基本メアが平らげてしまうのだが、たまに残ってしまうことがあって生肉をそのまま持ち運ぶのは抵抗があったので土の中に埋めたりと、とてももったいないことをしていた。
それならいっそ家畜の餌にでもしてくれた方が勿体なくないので、ダメ元で申し出てみたのだがどうだろうか。
「これは……」
「やはりだめでしょうか」
「ブルタルウルフの肉じゃないか!喜んで引き取るよ!家畜の餌なんてもったいない!宿代もタダだ!」
「は、はぁ。ありがとうございます」
「そんなにすごいものだったんですね。レキさん」
「だな。まじでビビった」
それから、俺たちは名簿に名前を書いた後部屋に行った。途中で字が綺麗と言われて嬉しかったのは表に出さずに。
そして、部屋に行ったあと俺の悲鳴が宿に響き渡った。
「なんで、なんで二人部屋なんだああああああああああああ!!!!」
◇
俺は今、深夜の村に出ている。何故かって、メアと同じ部屋で寝るなんて俺には無理な話だからだ。
別に歓楽街で遊ぼうなどと思っているわけではない。というか、歓楽街などない。
村人の娘さんの胸が気になって村のことを詳しく知ることが出来なかったので、自分の目で人気の少ない時間にこっそり見学しようと思ったのだ。別に俺だって見ようとして見ていたのではない。あれだけ揺れる胸に視線を向けないなんて絶対に無理な話なのだ。
「それにしても、ほんとに鉄器生産が活発なんだな。こんな時間なのに、金属を打っているような音が聞こえる」
昼間は、店で鉄器を売りさばいて夜は生産作業とは。真面目にもほどがあるな。まぁ転移前の俺も同じようなもんだったけどな。
でも、村長の娘さんから聞いた話によると、これらの鉄器は七割方都市圏へ輸出するらしい。それでも格安の値段で売られるものなので職人や村の経済状況はとてもじゃないが苦しい状況らしい。何とか助けられないものだろうか。
そんなことを思いながら歩くが、考えても行動に移さなければ意味もないと思った俺は、明日メアと相談して決めようと、宿への歩を進めるのであった。
◇
「おはようございまーす……レキさーん」
「ああ。おはよう」
眠たそうな顔で俺に挨拶してくる。別にまだ時間はあるからもう少し寝ておけばいいのに。俺が起きる前に身支度を揃えて準備しているから感服するばかりだ。俺が指摘しても、「お世話になっていますから」と一歩も譲らないので、もう放っておくことにしている。
「おはようございます。女将さん」
「ああ。おはよう。朝から早いね。夜にフラッとどこかに出かけたのに」
「村の見学ですよ。一人でじっくり見てみたかったので」
「ほんとですか?」
「あ、ああ。ほんとだよ。うん。本当に」
「この村には男が楽しめるような店はないからねぇ。大丈夫だよ。お嬢ちゃん」
「そうですか……良かったです!」
やめてくれ。なんか俺が誰でもはめまくるようなやつに聞こえるだろ。その言い方だったら。
「朝食が出来上がってるけど、食べるかい?」
「はい。ぜひ頂きます」
そんな会話をしながら食堂に行く。
「ほら、召し上がれ!」
椅子に座って数分待っていると、料理が出てきた。野菜などがちゃんと入っている、しっかりとしたバランスの良い食事であることが伺える。
「わざわざすいません。それも、タダで食べさせてもらうなんて」
「気にするんじゃないよ。あんたの持ってきた肉だけで一週間の食事代が浮くんだから当然だ」
メアは既に俺が教えた食事前の挨拶を終えて、料理に手を付け始めていた。美味しそうに食べているので、俺の食欲がくすぐられる。
「では、俺もいただきます」
異世界転移後の初めての食事である。実は俺、昨日の分の夕食を食べていないのだ。ちなみに、メアは食べていたらしいが。
「……!?」
普通に旨い、がやはり調味料が豊富でないのか、かなりの薄味である。それでも良く言ったら素材の味を上手く引き出せているということである。炒め加減は素人の俺が言うのも何だが素晴らしい。
「悪いねー。最近塩が全然回ってこないんだよ」
ふむ。やはり調味料か。でも十分美味しいだろう。
「いえ。十分美味しいです」
「はい。美味しいですよ。女将さん」
「それは良かった。ありがとうよ」
それから、俺たちは食事の間談笑をしながら過ごし、有益な情報を得ることが出来た。
料理の保温は魔法道具によるものだということ、そのような魔法道具は市販で売られているものや効果の高いものはオーダーメイドなどの高価なものであること、遭難してこの村に流れたということを言ってみたらここは中央大陸の大国アンテイルであることなどだ。
「いろいろ教えて頂き、ありがとうございました」
「これくらい問題ないよ。気を付けて行くんだよ」
「はい!」
メアの元気な返事と共に、有益な情報を得ることができた俺たちは宿の女将さんにお礼を言いながらギアナ村を出発しようとしたのだったが……
「おらぁ!あんたのとこの剣は切れ味がいいんだってなぁ!ちょっと貸してくれよ!」
「お前みたいなやつに誰がワシの鍛えた剣を渡すか。お断りだ」
「何だと!?なめやがって……このジジイがぁ!」
……騒動が起きそうな予感である。というか、もう起こっているか。
はぁ……つくづく俺は運がない。
なんで人って争うんだろう。なんで人って統一できないんだろう。