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『地球』という言葉が禁句の異世界宙域で秘密の禁書を追う話。  作者: 綾坂真文
第五章:禁止惑星『バルエクス』戦争編

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第58話 右塔攻略(4F)

第五章:禁止惑星 『バルエクス』戦争編

 一方その頃、右塔を攻略するヒューベルト班は順調に歩を進め、すでに三階まで上ってきていた。


「うっし。五階に出れば中央塔へ続く跳ね橋を操作して、道を作る事ができるはずだ」

 先頭を行くヒューベルトが短く告げる。


「今のところ、兵隊ばっかりで複数同位体(ケルベロス)はでてきてねーな」

 口を開いたのは、十士(じゅっし)の一人でもある軽薄そうな男、ルキだった。


「あぁ。警備が薄い……まるで俺たちを中央塔に誘いこんでいるかのようだ」

 同じく十士(じゅっし)の一人、サイクスが険しい目つきで呟く。


「気持ちが悪いな……だが、好都合だろう! このまま四階も抜けて跳ね橋まで突っ切るぞ!」

 ヒューベルトの言葉に、班の面々は無言で頷いた。


 四階の扉を開け放つ。次の瞬間、全員の足が止まった。


「っと。ここでやっとおでましか」

 目の前に待ち構えていたのは、巨大な鎧のような体躯を誇り、大型の鉄球を構えた複数同位体(ケルベロス)だった。


「はー、でっかいねぇ」

 ルキが口笛を吹く。


「鎧のような体に、鉄球か……鉄鬼とでも言うのかね。骨が折れそうだ」

 サイクスが低く続ける。


「言葉は通じないだろうな。時間をくってられない、さっさと潰すぞ!」

 ヒューベルトの一声に、全員が一斉に武器を構えた。


 鉄鬼の握る巨大鉄球が唸りをあげ、ヒューベルトたちに襲い掛かる。塔内の石壁が粉砕され、破片が四散した。


「相変わらず見た目に反して素早い動きだぜ! おらよっ!」

 サイクスが右手に装着したアーム型エネルギー砲を構え、連射する。発射された弾丸が鉄鬼の足部を直撃した。だが、ものともせず、鉄鬼は再び鉄球を振り回す。


「おいおい、塔ごと破壊でもする気かよ!」

 ルキが身を翻し、鉄球の軌道をかいくぐる。軽やかな回転動作で背後に回り込むと「勘弁してくれよな」と笑みを浮かべ、鉄鬼の足下へ時限装置をぺたりと貼りつけた。


 軽やかに跳躍し、上空へ舞い上がるルキ。指を鳴らして叫んだ。

「イッツ、ショータイム!」


 瞬間、足下の時限装置が爆ぜ、轟音と共に鉄鬼の巨体がぐらりと揺れる。


「はい、捕捉!」

 ルキは両手の指の間に挟んだ六つのビー玉を投げ放つ。ビー玉は空中で三角形を形作り、さらにエネルギーの線で結ばれ、やがて六芒星が浮かび上がった。


創造的(イマジネイション)消失(バニッシュ)!」


 六芒星が形づくったエネルギーブレイドが(ほとばし)り、鉄鬼の全身を灼き尽くす。金属が溶け落ち、鉄臭い蒸気が塔内を満たした。


「鉄を溶かすには高温の熱ってな」

 ルキが皮肉めいた声を残すと、ヒューベルトがすかさず前へ躍り出る。愛用のカットラスを振り抜き、鎧の小札(こざね)の隙間に鋭い刃をねじ込む。


「今だ!」


 掛け声と同時にサイクスがアーム型エネルギー砲を叩き込んだ。


 轟音。閃光。見事な連携。鉄鬼の鎧が爆散し、巨体は膝をつき、そのまま粉々に砕け散った。残骸だけが瓦礫の山に埋もれる。


「よし、五階へ進むぞ! 中央塔はもうすぐだ!」

 ヒューベルトが短く叫ぶ。


「へいへい、派手にやったもんだな」


「次はもっと面白いものが待ってるかもしれないぞ」


「あー。待ってなくていいんだけどねぇ」

 ルキとサイクスもそれぞれ応じ、三人は迷いなく五階への階段を駆け上がっていった。

第59話『左塔攻略(5F)』に続く。

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