表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/25

中ツ国の国策

周囲を大陸に囲まれているローミル海の真ん中にある国、中ツ国。

気候は温暖で、海の幸も豊かだ。十三領からなるその国の、北よりに位置しているのが僕の住んでいるトロン領だ。

トロン領の特産は紙と米と油だ。領主はトロン男。人口は三万人。領都には一万人ほど暮らしているが領としては小規模だ。


中ツ国の国策として、国民の識字率向上がある。

八歳になると各村に造られた神殿に通わされる。男の子は強制だが女の子は任意だ。

其処には神官が二人いて簡単な計算と文字を教えてくれる。

十年前からの政策なので家の両親は文盲だった。


見込みのある子供には3年間通うことができ、さらに詳しく教えてくれる。勿論無料だ。

その後適性検査なるものが行われるらしい。


家の長男は1年で辞めた。長女は行きたくないと言って、その後嫁に行ってしまった。一三歳なのにいいのか?

村でも適性検査まで漕ぎ着ける子供は、一定数いるが僕の僕の周りにはいなかった。

兎に角、今日は3年間通えた次男トムイが、我が家では、はじめての適性検査だ。実態が解る。

「トム兄。どうだった?」

すると、一枚の紙を僕にみせてくれた。何でも検査室に連れて行かれて、白紙を手渡されたらしい。

兄の字で書かれてはいるが、僕もまだ字が読めない。因みに鑑定は前世の字で書かれている。

兄に読んで貰うと

「トムイ。十一歳。マナ130。適性無」

と、教えてくれた。そう言えば、家族の鑑定をしていなかった。慌ててトム兄に鑑定をかけてみた。


  トムイ 十一歳

  

  マナ・・・130

  適性・・・無

  体力・・・56

  知力・・・89

  (スキル・・遠見)


スキルがある!まだ目覚めていないのか。マナと体力は平均より一寸多い。知力は平均より高めだ。

適性というのは魔法の適性のことか?トム兄は無属性の魔法が使えるのか?

ぼくの鑑定眼で診ると殆どの人が適性の所は空欄だった。

検査室というのは鑑定室なのかも知れない。

本人しか診ることが出来ないため、まず、字を習わせてから適性のある人達を見つけているのか。

魔法の才能を持つ平民を集めているのか。なんのために?


トムイは適性検査に合格した。後日、領都にある魔法兵士の学校に通うことになって、我が家から巣立っていった。

魔法兵士。戦争でもするのだろうか?

僕は来年、神殿学校に行く事になっている。字は覚えたいから、学校には行く。

適性検査は自己申告らしいので、適当に書いて出せば良いか。戦争には行きたくないし。


妹は女の子だし、強制ではないから、学校は行かなくてもいい。僕が後で教えてあげよう。暫く一人になるのが心配だ。


鑑定が少し成長した。とうとう妹のスキルの問題が解った。


  チムイ


 年齢・・・七歳

 マナ・・・13(50)

 適性

 体力・・・12

 視力・・・5

 スキル・・アイテムポケット(極小)▼親和性→カムイ


と言う事だ。所謂転生特典で、元は僕に着くはずのスキルが、どうしたわけかチイにくっついてしまったのだ。

矢張り、僕のせいだった。僕のせいで妹が危険な状態になってしまった。

スキルをどうにかする方法が解らない。もっと鑑定眼が成長すれば解るかも知れない。


それからは、冬の間必死になって、鑑定しまくった。

食欲は無くなり、身体の成長は全くしなくなった。

周りの子供達と同じ体格に落ち着いた。



















  





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ