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銀河戦記/鳴動編 第一部  作者: 神崎理恵子
第一部
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第八章・犯罪捜査官 コレット・サブリナ Ⅵ

 ランジェリー・ショップを出て、喫茶室やブティック等で聞き込みを行った後、さらに宿房へと向かう。

 この女性士官専用居住区は、完全な男子禁制が敷かれているために、パジャマ姿で廊下を歩いている女性士官を数多く見掛けることも多い。

「ともかくも不審を抱かれずに男性が通過することはほとんど不可能ね。となれば殺人現場が宿房であったとすると、犯人は女性か女性に扮装した者ということになるのだけど……女性士官の数は百余人ほど、面子を知らない相手はいないだろうし、となると女装した男性ならすぐにばれるはず。よほど他人になりすますことのできる変装術がなければ」

 最後に姿を見た者は、彼女を残して食堂に向かった同室の四人。そして遺体を発見したレイチェル衛生班長以下の六人。そしてカテリーナの計十一人が関わったことになる。最後に生存を確認された宿房からジムで遺体として発見されるまでの間の、空白の時間を埋めることが捜査の重点である。

「ミシェールが一人きりでいることを知っているのは最初の五人。他にしゃべっていなければだが」


 ミシェールのいた宿房にたどり着く。

 ウィング大尉が素早い対応をしてくれたようで、どうやら立ち入り規制が敷かれていて入る事はできないようだ。

 しかし入らなければ捜査ができない。

 ドアの側の端末を操作して、警備部を呼び出す。

「情報部特務捜査科第一捜査課、コレット・サブリナ中尉です。捜査の為宿房に入室することを許可願います」

『確認します。IDカードを挿入してください」

 言われた通りに端末のID挿入口にカードを差し込む。

「情報部特務捜査科第一捜査課、コレット・サブリナ中尉と確認しました。レイチェル・ウィング大尉から連絡を受けております。どうぞ、お入りください」

 ドアが自動的に開いた。

 神妙な面持ちで入室する。

 向かって右手に三段ベッドが二列に並んでおり、左手には個人のロッカーと共用で使う机が並んでいる。そして正面には多機能の端末が置かれた机が置かれている。その右脇にはゴミ廃棄用のダストシュートがある。

 部屋の中央にはガラステーブルと敷かれたマットレス。


 ソフィー・シルバン中尉。

 クリシュナ・モンデール中尉。

 ニーナ・パルミナ少尉。

 ニコレット・バルドー少尉。

 カテリーナ・バレンタイン少尉。

 これにミシェール・ライカー少尉を加えた六人が同室だった。


 ミシェール以外の者は、すでに引っ越しを済ませて荷物はない。

 もちろん事件直後の初動捜査で、室内捜査や各自の所持品検査は終えている。

 荷物が残っているミシェールの机類を調べはじめる。

 それから小一時間。ごみ箱まで徹底的に調査したが何も発見できなかった。

「まあ、予想はしていたけど、犯人や殺害方法を特定するものは何もないか……」

 アスレチックジムまで、誰にも知られずに遺体を運んだ相手が、証拠を残すはずもなかった。

「おっと、もうじき五時だな。スタジオに行かなければ」

 警備部に連絡して扉を再度封印してもらってから、スタジオのあるブロックへ移動する。


 スタジオは、女性士官居住区を一階上がった所にある。

 第一艦橋や統合作戦司令室、統制通信発令所の他、ランドール中佐や参謀達の居室もある、艦隊運用を担う上級士官用のフロアだ。

 エレベーターを降りてすぐに、警備セクションがある。これより先は発令所要員以外の通行禁止、武器の携行は許されていない。

「情報部特務捜査科第一捜査課、コレット・サブリナ中尉です。ミシェール・ライカー少尉事故死の捜査のため、FM局スタジオに用があります。それと特務捜査権における武器の携行許可を願います」

 IDカードを掲示して、デスクの上に一旦、武器を取り出して見せる。

 殺人などの捜査を行う上で、銃は必要不可欠だ。犯人を取り押さえるのに、威嚇射撃は必要だし、銃撃戦となることもある。

 警備員はIDカードと武器を確認している。

「タイニー式ブラスターガンですね。麻酔にも合わせられる……。結構です、携行を許可します」

「IDの照合終わりました。サブリナ中尉、どうぞ先に進んで結構です。ウィング大尉からの報告は受けております」

 といいながら通行証となる胸章を着けてくれた。

「良い捜査結果を期待します」

「ありがとう」

 IDカードと銃を返してもらって、先のフロアへと進んだ。

 宿房といい、ここといい、大尉の手際の良さは見事だし、実に協力的だ。

「さすがに情報将校だけあるわね」

 女性士官達の憧れの的となっている魅力を垣間見た瞬間である。

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