恋歌*・。 ~恋の歌~ NO.2
「じゃぁまた後でメールする」
そう言って私は家の中に入った。
私は兄と姉と私の3人兄弟であり、5人家族である。
「ただいまぁ〜。」
何の変鉄もない玄関に、女物のミュールとお父さんよりデカイ靴が置いてあった。
「あっ。絵梨奈じゃん。久しぶり〜。」
兄←幹也
実はもう社会人1年目である。…大学行ってないから。21歳の幹兄は、18歳の時に、彼女の渚沙ちゃんと結婚して、電車を1本分乗り換えしたところにある、高そうで安いマンションに住んでいる。
そのマンションに居るはずなのに、何故かここに居た。イヤ…。居る。
「みっ…幹兄?!何で居んの?!つかお帰りっ!!!」
「ただいまぁ〜☆絵梨奈明日文化祭じゃん?だから渚沙と幹沙と3人で行こうと思ってさ。」
幹沙とは、見ての通り幹兄達の子供。
で、私の姪っ子!!
高1で伯母とかヤバくない?((笑
渚沙ちゃんは、めっちゃサバサバしてて話しやすいから好き。
幹沙は、いつも笑っていて、可愛い子。
「おッ!!絵梨奈ちゃんお帰り〜!!てゆうかまたスカート短くなってない?!」
リビングに入ると、渚沙ちゃんの少しハスキーな声が耳に入ってきて、幹沙が足にくっついてきた。
「あはは!!!中学生ぢゃぁないんだから短いに決まってるでしょ゜しかも、スカート短く切っちゃったし2回しか折ってないしッ!!笑」
「なんだそれッ!膝上30はあるよ?絶対短いからぁッ!笑」
この後、30分位話して食事を済ませてから部屋に戻った。
2階に上がって直ぐに部屋に入って、ピンクのスウェットに着替えた。
明日の準備をしようとスクバの中に入ってるプリントを見ると、何と、文化祭当日の集合時間が7:30だった。
「はッやッ!!なめてんだけど!!7:30て何??!」
いつもは、普通に9:00を回ってから登校するのが私なのだ。
でも、明日は遅刻する訳にはいかない。
「…〜。仕方ない…。準備しなきゃ…。」
スクバの中には、財布・私服・ミュール・鞄をぶち込んだ。
とても準備とは言えない、雑な準備を、早
くも30秒もしない内に終えて、ケータイを手に取った。
ケータイの待ち画のど真中に、
【新着メール1件】
の文字があって、メールの受信BOXを開くと、受信したのは柚葵のメールだった。
件名←Dear絵梨奈
本文
集合時間7:30とかなめてるよネ((怒
まぢ風呂入ってさっさと寝るわ↓↓
おやすみ〜☆
柚葵
件名←Re:Dear柚葵
本文
柚葵と私おんなじこと考えてるし!!!笑
明日頑張って起きよう…☆
おやすみ!
絵梨奈
ガチャッ…キー―ッ…バタン…。
途端にアブリルが流れ出す。
少し大きめの音量で。
微かに私の部屋まで音楽が聞こえてくる。
(槙稀姉だ…。今日もバイトかな。)
姉←槙稀は高2
性格は、おかあさん譲りで渚沙ちゃん以上にサバサバしてて、
ギネスに乗っちゃうかも…ぐらい。
「お風呂入んなきゃ。」
あたしは、一時間位風呂に入っていた。
風呂から帰ってくると、髪を乾かしてからケータイと一緒に布団に入り、目覚ましを6:30にセットして、眠りに入った。
♪〜
あたしは、メールの着信音で目が覚めた。時刻は早朝の4:30……………。
ふざけんな………((怒
送信してきたのは最近テンションMAXの香だった。
件名←なし
本文←
森の光公園来て!!!
早めに!!!
香
はぁ〜?!
今4:30なんですけどぉ?!しかも森の光公園って若干遠くない?!
…………けど行ってあげるかぁ。
ベッドから出て、クローゼットに掛けてある、柄々のパーカーを着て、皆を起こさない様にこっそりと家を出た。
6月だけど、何となく梅雨が近付いてるのか、少し寒い。
そんな事よりも前に、4:30に起きたのなんて人生初。
公園に着くと、奥のベンチに香が座っていた。