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『地球』という言葉が禁句の異世界宙域で秘密の禁書を追う話。  作者: 綾坂真文
第五章:禁止惑星『バルエクス』戦争編

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第63話 ヒューベルト vs リリークス

第五章:禁止惑星 『バルエクス』戦争編

 復讐のカットラスが閃光のごとく唸った。

 一歩踏み込み、目にも止まらぬ速度でヒューベルトがリリークスに襲いかかる。


「リリークスっ!!!」


 鋼の刃が羽を掠め、黒い羽毛が舞い散る。すぐさま振り下ろされた悪魔の爪(デビルズ・クロー)が閃光のように襲い来るが、ヒューベルトは回転しながら身を捻り、紙一重でかわした。その動きは舞踏のように美しかった。


 至近距離。間髪入れずパイレーツピストルを撃ち込む。銃声と火花。だが瞬間、リリークスの羽が広がり、羽ばたきと共に空中へ逃れる。


「ちぃ……!」


 背後。天使の掌(エンジェルアッシュ)から光弾が放たれる。


「うおおおおぉぉ!!」


 ヒューベルトは振り向きざまに叫び、渾身の力でカットラスを振り抜いた。一閃、光弾は真っ二つに裂かれ、光の破片が飛び散る。すぐさま逆手に持ち直し、リリークスの羽へと刃を叩きつけた。


「ぐぅっ!」


 掠めた刃に羽が飛び散る。その一瞬を狙い、背後に忍び寄ったルキが高く跳躍した。宙に浮かぶ六つのビー玉が一斉に光を帯び、灼熱の刃を形成する。


「イッツ、ショータイム! ってな!」


 エネルギーブレイドがリリークスの身体を斬り裂いた。


「ぐがぁぁぁぁ!!」


 咆哮。だがリリークスの動きは止まらない。瞬時に回転し、ルキの背後へ回り込む。両翼が振り抜かれ、嵐のような旋風波が炸裂した。


「ち、うっとおしい!」


 ルキは咄嗟に両手をクロスさせ衝撃を受け流したが、その身体は壁に叩きつけられ、瓦礫を撒き散らして崩れ落ちる。


「捉えたぞ!」


 その一瞬の隙を逃さず、サイクスが巨腕のようなアーム型エネルギー砲を構えていた。


「粉々になるがいい!」


 放たれた砲弾が轟音を響かせて疾駆する。


「ぐぎゃははは! 甘い!」


 リリークスは地を舐めるような低空飛行で軌道をかいくぐり、目にも止まらぬ速度でサイクスの眼前に現れる。


「なっ……!」


 刹那、悪魔の爪(デビルズ・クロー)が閃いた。


「がはぁっ!」


 サイクスの身体が裂かれ、鮮血が噴水のように舞い散る。


「サイクス!!」


 仲間の悲鳴。その瞬間には、すでにヒューベルトが距離を詰めていた。彼の手から解き放たれる無数のカットラス――。


無限(インフィニティ)刃舞(ソードダンス)!!」


 投げ放たれた刃が宙を舞い、まるで意思を持つかのようにリリークスを取り囲み、切り刻んでいく。


「あぎゃぁぁぁぁ!!」


 リリークスの身体が裂かれ、血潮が飛び散る。それでもなお狂気の瞳は消えない。


「もらったぁぁぁ!!」


 ヒューベルトが跳躍。舞い踊るカットラスを二本掴み、交差させて構えた。


「奥義・破壊(デストラクション)十字刃陣(クロスブレイド)!!」


 十字の閃光が炸裂。リリークスの身体が十字に切り裂かれ、鮮血が四散する。


「やったか!」


 コルトが叫んだ。しかしヒューベルトの足は止まらない。


「まだだ! 確実に息の根を止める!」


 転がったリリークスに走り寄り、パイレーツピストルを構えて引き金を引いた。


 轟音。爆炎。煙が立ち込め、広間が揺れる。


「……。今度こそ、やったの、か?」


 コルトが息を呑む。緊張が張り詰めた沈黙を支配する。


 やがて煙が晴れ、視界が開けた。


「ぐ、ぐはっ……」


 そこにあったのは、常軌を逸した光景だった。変貌した羽が刃のように鋭く伸び、ヒューベルトの腹を貫いていたのだ。


「な……っ!?」


 まるで鎌のように変質した羽が、痛々しく彼の身体を突き破る。血が滴り、床を赤く染めていく。


「ヒュー!!」

「ヒューベルト!!」


 仲間たちが一斉に駆け出す。だが――。


「うぎゃははははははは! はぁは、はは。あぎゃははははあひゃぁ!!」


 リリークスがもはや人ならぬ怪物の咆哮を上げた瞬間、爆風のような風圧が広間を覆った。


「ぐぅっ……!!」


 全員が容赦なく吹き飛ばされ、床に叩きつけられる。


 立ち上がった中央に立つリリークスの姿は――人の形を失い、完全なる悪魔へと変貌していた。

第64話『絶体絶命』に続く。

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