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銀河戦記/鳴動編 第一部  作者: 神崎理恵子
第一部
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第六章・カラカス基地攻略戦 Ⅹ


 準旗艦ウィンディーネに戻るゴードン。

 副指揮官のレナードが挨拶する。

「お帰りなさいませ。オニール少佐殿」

 すでにゴードンの昇進は知らされていたので、新しい階級で呼びかわしていた。

「どうだい、シルフィーネを追い出された気分は?」

 レナードは大尉に昇進したものの、実質的な指揮統制の経験がほとんどなかった。準旗艦シルフィーネにいても、上からの指令をそのまま伝達するだけでしかなかったからだ。上官であるアレックスの昇進にともなって自動的に大尉までになったばかりなのだ。ゴードンの下で指揮統制の研修中である。

「からかわないでくださいよ。ところでそちらの女性は?」

「ああ、彼女は……」

「シェリー・バウマン少尉です。オニール少佐の副官を仰せ付けられました」

 自ら自己紹介をするシェリー。

「こちらこそ、レナード・エステル大尉です」


 ガデラ・カインズが準旗艦ドリアードに戻ると、第二分隊副指揮官のカール・マルセド大尉からの報告を受けた。

「第二分隊の編成艦数二百隻。乗員の配備及び弾薬以下食料・燃料等の積み込を完了し、いつでも出航可能です」

「ご苦労だった」

「あ、とそれから……」

「ん?」

「佐官に昇進、改めておめでとうございます」

「あ、ああ。ありがとう。君も大尉だったな」

「はい。本来なら後四・五年はかかるはずでした。それもこれもランドール中佐のおかげといえるでしょう。ランドール司令が着任してきた当初は、カインズ大尉を差し置いてと憤慨もしましたが、今では正直に感謝したいと思います」

「そうだな……」

 確かにカールの言うとおりである。ランドールの奇抜な作戦と決断力が、大勝利をもたらして、結果的に昇進を早めたのは間違いない。

 特にクラスの変わる大尉から少佐への昇進には、監査委員会が実施する昇進試験(実戦を含む)や面接が行われ、司令官としての作戦能力や適正が調査されたのちに、承認されてはじめて官位が与えられることになっている。

 しかし、ランドールがそうであったように、名誉十字勲章が授与されるような素晴らしい戦功を挙げた場合などは、特例として無監査で官位が与えられる。

 カラカス基地の奪取という功績により、ゴードン及びカインズ両名は、無監査による昇進を認められたのである。

「おっと、そうだ。紹介しておこう。今度、俺の副官として着任することになった。パティー・クレイダー少尉だ」

「パティー・クレイダーです。よろしく、お願いします」

「こちらこそ。副指揮官のカール・マルセド大尉です」

「マルセド大尉は、準旗艦ノームにいたのだが、エステル大尉と同様に、佐官昇進の準備のため、私のドリアードに第二分隊副指揮官として来ることになったのだ」


 そしてディープス・ロイドが、準旗艦シルフィーネの艦橋に現れた時、艦長以下の艦橋勤務要員から熱烈歓迎を受けたのであった。

「少佐殿。よくおいでくださいました。我々一同、ご命令とあれば即座に最善をもってお仕えいたします」

 シルフィーネの乗員達は、自分達が敬愛する司令官がディープス・ロイドを指揮官として自艦に乗り込ませたことで、彼が信用に足りる人物であることを悟ったのであった。

 サラマンダー以下のハイドライド型高速戦艦改造II式には、アレックスが少尉時代に指揮していた艦長以下の乗員達が乗り込んでいる。つまりはアレックスと共に生死を分かちあってきた懐刀といえる存在なのである。その大切な艦を任せるということは取りも直さず、ゴードンやカインズそしてジェシカに並ぶ者として、作戦部隊の要として位置付けているということであった。

「それでは艦内をご案内いたします」

 バネッサはロイドを連れて、艦内の重要施設を案内して回った。

「ここが、少佐殿のお部屋になります」

 施設を一通り説明して、最後に居住ブロックの私室に案内した。

「一つ確認したいが……ここの艦橋要員は、女性士官ばかりなのか?」

「はい。交代要員も含めて全員女性です。もちろん旗艦サラマンダーを含めて準旗艦すべてが指揮官を除いてそうなっています」

「そうか……」

「指揮官殿は、女性に偏見を?」

「いや。そんなことはない。がしかし、男が俺だけという境遇に慣れるのが大変だなと思ってね。お手柔らかにたのむ」

「はい。でも、旗艦サラマンダーに比べれば、男女比はまだそれほどでもありませんよ」

「まあ、旗艦となれば、戦闘そのものよりも、作戦・通信・管制が重要な役割を背負っているから、自然女性オペレーター士官も多くなるだろうな」

「少佐に関わる施設などの案内は以上です。艦橋に戻りましょう」

「そうだな」

 バネッサに従い艦橋へと戻るロイド。

「アレックス・ランドールか……ついていく価値のある人間であることは確かなようだ」


 第六章 了

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