恋歌*・。 ~恋の歌~
いつか・・・
いつか世界中の皆にこの歌が届きますように・・・
青い空に浮かぶ、
あの大きな雲に乗って、
世界中からあの歌が聴こえてくるのを夢見て・・・。
*絵梨奈*
「もういんじゃない?」
明日は待ちに待った文化祭。
2ヵ月も前に実行委員を始めたあたしは、
狩野 絵梨奈 高校1年 16歳
そして現在6月である。
あたしが所属している2組の出し物は『執事喫茶 セバス』。
でもって、「セバス」なんて言う馬鹿っぽい名前の店を出すための
看板を製作していた。
製作を一緒にやったのは、実行委員でもあり、2組でのイツメンでもある、
村上 香
新垣 柚葵
浦山 海司
京極 慎斗
萩田 瞬 (はぎた しゅん)
の6人。
香・慎斗・海司は金髪。
柚葵とあたしはオレンジに近い茶髪。
で、瞬は黒に金のメッシュ。
・・・まぁ、そんな髪色の説明なんてどうでもいんだけど。
あたし達は出来上がったばかりの看板を、
教室の入り口のすぐ上に、
釘と針金で吊るしてから下駄箱へと向かった。
このフロアに残っているのはあたし達だけなのか、
やけに静かで、なんか淋しい。
明日は執事をイメージしてなのか、
何処かから借りて来たスーツを着て作業をする。
スーツって・・・
本格的過ぎるんじゃないか・・・??
なんか気が重いわぁ・・・。
手に取ったローファーは、底が擦れていて、激しく低くなっている。
周りもケバケバになっていて、
黒に薄い茶色が際立って目立つ。
・・・ローファー買い換えたいなぁ・・・。
「絵梨奈~??最近ボ~ッとし過ぎじゃね??」
慎斗に言われると、
「そ~でもなくない?あたし的には瞬の方がボ~ッとしてると思う・・・。」
な~んてちょい反発的回答。
なんで反発的なのかは分からないけど。
「瞬は常に眠いからしゃぁ~ねぇのッ!!(笑)」
海司の突っ込みはたまに激しくウザい時がある・・・。
・・・例えば、
・・・・・・・・・今。(怒)