Episode2
side~帝~
【学園内 校長室】
「「清掃プロジェクト?」」
その言葉は最先端のこの学園には無縁そうな言葉だった
「このプロジェクトは学校を掃除するのではなく、田舎にあるとある別荘を掃除してもらう」
「何のためにですか?」
「理事長に頼まれたんだ、その別荘は理事長の別荘でね…生徒を5人選抜して、そこの掃除をさせてほしいと」
(はぁ!?)
つまり俺らは理事長の別荘をわざわざ掃除しに行くってことか?
多分、全員断りそうな顔をしていた、俺ももちろん断りたい
「報酬は1人これくらいだ」
そう言って校長が出してきたのは
「「!!??」」
(別荘を掃除しただけでこの額だと!?)
封筒には諭吉さんがズラリと並んでいた
「引き受けてくれるかな?」
「「もちろんです!」」
全員の声がピッタリハモった
こうして、翌日俺たちは掃除のためにとある片田舎へ行くことになった
【別荘 門の前】
学校でバスに乗り揺られること3時間…
見る景色すべて山しかない、ド田舎に着いた
「ケツ痛い…」
「清掃道具重いし…何で武器も必要なの?」
「念のためだとさ、熊とかなんかヤバい動物用に」
俺たちは両手に荷物を持ち、背中に武器を背負っている感じだ
大鎌の榊なんてかわいそうなくらい重そうだ
「早く中入ろうぜ」
「そうね」
【別荘内 ロビー】
「うわぁ…」
「ホコリっぽいな、これは大変そうだ」
中に入ると中はホコリっぽく、長年使われていないことを物語っている
「そうなれば、早く始めよう!」
「急がないと、バスの時間に間に合わなくなっちゃう!」
全員がコピーしてきたバスの時刻表と時計を見ながら焦りだす
「じゃあ、各自、昨日決めた掃除場所について!始めるよ!」
「「おー!」」
5時間後…
「これ、終わるのか?」
一度全員ロビーに集まると、全員ホコリだらけでかなり疲れていた
「1日じゃ無理なんじゃない?」
「僕もそう思う…」
全員が座り込んでしまってもう、やる気ゼロといった感じだ
その時…
〈ガタガタッ〉
「何か…音がする」
斑が訝しそうにつぶやいた
〈カツカツ〉
(…!?)
今度は俺にも聞こえた、誰かが歩いてくる感じだ
俺たちは武器を構えて立ち上がり、背中合わせであたりを見回した
「何か来る…?」
零が指差した先には…
〈ぴょんぴょん〉
と、飛び跳ねてるのか走ってるのか分からない進み方で白いウサギがこちらに来た
そいつは俺たちの2メートルほど前に来ると
「そこの、お坊ちゃんとお嬢ちゃんたち!ワシを助けてくれへんか!?」
「「し、しゃべったぁああああ!!??」」
相応のリアクションだろう
目の前にしゃべるウサギがいるのだから
「何よこいつ!」
「分かったら驚かねぇよ!」
全員が訳わからず怪しいウサギを見ていると
〈カツカツ〉
ロビーに通じるすべての廊下やドアから黒い人型の影のようなものが5体現れた
「な、何か来たよ!」
「何なんだよ!ここ」
全員がテンパる中、俺は咄嗟に腰に下げている小型爆弾のピンを外して、そのまま投げた
〈バーンッ〉
激しい閃光と爆音があたりを包んだ