12話「共に見つめる未来」
アドムとその関連団体――それらがほぼ崩壊した今、王子アルフレートと私が結ばれることに反対する者はほとんどいなくなった。
おかげで話はスムーズに進み。
無事結婚の日を迎える。
「ルレツィアさん、きみと結ばれることができるなんて夢みたいだよ!」
「こちらこそ」
アルフレートと見つめ合う。
お互い結婚式の衣装をまとっているのでいつととは少々異なった容姿ではあるけれど、私たちの心は変わらない。
「絶対! ぼくの方がきみに感謝を抱いているよ!」
「そこは争うところじゃないわよ……」
「でもぼくの方が勝っているよ! きみがぼくを想う気持ちより、ぼくがきみを想う気持ちの方が、絶対に強いよ!」
「だから争うことじゃないってば……」
珍しく引かないアルフレート。
妙なところで頑固だ。
相手を想う気持ちの強さ、なんて、競うものではないというのに。
「うん、まぁ、そうだけどね」
「……それでも勝ちたい?」
「勝ちたいよ! ぼくのきみへの想いは最強だって伝えたい!」
「そう。……ありがとう」
手を取り合い、笑い合う。
「きっと幸せになりましょ」
「もちろん!」
私たちの未来、この道の先にあるものがどんなものなのかは分からないけれど。
それでも、彼と共に乗り越えてゆく決意がある。
「あ、もう時間だ。行かないと」
「そうね」
「確か待機場所は別だったよね?」
「ええ」
そして結婚式が始まる。
今日、この日が、私たちの新たなるスタートの日となるのだ。
◆
こうして結ばれたアルフレートとルレツィアは、国民の多くから愛され、国を象徴するような二人となった。
明るさを失わない王子。
世のため人のためにその秘めたる力を使う王子の妻。
とても仲良しで眺めていて微笑ましいような二人は、その純粋さで人々の心を癒やし、皆の支えとなった。
ルレツィアは結婚後も縮小はしたものの仕事は継続。生まれ持った魔力を使い、人々の悩みや問題を解決。投げられる悩みや問題は十人十色、しかし、一件一件丁寧に対応し、多くの国民を救った。彼女はいつも語っていた、笑顔が生まれる瞬間が好き、と。彼女の想いは強く、笑みを生みたいという気持ちからの活動を邪魔することは誰にもできなかった。
アルフレートとルレツィア。
二人は夫婦として幸福に生きてゆく。
◆終わり◆




