僕の家族
一の村という所に僕は住んでいる。
100戸程の家々があり、それぞれに五人から十人ほどが同居している。 僕の家族構成は、祖父、父母、長男、長女、次男、三男(僕)、次女(僕と双子)という感じだ。
我が家は、農家と猟師の兼業で、祖父と長男が猟師をしている。
僕と妹以外の家族で、農家の仕事をしている。
農家と言っても、村が管理している農地を、村民で手分けして耕している。収穫物は7割税として領主に納められる。3割は村の共同保管庫行きだ。
自家用の食料は、家の周りにある土地を、狩りの傍ら祖父と長男が耕している。
食料はふんだんにある。このあたりは自然豊かで、2時間ほど散策すれば、籠いっぱいのブドウや山菜。川には川海老、イワナ、ウナギ、蟹、タニシ、スライム、がいる!此方ではスライムは魔物では無く、益獣のくくりだ。多分、人を襲わないからだろう。
捕ってくるのは僕と妹の仕事だ。近所の子供達と連れだって、狩りに行く。
妹は虚弱で、まだ歩けないので僕が背負っていく。現地に着いたら、専ら妹は見学だ。
僕達は、静かに川に入っていく。皆で籠を持って周りから獲物を追い込んでいく。すると、籠の中にエビや蟹、スライムなんかが入ってくる。
「よし!いっぱい採れた!皆でわけっこするぞ!」
僕はこのグループのまとめ役だ。一番身体が大きいからだ。一寸年上の子でもこき使っている。
ガキ大将の位置付け、と言うわけだ。
白スライムは意外と旨い。コリコリとした食感で、ややピリリとして独特の旨みと塩味がある。前世のクラゲのピリ辛炒めに似ている。
赤スライムは、生け捕りにして便所にいれておけば、汚物を分解してくれる。匂いもなくなり肥料にもなる。スライムは暫くするといなくなってしまうので、定期的に捕ってこなければならない。
僕は毎日自由に野山を駆けまわっている。
こちらの暦は1年を一二分割していて、一月は60日だ。したがって、1年は720日ということになる。
僕は今年で五歳になるが、前世の月齢で換算すれば十歳になるのか?体格的にも五歳とは思えないほどしっかりしている。
でも、妹は成長が遅く、三歳くらいにしか見えない。個人差は激しいようだ。
平均寿命は四十歳くらいだが、我が家のご老人は四十八歳になるけどピンピンしている。(尚祖母は三十八歳で無くなっている。)
祖父の狩ってくる獲物は、家族の食卓にのる。加工して保存したり、お金に換えたりもする。
異世界動物、牙のあるうさぎ、カラスのような鳥、イノシシ、鹿、等がいる。色彩が独特だが、概ね前世のに似ている。
それらを母が、唐揚げにしたり炒めたり、兎に角メニューは豊富だ。
食に関しても満足だ。
異世界、バンザイ!




