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入寮

声をかけられたので振り向いたら、そこにいたのは護衛対象の麻生翔子ちゃんだった。


『まもない』のメインヒロインであり、歳は離れているけど、一応俺の幼なじみ。容姿は少し茶色がかった黒髪のセミロングで、すれ違えば十人中八人は振り返る笑顔の似合う活発そうな女の子だ。性格も良く明るく真面目な誰からも好かれる子だ。


やべー、まだ何も考えてないぞ!!


とりあえず話かけられたんだから返さないと。



「えっと、今までこんな凄いところで生活したことないから少し気後れしちゃって…」


「そうなんだー!実は私もちょっと尻込みしちゃってたんだ。お家はお金持ちなんだけど今まで住んでたのが普通のお家だったからさ。それにお父さんとお母さんと離れて生活するのもはじめてだから少し心細くって…」



妹からはそんな情報はきいてなかったけどそうだよな、まだ15歳の女の子が親元を離れて生活するのは心細いし寂しいだろうな。


「確か橋本涼子さんだったよね?私同じクラスの麻生翔子。せっかくこうやって知り合えたんだから友達になろうよ♪」


お? これは渡りに船じゃないのか?何も考えてなかったのに向こうから友達になろうなんて。


「もちろん。よろしくね♪」


俺がそう返事をすると翔子ちゃんは嬉しそうに笑った。


「本当?やったー♪早速友達第一号が出来た。あっ、じゃあこれからは涼子ちゃんて呼んでいい?」


「いいよ。こっちも翔子ちゃんて呼んでもいい?」


「全然いいよ。これから三年間仲良くしようね。」



やった。労せずに第一難関を突破出来た。理事長には後で報告しておかないと。


「そろそろ日も暮れてきたし、春になったけどまだ冷えるから涼の中に入ろっか?」


そう言って翔子ちゃんは俺のて手を取って歩き出した。女の子と手をつなぐなんていつぶりだ!?翔子ちゃんの手柔らかいなー。


はっ!ヤバいトリップしてた。気をしっかり持たないと。


「ふわー凄いねー!」


翔子ちゃんの言う通り中も見た目通り豪華だった。超高級のホテルにあるような広いロビーにいったいいくらするんだかわからないようなほどのきらびやかなシャンデリア。しっかり手入れをされているであろう観葉植物の数々。目の前に見える階段の踊り場には誰でも一度は耳にしたことのある超有名画家の名作絵画が飾られていた。


「私達の部屋ってどこだろーね?」


「確か寮母さんが案内してくれると思ったんだけど…」


「遅かったですね。新入生は貴女達で最後ですよ?



俺達が寮のロビーで話ていると後ろからから声がした。どうでもいいけど今日はよく後ろから話かけられるな。


振り向くとそこには一昔前くらいの教育ママ風な感じの女性が立っていた。


「私がこの寮の管理を任されている仁科冥にしなめいです。これからよろしくお願いします。」


「「よろしくお願いします」」



何か厳しそうな人だな。 そんな事を考えていたらギロリと表現するのがぴったりの視線を俺に向けてきた。うお、こえー!!


「この寮に来る時間は決まっていませんでしたが、少し遅すぎます。貴女達もこの学園に入学したのですから令嬢らしく、余裕を持った行動を心がけなさい。」


「「はい!」」


「それでは、ようこそ蒼風寮へ。ここでは自分の家だと思ってリラックスして生活しなさい。」


そう言って仁科さんはにっこり笑ってくれた。この人少し恐いけど、優しそうな人だな。


「貴女達の部屋に案内するからついて来なさい。」


「「はい」」




あーやっと休める。そんな事を考えながら俺達は仁科さんの後について階段を上っていった。

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