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銀河戦記/鳴動編 第一部  作者: 神崎理恵子
第一部
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第七章・不期遭遇会戦 Ⅱ

 アレックスは、カラカス基地に旗艦部隊三百隻を残してロイド少佐に任せ、ゴードンとカインズ配下の両部隊を引き連れて、キャブリック星雲へと訓練航海に向かった。

 旗艦サラマンダー以下総勢四百隻のうちの半数が、カラカスにおいて搾取した艦船を同盟仕様に改造したものであり、乗組員も不慣れな新人が多かった。

「ウィンザー中尉」

「はい」

「君が出航の指揮を取りたまえ」

 というと立ち上がって、指揮官席を開けた。

「わたしが……ですか」

「そうだ。今回の訓練航海は君達参謀だけで練り上げた作戦で動く。私は傍観するだけにしておくよ」

「わかりました」

 代わって指揮官席に腰を降ろすパトリシア。

 指揮パネルを操作して指令を下す。

「パトリシア・ウィンザー中尉である。これより訓練航海の指揮を取る。全艦、当初作戦通りにキャブリック星雲にコース設定」

「キャブリック星雲にコース設定しました」

「よろしい。全艦微速前進」

「全艦、微速前進」

 パトリシアの指令を、艦橋オペレーターが復唱しながら、全艦に伝えている。

 そろそろと慎重に動きだす艦艇。

 もちろん出発当初より、艦隊リモコンコードを使用しないのは無論のこと、自動操舵装置も解除した手動操艦によって、運行されていた。

「全艦、微速前進で航行中。異常ありません」

 部隊編成当時には接触事故が多発したものだが、操舵手・副操舵手が操艦にも慣れていくうちに、めっきり事故は減ってきていた。

「巡航速度へ移行します。速力三分の一」

「巡航速度。速力三分の一」

 訓練航海なので、いっきに全速力を出すことはしない。操舵手や機関課の乗員に慣れてもらうことが大事だからだ。

 航海が順調に滑り出したのを確認して、アレックスは一時艦橋を離れることにした。

「スザンナ!」

「はい!」

「しばらくパトリシアのそばにいてやってくれないか。私はしばらく司令室にいる。何かあったらすぐ連絡するように」

「わかりました」

 と答えて、艦長席から副指揮官席に移動するスザンナ。

 巡航時における艦隊運用の経験は、一年先輩のスザンナの方が豊富である。アレックスは、戦闘時や訓練以外では、スザンナに運航の指揮を執らせていた。


 司令室。

 キャブリック星雲の投影されたパネルスクリーンを凝視しながら、何事か思慮にふけっているアレックス。

 ノックの音がした。

「レイチェル・ウィングです」

「入りたまえ」

 扉が開いてレイチェルが入ってくる。

「早速だが、報告してくれ」

「はい。やはり、敵の一個艦隊が隠密裏に動いているようです」

「行き先は?」

「不明です。時間が足りなくてまだ確認できていません。しかし、司令の推測通りに行動している可能性はかなりの確率であると思います」

「そうか……ありがとう、助かったよ。敵艦隊の動静を逸早く察知するなんて、さすがレイチェルだな」

「いえ。どういたしまして」

「となると……」

「訓練は中止か延期なさってはいかがでしょうか?」

「そうもいくまい。カラカス基地の防衛という任務がある以上、逃げているわけにはいかないのだ」

「でしょうねえ。となると、司令のお手並みを拝見できるわけですね」

「あのなあ、気楽に言うなよ」

 といったまま、再びスクリーンのキャブリック星雲に視線を移すアレックス。

 その時、

「司令! 前方にキャブリック星雲が見えてまいりました」

 艦橋のスザンナから報告がなされた。

「わかった。今いく」

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