クリスマスイブの夜~ある家にて
さて、クロは雪の中を進みながら、ある一つの家に向かいました。
《不思議のゲート》に一番近い頑丈なレンガで作られた家です。
「ここがいいかな・・・」
クロは家の外についていた窓のところにとびのりました。
そこからクロは家の中をのぞきました。
そこは、ヒイラギを丸い物や星などでキラキラとかざりつけられた、クリスマスツリーが置いてあり、その部屋のすみには二段ベットが置いてあります。
二段ベットの上の段には金髪の少年、下の段には金髪の少女がスヤスヤと寝ていました。
クロはその少年と少女を見て、微笑みました。
クロは飛び降りて、反対側に回りました。
反対側にも窓が付いていました。
クロはその窓にまたとびのりました。
またその窓から家の中をのぞきました。
そこからはキッチンとダイニング、リビングが見えました。
この時間なら、普通眠っていて明かりはついてないはずですが、明かりがついていました。
リビングでは、金髪で青い瞳をした女性と金髪でなぜか眠たそうな男性がいて、向かい合っていました。
ちょうど女性はコップにある飲み物を飲んだところです。
女性と男性はなにか話していましたが、人間語なのでクロにはわかりませんでした。
しかし、二人とも悲しそうな顔をしていました。
しばらくたつと、その女性と男性は明かりを消してどこかへ行きました。
クロはそれを最後まで見て、いなくなったのが分かると、窓を開けて、入りました。
そして、クロは冷蔵庫を器用に開けました。
「思った通り・・・」
冷蔵庫にはたくさんのごちそうが入っていました。
あの森では取りたくても取れないものが。
クロはその中の肉を何枚か取りました。
その時、なぜだかクロはあの女性と男性の顔を思い出しました。
なんて言ったか分からないけど、とても悲しそうな顔・・・。
クロは肉を冷蔵庫に戻して、大急ぎで窓にとびのり、とびおりました。
そして、森の方へと戻っていきました。
クロにはいい考えがありました。