Episode4
かなり遅くなってしまい申し訳ないです。
ウサギに連れられやってきた部屋には
「何だこれ?」
「穴だろ」
大きな穴が開いていた、それも人が5人くらいは一気に入れそうなくらいのでかい穴だ
(大丈夫なのか?これ…)
「ここに入るのか?」
「せやで、すると不思議の国へ行けるんや!」
(うーん…まぁでも信じるしかないよな)
「じゃあ…」
「行こうか」
みんなが覚悟を決めた様子で穴に入っていく
俺はウサギを抱えて最後に穴へ入った
【スペードの城】
気付いたらそこは豪華な城の中で、急に大きな部屋の真ん中あたりにドサドサッと落とされる
(ケツ痛ってぇ!)
「帝…!」
俺の名を呼ぶ凛とした声に反応して振り返る
「椿!」
豪華なドレスを着た、会いたかった幼馴染がそこにいた
ケツの痛みも忘れて駆け寄る
「帝!お前…本当に来てくれたんだな…」
「久しぶり、だな…椿」
3年間ずっと探しても見つからなかった椿を見て、俺も久々に涙をこぼした
恥ずかしくて号泣はしなかったが
「帝が…泣いてる…だと?」
「なぁ、榊…あの美人、帝の彼女?」
「うん、そんな感じ」
後ろのヤジがとてつもなくうるさいけど
とりあえず構わないことにする
「帝、会いたかった」
「俺もだ、どんだけお前を探したと思ってんだよ」
(ホントに、日が暮れるまで探し回った)
「すまなかったな、経緯は後程話そう」
数分後…
みんなで部屋の椅子に座って椿に自己紹介をした
全員が終わると椿が立ち上がって
「私は椿だ、帝と榊の幼馴染で…先に言っておくが、帝とは友達以上恋人未満と言ったところだ」
少し赤面して最後の方はボソボソっと言い、地雷を残したままそそくさと座る
(いきなり何言ってんだよ!?)
思わず俺も赤面してしまう
「ヒューヒュー!やっぱ完璧超人には彼女がいるんだね!」
斑のテンションが上がって、アホ毛もくるくる動いている
(後で、あのアホ毛むしり取ってやる)
ていうか何で動くんだ?アレ
「ブラコンだから彼女いないと思っていたのに…」
「なんだ、お前…まだ榊にデレデレなのか?」
「そうなんですよ…椿さん、兄さんに言ってください」
「帝…榊に迷惑かけるのもほどほどにな」
「う…だって、かわいいから…」
俺も椿に言われると返す言葉もない
(どうも、昔からこいつに言われると弱いんだよなぁ)
俺は落ち着かせるためにポケットから煙草を取り出して吸った
「おまっ!まだタバコ吸ってるのか!?」
「しょうがないだろ…響の遺言を守ってるだけだ!」
「だからって…」
(あいつらの遺言は守ってやりたいんだよ)
俺と椿がたばこを巡って争っていると
「帝が言い返せてないわ」
「やっぱ、彼女だから」
「昔から兄さんはあの人に言われると弱いんですよ」
「「へぇー」」
全員がにやにやしながら俺と椿を見てる
(くそっ今まで奴らをからかってた分が今になって返ってきたか…!)
「…何なんだよお前ら」
「ふふっ…帝、良い友人を持ったな」
椿もニコニコして俺たちの会話を聞いている
「コレのどこが、良い友人だよ…」
俺はげんなりとして呟いた
「じゃあ、本題に入るが…私が行方不明になった理由は、みんなが来たような穴に落ちてしまったからだ」
「あの穴にですか?」
「そうだ、それでよく分からず彷徨ったところをウサギに助けてもらったんだ、クローバーの王がいなくなってしまったので代わりに王女になってほしいってね、私は行くあてもないから受けたよ、王女なんて体験きっとできないだろうからね」
ニコニコ笑ってこの生活を本当に楽しんでいるようだった
(まぁ…でも楽しそうだし、良かった)
「さて…この後の話が問題なんだよ」
次は2週間後くらいかなと思います