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意外な人物

さて、とりあえずおとなしくさせるか。


そう考えて不審人物に向かって駆け出しそうとした瞬間、不審人物はこちらに一瞥もなく走り去ってしまった。



任務に失敗したのだからすぐに撤退したのだから相手もプロだと言うのはわかるが、こちらはストレスの発散先を失って少しモヤモヤするじゃないか。



もう少しだけ付き合って欲しかったが、襲撃はまたあるだろうから今回は我慢しよう。次来た時は絶対に逃がさない。



「橋本さん!!大丈夫ですか!?」



仁科さんが慌てた表情で俺の方に走りよってきた。翔子ちゃん達が呼んでくれたんだな。仁科さんに少し遅れて二人もやってきた。


「大丈夫です。不審な人物は今逃げて行きましたから。」


「良かった…怪我はありませんか?」


「はい。」


「涼子ちゃん無事でよかった。大丈夫?どこも怪我してない!?」


「今仁科さんにも聞かれたけどどこも怪我してないよ。心配してくれて有り難う。」


「それにしても、先程の人物はどこから入ったのでしょうか?守衛の方に聞いてみたほうがいいのではないですか?」



マリアの言う通りだな。



仁科さんも頷いて、


「ええ、すぐに確認してみます。それから学園内の見回りをすぐにしてもらいます。理事長にも報告しておなかいと。皆さんはすぐに部屋に戻ってください。」


「分かりました。」



仁科さんは急いで戻ってしまった。



相手もプロだ。今から探しても見つかりはしないだろう。侵入経路は気になるが、この学園に侵入するのは普通なら不可能だろうな。もしかしたら俺みたいに生徒と偽って入って来てるのかもしれない。


「涼子ちゃん早く部屋に戻ろう?」


「そうだね。」



考えこんでしまっていたみたいだ。少し二人に遅れてしまっていた。



しかし、やっぱり翔子ちゃんを狙ってきたな。叔父さん達の言う通りだった。明日からはなるべく翔子ちゃんの傍を離れないようにしないとな。





―――――――――――――――――





それから翌日、手早く朝食を食べた俺は翔子ちゃんが来るのを寮の入り口で待っていた。




一緒に登校するためだ。昨日の今日だし、明るいうちの襲撃はないと思うけど万が一の事があったら大変だしな。


しばらく待っていると翔子ちゃんとマリアが出てきた。



「あれ?涼子ちゃんどうしたの?」


「二人と一緒に登校しようと思って待ってたんだ。」


「そうなんだ!!うん、一緒にいこ♪」


「しょうがないから、一緒に行ってさしあげますわ♪」




翔子ちゃんは純粋に嬉しそうだけど、おいマリア、顔と語尾と言葉があってないぞ。



二人と雑談しながら歩いてしばらくして学園に到着した。ここからは二人と別行動だ。



「ちょっと理事長に呼ばれてるから理事長室に行ってくるね。身体測定には間に合わないけど、先生に話が行ってるはずだから説明は不要だから」


「わかりましたわ。」


「何の用で呼ばれてるの?もしかして昨日の事?私たちも行こうか?」


「違うよ。私のお父さんと理事長が古い友人らしくて、海外でのお父さんの事を聞きたいらしくて話して欲しいらしいの。」



「そうなんだ!?わかった、じゃあ教室に行ってるね♪」


「うん、それじゃあ後でね。」


「あっ、涼子ちゃんお昼はどうするの?」


「食堂で食べる予定だけど?」


「それじゃ一緒に食べようよ?」


「うん。じゃあ食堂で待ち合わせよ。」


「待ってるねー♪」



翔子ちゃんはそう言いながら手を振りながら階段を登って行った。




ふぁー、危なかった~。翔子ちゃんの性格からしてついてくるって言うと思ったよ。昨日のうちから理事長室に行くための理由を考えておいて良かったわー。



それにしてもこの数日で何回理事長室に行ってるんだか。この広い学園で理事長室までの道筋だけは完璧に覚えてしまったよ。他の場所はまだ把握してないのにさ。でも護衛の為に後でちゃんと覚えておかないとな。何かあった時に道に迷って翔子ちゃんの事を守れないんじゃ大変だし。これでも入学する前に見取り図は見たんだけど、この学園が広すぎて自分で実際に歩かないと覚えきれないよ。



と、理事長室に着いたな。相変わらず豪華な扉だ。いったいいくらぐらいするんだろ?後で聞いてみようかな?


コンコン



「橋本です。」


「どうぞ。」


「失礼します。」



扉を開けて中に入ると三人の人物がこちらを見ていた。



一人はもちろん理事長でいつもどおり穏やかに微笑んでいる。



もう一人は叔父さんだった。ニヤニヤしながら俺の事を見てやがる。



もう一人は…



「よう、久しぶりだな?」



「…親父!?」



俺の親父だった。












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