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特殊個体の討伐

ギルドからの要請で、大規模討伐に参加することになった。

何でも強力な特殊個体が現れたらしい。魔物は、突然完全な個体で現れる。

例えば、マナが300ある個体として湧いてでて、マナは、それ以上増えない。

じっとしていれば、まるで、穴の開いたバケツのようにマナが減り続ける。

それを補う様に他の個体や動物、人間などを喰らう。いくら喰っても元のマナは増えないが、減った分は補える。それでも2年から3年すると、弱っていき、最後は力尽きる。

だが、生きている間は、凶暴で、周りを喰らい続けるので、人里に現れたときには被害をもたらす。

通常個体のマナは冒険者の間で、周知されているのでそれほど、討伐に苦労はないが、偶に、ネームドが生れる。

勿論、鑑定持ちで無いと詳細を知ることは出来ないが、見た目でも容易に特殊個体だと分かる。

特殊個体の色は色々だが、魔法文字のような文様が在るのが特徴だ。マナも非常に多くそれを補給する為により一層凶暴になる。


その特殊個体は、真っ黒で、所々魔法文字のような模様があった。

鑑定眼で見てみると、

『同族喰らい』マナ5000

と言う結果がでた。これは猿の魔物エンプの特殊個体だ。同族喰らいというのなら、元の魔物の特徴をそのまま、より強力に進化させているはずだ。


「『同族喰らい』マナ5000だ!」

僕が鑑定の結果を伝えると、冒険者の皆が、

「「「おおー!!わかったぁー!」」」と答え、嬉々として、魔物に向かっていく。

僕は少し離れたところから、魔物の首を狙って、『風の刃』と念じる。しかし、浅く切るだけに終わる。

火の魔法は強力だが、素材を傷めるので、いよいよ危ないとなった時にしか使えない。

マナも大きく消費する、使い勝手の悪いスキルだ。


魔物から、大きい石が次々に放たれてくる。驚くべき膂力だ!

冒険者達は軽々とかわしながら、突っ込んでいく。魔物の特徴も弱点も知り尽くしたベテラン揃いだ。何とも逞しい。

僕は素早く魔物の後ろに回り、膝の裏を狙い、『風の刃』と念じる。今度は通じたみたいだ。

魔物が、ドオーッ!と音を立てて前に倒れた。

その期を逃さず、大剣を持った、ベテラン冒険者が、一太刀で魔物の首を仕留めた。

僕には経験値は入らなかった。残念。矢張り、命を直接倒さなければだめなのだ。


特殊個体は冒険者にとって、一気に稼げる美味しい獲物だ。数時間で片が付いた。

「いやー。助かったぜ、魔法士さんよぉ。得意攻撃が始めからわかるってぇのは、楽で良いねぇ」

とのことだ。魔物は6メートル、重量2トンの大物だ。だから、僕が運ぶ。

皆ホクホクである。普段なら、一部分しか持ち帰れないからだ。儲けも数倍である。

ギルドに帰ってくると皆笑顔で騒いでいる。

僕も、今日は随分稼がせて貰った。討伐の貢献度で一番になり、50パーセント受け取れた。


強力な、そして大型の特殊個体になれば、大きな魔石がある。その魔石は街の防御システムに使われたりする。今回の魔石もそうだ。高値が付いた。

他には毛皮、肉、牙、骨、目玉、すべて利用出来るのだ。内蔵さえも、好事家に売れる。特に陰嚢、や膀胱は人気だ。肝臓と腎臓は薬になる。心臓は珍味として、若しくは滋養強壮として売れる。

まあ、大変金になったと言うことだ。






















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