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「ねぇ、ねぇ夏島君。質問してもいいかな?」


「何かな、淡島君。『女の子の下着は縞パン一択だよね』って話じゃなければどうぞ」


「……やっぱいい」


「……そうかい」


 あー、えっと。なんていうか……リードです。あのあといろいろあって人間界に逃げることにしましました。


 なんで魔界じゃないの? とか……どうして会話してるの? とか……あの後どうなったの? とか色々あるだろうけど、俺にもいろいろあったのさ。


 てゆーか、さっきからいろいろしか言ってないけど、本当に『いろいろ』って言うしかないのでそうしてるんだよ。特に気にしないであげて!


「てか、いつまで高校生やってなきゃならないんだろう」


「どうした夏島君、もう五月病かい? まだ四月の半ばで、こないだ高校に入学したばかりじゃないか。あと三年間は高校生だよ。」


 淡島君が前の席に座って言う。滑稽そうに言う。笑いながら言う。なんだかとっても企んだような顔で言う。


 あ、今は休み時間。


「高校生。じゅう……ろくだっけ?」


 その年で魔界にいた頃、俺は魔法の練習をしてた気がする。人間に化けるのが結構難しかった思い出がある。


 父親によく怒られ、母親に蔑まされたっけ。


「そうそう、僕たちは十六歳! まだまだピチピチの青春を楽しめる時期さ!! なんてったって僕たちは高校一年生なんだから!!!」


 なんでそんなに嬉しそうなんだろ。よくわかんない。そんな自慢げに大声で言う内容でもないのにねぇ。


「…………期待してんの?」


 と、机に伏せている俺の頭の上から女子特有の高い声が聞こえる。今の俺に言ったのかな? んなわけないか。


 俺は目線を声に向ける。なんだ、ただの巨乳か。


「あー、副委員長の……」


 淡島君は呟くように言う。


「そうそう、副委員長、副委員長。副委員長の三島桜子です。はい、よろしく。で、期待してんの?」


「それって俺に?」


「もち」


「何を?」


「いや、話の流れ的に」


「うん?」


「ピチピチの青春を楽しめる高校一年生」


「ふむ」


「で?」


「特に」


「うっそ」


「ホント」


「マジで?」


「マジマジ」


「……ふうん」


 てゆーか、さっきの質問は俺じゃなくて淡島君にするべき質問だろうに。つか、淡島君はなんで俺の方見て悔しがってんの?


「で、本音は?」


「……いろいろ質問の多い女の子だねぇ」


 机に側頭部をつけて、副委員長を見ながら続ける。


「いろいろ女の子だもの」


 自分の唇に人差し指なんてしちゃって副委員長は言う。ウインクなんてしちゃって言う。ただし、棒読み。なんて女の子っぽくない言い方だ。


 魔界にいた女子もろくなのがいなかったが人間界も大して変わらないようだ。


 えーと、こういうの日本のことわざでなんかあった気がする。なんだっけ。ま、いいや。


「だって、淡島君。女の子はおしゃべりな男の子が好きらしい」


 淡島君の顔は、なんだか知らないけど春を心待ちにしていた子供っぽく見える。


「うん、僕女の子と喋るの大ス……あ、ちが、大得意!! ねぇ、ねぇ、三島さん、女の子の――」


「『女の子の下着は白が良いに決まってるよね』……とかじゃないならどうぞ」


「……やっぱいい」


「淡島君は素直だねぇ」


「そうかなー? て――」


「いや『てへ』とかやらなくていいから。なんで私が淡島君の『てへ』を見なくちゃならないのって話だよ」


「…………」


 泣くなよ、淡島君。


「夏島君はモテモテだったんだな。そんで『あるとき一途な恋をしてしまってその人が忘れられない』と。さすがこのクラスの隊長である委員長になる男は違う」


「いろいろやめよう、副委員長。それと委員長関係なくね?」



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