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第1話 闇と月光

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 月光に照らされた男の顔は、喜色に彩られていた。


「ああ、長かった……」


 万感をこめて呟く。


「何十年も耐え続けてきたような気がするが――実際には十年足らずか。我は存外堪え性のない人間だったのかもしれぬ」


 自らの足元に転がる人物の顔を覗き込む。これから自分に起こることを知らぬが故の無垢な寝顔に、歪んだ笑みを浮かべた。


「お前自身に非はない。罪もない。それは知っている――だが我にとって、お前の存在は邪魔以外の何物でもないのだ。言ってしまえば、お前の存在そのものが、罪と言えよう」


 そっと、その額に浮かぶ【加護印シャーン】に指を這わせる。憎く、疎ましく、目障りで――羨望と嫉妬を抱かせる、その印。


「その印さえなければ、もっと長く生きられただろうに」



 ――……かわいそうな、我が弟よ。



 囁いて、男は手筈を整えるため、その場を離れたのだった。


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