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はじまり
先も周りも何も見えない暗闇から、
私に手を差しのばしてくれたのは、私のよく知るアイツらだった。
ある塾の高校2年生の男子13人と女子2人の合計15人が
突然見ず知らずの島へと放り込まれた。
今まで喋った事も会話を交わしたことさえなかった私達は一体どうなる?
孤島の先に見えたもの。
片想いでも諦めたくない。
ほんの少しの可能性があるならそれを信じたい。
そんな当たり前の想いを持ったまま。
虐められていても、上辺だけの友情だけでも、それでも誰かに縋っていたかったんだ。
地下に閉じ込められても、
孤島に投げ込まれても。
「もう、誰も信じられない。」
あの子はそう言葉を吐き出した。
どんなに嫌いでも、どんなに好きでも、つき合わなければいけないんだ。