帰宅
スノーホワイトが帰宅すると、近くの村に住む少女、エルシィが昼食の用意をしていた。
「おかえり」
「ただいま」
「お客さん、どうだった?悪い人だったの?」
「うん。悪い人だった」
スノーホワイトは椅子に腰掛けた。
「それじゃあ、またお仕事したのね」
「ああ」
エルシィが料理をテーブルに並べる。
「今日は豆のスープよ。夜はポタージュを作って持ってくるから」
「今日は晩ごはんはいいよ。腹が減ったらパンでもかじるから」
「食欲ないの?」
エルシィが心配そうな顔でスノーホワイトの顔を覗き込む。
「どうもそんな感じだ」
「じゃあ、置いておけるものを持ってくるから、食べたくなったら食べて」
「うん」
エルシィはエプロンを外して手に持ち、玄関のドアへと足を運んだ。
「エルシィ」
スノーホワイトが彼女を呼び止める。
「うん?」
エルシィが振り返った。
「いつもありがとう」
スノーホワイトはほんの僅かに口角を上げてエルシィに感謝の言葉を告げた。
エルシィがにっこりと微笑む。
「どういたしまして。それじゃまたね」
エルシィは軽やかな足取りで家を出た。
彼女を見送ったあと、スノーホワイトはテーブルに着き、木のスプーンで豆を口に入れた。
そうだ。僕はあの笑顔のために戦っているのだ。
そして、この世界の人たちを守るために。
スノーホワイトは黙々と食事を続けた。