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テストとお菓子と襲撃

テストが始まった。


午前は普通5教科のテストだった。

自慢じゃないが高校生活はこれでも二回経験している。どの教科も平均80点以上は固いと思う。



問題だったのは午後のテストだった。

入学前に苦しい特訓をしたから何が出題されても大丈夫だと考えていたら、テスト内容を聞いて絶句し頭を抱えてしまった。


テスト内容はまさかのお菓子作りだった。しかも女子だけ。


教師曰く、今時のお嬢様はお菓子の1つや2つ作れて当たり前で、そのお菓子で婚約者の胃袋をつかめと言うことらしい。



ちなみに男子は護身術のテストだそうだ。俺もそっちが良かった。



お菓子作りのテストだけど結果は最悪だった…

とてもじゃないけど、食べられる物じゃなかったし。何しろお菓子なんて一度も作ったことないし、当たり前と言えば当たり前だ。


点数は勿論0点。後で追試をしてくれるらしい。


落ち込んでいたら、マリアと翔子ちゃんがやって来て、テストで作ったお菓子をくれた。それと追試の為にお菓子の作り方を教えてもらえることになった。


マリアの作ったクレープも、翔子ちゃんの作ったクッキーも凄く美味しかった。



――――――――――――――――



「二人とも有り難う。」


今俺は翔子ちゃんとマリアの部屋に備え付けのキッチンでお菓子の作り方を二人から教わっていたところだ。


翔子ちゃんとマリアは同室だったらしい。二人は意外にも気が合ったらしくすぐに仲良く馴れたようだ。


「気にしなくていいんだよ。私もマリアちゃんから美味しいクレープの作り方教えてもらえたし。」


「私は…そう、あなたは翔子さんにクレープの作り方を教えるついでですわ。そう、ついで!!」


ツンデレめ。すぐばれるような嘘をつくなよ。翔子ちゃんも苦笑してるぞ。顔が照れて真っ赤だぞ。何よりお前が一番楽しそうだったじゃないか!



「お菓子食べたからお腹いっぱいでお腹きついし少し散歩にでも行かない?いいところがあるんだ♪」


「いいですわね。私は賛成ですわ。明日は身体測定なのに食べ過ぎましたから」


空気を読んだ翔子ちゃんが話題を変えて提案してくれた案にマリアはすぐにのった。


「でも、もう外くらいよ?大丈夫かな?」


夕飯を食堂で食べた後にお菓子作りを教わっていたので今は結構いい時間だ。大体10時くらいかな。


「大丈夫だよ。すぐそこだし。寮の一階の裏口から出れる裏庭が沢山花が咲いてて凄くキレイなんだ。」


時間は遅いけど寮の裏庭なら大丈夫かな?二人が乗り気なのに断るのも悪いか。


「じゃあ少しだけ行こうかな。」


「やった♪じゃあ早速いこ♪」


翔子ちゃんは嬉しそうにそう言って俺とマリアの手を引いて歩き出した。




―――――――――――――――


翔子ちゃんに連れられて裏庭に来たんだけど…



「二人ともゴメンね…」


裏庭は真っ暗だった。正確には月明かりや寮からの明かりで少しは見えるんだけど翔子ちゃんおすすめの花を見るには暗すぎた。


「大丈夫だよ。次は明るい時にまた、みんなでこよ?」


「そうですわね。落ち込む必要はないですわよ。花はまた次の機会にしてこのままぐるっと回って寮の入り口まで散歩しましょう。」


「…そうだね。また明るいうちに今度来ればいいよね。」


「そうですわ。じゃあ行きますわよ?」



そう言ってマリアが足を踏み出そうとした時僅かに見える草むらからガサッと音がした。


「なんだろう?」



皆で音がした方み見るとそこには全身くろづくめの人物が立っていた。顔には仮面を被っていて、体つきもこの暗さと服装のせいで男か女かもわからない。


「誰ですの?」


マリアがその人物に問いかけた瞬間、その人物はこちらに突撃してきた。


おいおい、まさかもう襲撃してきたのか!?まだ二日目だし、こちらは複数だぞ?


その人物は明らかに翔子ちゃんを狙って来ている。


「翔子ちゃん、危ない。下がって!!」


俺が翔子ちゃんの前に出たからか、謎の人物は一旦俺に目標を変えたようだ。邪魔な人間を排除してから標的をさらう気か!?


謎の人物は突撃してきた勢いのままこちらに殴りかかって来たち直線的な動きで避けるのは容易いけど、後ろには翔子ちゃんとマリアがいるから避ける訳には行かず、そのまま両腕を顔の前に上げて、攻撃をガードした。


「グッ!?」


突撃してきた相手の勢いに負けて俺は少し下がってしまったがふたりは巻き込まないですんだようだ。


「キャーー!?」


俺が殴られて翔子ちゃんが悲鳴をあげた。


「私なら大丈夫。それより二人とも誰か呼んで来てくれない!?急いで!!」


「わかりましたわ!気をつけてくださいませ!何かあったらたたじゃスミマセンわよ?」


「分かつてるから早く!」


いち早く正気に戻ったマリアは翔子ちゃんの手を引いて寮に向かって走って行った。


それを見た不審人物は二人を追いかけようとしたが行かせねーよ。


一瞬二人に気が行っていた不審人物の懐に飛び込んだ俺は相手に向けて掌底を放った。


相手にはギリギリ避けられてしまったが二人を追う事を諦めさせる事には成功したようだ。




さて、助けが来る前にこいつを取っ捕まえて依頼人でも吐かせるか!最近ストレスがたまってたからこいつで発散してやる!!



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