表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『地球』という言葉が禁句の異世界宙域で秘密の禁書を追う話。  作者: 綾坂真文
最終章:エストリプス銀河最大惑星『ノワリクト』最終決戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/97

最終話 未来への音

最終章:エストリプス銀河最大惑星『ノワリクト』最終決戦編


 悪魔と化したエリムスを討ち、二千年にわたり銀河を蝕んできた結晶体の脅威が終焉を迎えてから、三年の月日が流れていた。


 半壊したノワリクトは、未だ傷跡を抱えながらも復興の歩みを進めていた。人々は半壊を免れた大地を中心に集い、街路には再び人々の笑い声と生活の息遣いが戻ってきている。


 奇跡的に完全崩壊を免れた銀河中央図書館は修復され、今では誰もが規制なく知識のアーカイブに触れられる場として再生していた。崩壊した図書館第四層以降には、新たな政府中枢が増築されている。


 その中心に立つのはラークラだった。


 彼は「統治者」としてではなく、民の意思を背負う「代表者」として席に座る。コルト、ミルト、ハリーが補佐に加わり、彼らは民の声を拾い上げるために、時に走り回り、時に机に向かい続けていた。かつての支配と閉鎖の政治は、もはや影も形もない。


 周辺惑星とも連携が進み、ストラトバティスには技術者が派遣された。文化と技術の交流は、新しい銀河の息吹を形づくっている。


 ヒョウガは故郷リムスタングに戻り、相変わらず書類の山に埋もれながらも、周辺惑星との協力体制を着実に築いていた。


 イクサはほとんど人の残っていなかったグリムジャガーに白キ戦艦の住民を招き入れた。海に囲まれた大地で、人々は新たな文化を紡ぎはじめている。本人はといえば、戦艦へと頻繁に顔を出し、トックスと訓練を重ね、相変わらずの生き方を貫いていた。


 ヒューベルトと白キ戦艦の仲間たちは、朽ち果てたバルエクスの後始末に奔走し、禁止惑星を巡りながら、銀河各地の火種を消して歩いている。彼らの白い船影は、今では希望の象徴として迎えられるようになっていた。


 ――そして、ナコとアゲハ。


 ふたりは再開した銀河中央高校で、かつてと変わらぬ学生生活を送っていた。


 ナコはジャコウのことをアゲハにすべて打ち明けた。最初、アゲハは深い衝撃を受け、心を閉ざしかけた。だが、ラークラが用意してくれたシェアハウスにふたりで住むようになり始まった新しい生活が、ゆっくりと彼女の心をほぐしていった。


 共に食事を作り、共に笑い、時にはぶつかり合う。そんな日々の積み重ねが、彼女たちを以前よりも強く結びつけていった。


 朝の光に染まるノワリクトの街。復興の音と笑い声が響く大通りを、ふたりは肩を並べて歩いていく。


「ナコ、今日の学食何食べる?」

「うーん、やっぱ期間限定のスペシャルランチかな」


 他愛のない会話が、三年前には想像すらできなかったほどの温かさで心を満たす。


 彼女たちの背後には、銀河を覆っていた脅威を乗り越えた歴史がある。

 そして目の前には、これから続いていく新しい未来が広がっていた。


 空を見上げれば、澄み渡った青が広がっている。


 かつて禍々しい光で覆われていた星空は、今や穏やかな輝きを取り戻し、どこまでも果てしなく続いていた。


 ナコとアゲハは視線を交わし、同時に笑った。

 その笑みは、過去を背負いながらも未来を信じる者だけが持つ、確かな強さに満ちていた。


 彼女たちの歩みは、まだ始まったばかりだ。

ー 完 ー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ