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笑わず姫と魔法使いーアルトゥール⑩ー

  ***



『目を見て話したいんですの』


星空の下。

ジギスヴァルトの背で、彼女はそう言って真っ直ぐスピーゲルを見つめた。


『……怖くないんですか?僕と……その……向かい合って』

『怖い?何故?』


―――……初めてだった。

あんなふうにまっすぐスピーゲルを見つめる人間、今は亡き師以外に、スピーゲルは知らない。

『魔族は人間の生き血をすする』。『獲物を生きたまま喰らう』。

だから目が赤いのだと、人々はスピーゲルの一族を怖れ、蔑み、まともに目など見ようとしなかった。

そしてスピーゲルも、いつの間にか人の目を見て話をすることをやめていた。

それなのに、彼女は驚くほどに真っ直ぐスピーゲルを見る。

初めての邂逅からしてそうだった。

垣根ごしに出会った青い瞳。

その瞳のなかには、恐怖も侮蔑も、月も星も夜空すらも、何も存在しなかった。

ただただ、スピーゲル一人を映し出す、澄んだ眼差し。

その目は、太陽の下で光を反射して煌めく泉のようだった。

吸い込まれる――――。

溺れないように、スピーゲルは呼吸(いき)をとめるのが精一杯だった。







店の先には様々な物が溢れ、行き交う人々がそれを眺める。

活気ある街の雑踏が物珍しいのか、アルトゥールがキョロキョロと辺りを見回した。

「人が沢山いますわね。お店もこんなに沢山」

「姫君。人目につく行動は避けて下さいね。ほら、フードをちゃんとかぶって……」

スピーゲルは気が気ではなかった。この街は王都から離れているので『笑わず姫』の顔を知る人間がいるとは思えないが、用心するに越したことはない。

スピーゲルはアルトゥールを連れ、とある街を訪れていた。少しばかり盛ってはいるが、特にこれといって特色があるわけではない田舎の街だ。

アルトゥールには『キスがしたいのでしょう?相手を探しに行きましょう』と話をして連れてきたが、勿論本気でキスの相手を探しに来たわけではない。

(何の目的で僕についてきたのか……)

彼女の目的が何にせよ、そろそろ行動を起こしてもいいはずだ。

アルトゥールがスピーゲルの家で暮らすようになって一月近くたつ。その間、彼女は食べるか寝るか、ベーゼンや林檎の木々とお喋りするか、特に怪しい行動は見せなかった。

(だからと言って、まだ信用するには早い)

『キスがしたい』なんて突拍子がないことを言ったのも、スピーゲルを油断させるつもりだったのかもしれない。

油断させ、逃げ出し……。

()()()と繋がっているにしろ、いないにしろ、『笑わず姫』が実は生きていると世間に知れることは絶対に避けなくてはならない。

(とにかく、この状況で彼女がどういう行動に出るか……)

冷静に、スピーゲルはアルトゥールを観察した。

その視線や行動に何かしらの意図が隠れていないか、つぶさに分析する。

「あら?あれは何かしら……」

それまで歩いていた軌道線上から、アルトゥールがフラリとはみ出した。そこへ、荷車を引く馬が土埃をたてながら突進してくる。

「姫!」

スピーゲルは慌ててアルトゥールの肩を引き寄せた。

間一髪。アルトゥールの鼻の先を、馬が駆け抜けていく。

「気を付けろ!」

馬を操っていた御者の捨て台詞に、アルトゥールは眉を寄せて荷車を見送った。

「それはこちらの台詞ですわ。危ないですわね」

「危ないのはあなたです!」

スピーゲルは顔を青くして喚いた。

「道を渡る時にはちゃんと安全確認をしてください!馬は急には止まれないんです!!」

「安全確認?」

「馬車がこないか、人とぶつからないか、ちゃんと見て確認するんです!」

ふぅん、とアルトゥールは頷いた。

本当に分かっているのだろうか。

(……何なんだろう。この人)

街に着いてからやったことといえば、店頭にあった蜂蜜酒を代金も払わずに飲み干し、肩がぶつかったどうみても堅気ではない男相手に『気をつけなさい』と喧嘩を売り、金貨二枚の大金を払って『幸せを呼ぶ壷』を購入しようとし……。

その度にスピーゲルは対応に追われ、完全にアルトゥールに振り回されている。

次から次へと、どうしてこうもやらかすのか。世間知らずだという自己申告は確かにあったが、それで片付けていいものなのだろうか。

(疲れた……何か……凄く疲れた)

スピーゲルはため息をつく。

「自分の体質のことを忘れないで下さい。怪我しても()()()()()()()()()んですから」

すると、アルトゥールは無表情のままぼんやりスピーゲルを見上げた。

「……わたくしが怪我をしても放っておけばよいではなくて?殺す手間が省けるかもしれなくてよ?」

表情を変えずにサラリとそんなことを言うアルトゥールに、スピーゲルは二の句をつなげなくなった。

時折、彼女の言動の端々に自身の命への無関心を感じる。

これも、スピーゲルを油断させる手段なのだろうか。

「それで、あれは何ですの!?」

「あ、ちょ……姫!?」

スピーゲルを置いて、アルトゥールは駆け出して行く。やはり安全確認はない。

(まったく……)

スピーゲルはげんなりとして、アルトゥールの後を追いかけた。

「いらっしゃい、お嬢さん」

アルトゥールを笑顔で迎えたのは焼き鳥屋の主人だった。

串に刺さって並ぶ焼き鳥に、アルトゥールは瞬きも忘れてに見入る。

その口の端からは涎がこぼれ、今にも顎から滴り落ちそうだ。

「……姫。涎」

「はっ!」

慌てて袖で涎を拭うアルトゥールの姿に、スピーゲルはまたしても溜め息をついた。

(この人、本当に王女だったのかな……?)

スピ―ゲルとアルトゥールのやりとりを見ていた焼き鳥屋の主人が、笑いながらアルトゥールに焼き鳥をさしだした。

「はは。腹がすいてるのかい?食べな食べな」

「いいんですの?」

差し出された物をアルトゥールは受け取り、すぐさま頬張る。

「……美味しいですわ!」

キラキラと妙な発光物をあたりに撒き散らすアルトゥールに、焼き鳥屋の主人が代金を催促する。

「お嬢さん、お代」

「……おだい?」

「す、すみません!」

スピーゲルは急いで財布を紐解きながら、アルトゥールに耳打ちした。

「さっき言ったでしょう?何かもらうには銀貨と交換。勝手に店のものを食べたり貰ったり持ち出したりしちゃダメだって」

「……忘れてましたわ」

ああ、もう。

スピーゲルの溜め息はとまらない。

「いくらです?」

「六枚だよ」

財布から銀貨を六枚とりだし、スピーゲルは露店の主人にわたした。

「まいどありー」

「行きますよ、姫」

まだ焼き鳥を咀嚼するアルトゥールの肩を押し、スピーゲルは屋台から離れようとした。このままでは食べ物系統の屋台を制覇してしまう。

「そろそろ何をしにきたか思い出して下さい」

スピーゲルが促すと、アルトゥールは焼き鳥をゴクリと飲み込んで答えた。

「食べ歩き」

「姫!」

「……冗談ですわ。『キスの相手』を探すんですわよね?」

真顔で冗談を言われても冗談に聞こえない。

スピーゲルは心底疲れて項垂れた。

「そうです。相手を選んでくれれば後は魔法で……」

顔を上げたスピーゲルは、目を剥いた。

アルトゥールが、いない。

「……姫君?」

慌てて辺りを見回す。

先程の焼き鳥屋、靴磨きの店、溢れる人に、荷車をひく馬。

どこにも、アルトゥールの姿は見当たらない。

「……姫!?」

返事はなかった。




***




通りの向こうの店先に並ぶ赤い林檎を見つけ、アルトゥールは引き寄せられるようにまた走り出す。

拳より一回り小さな林檎は、光を纏ったように照り輝き、細い串が刺さっていた。

優しげな老婆が、ニコニコとアルトゥールを出迎えた。

「いらっしゃいまし。林檎飴はいかがかね?」

「林檎飴!?」

アルトゥールは両手で胸を押さえる。

「宝石かと思いましたわ……」

赤く輝く丸い物体に、アルトゥールはうっとりと見とれた。何て綺麗なのだろう。

「スピーゲル!」

アルトゥールは林檎飴をビシリと指差し、背後のスピーゲルを見上げる。

「コレが欲し……」

言おうとした言葉は空中で霧散した。

当然いると思ったスピーゲルが、そこにいなかったのだ。

アルトゥールは辺りを見回した。

「……スピーゲル?」

通り過ぎる人の流れの向こうに、揺れる煤色の外套が見える。

「スピーゲル!」

声を上げるが、彼は立ち止まることなく歩いて行ってしまう。

「スピーゲル!?どこに行くんですの!?」

アルトゥールはスピーゲルの背を追いかけた。

人の流れに逆らいながら、スピーゲルを見失わないように懸命に走る。

角を曲がったところでようやく手が届くほどに追い付き、煤色の外套を掴んだ。

「スピーゲル!」

「え?」

振り向いたのは、スピーゲルには似ても似つかない黒髪に黒い目の中年の男だった。

男は怪訝な顔をしてアルトゥールを見下ろす。

「何か用かい?お嬢さん」

「……何でもありませんわ」

ゆるゆると首を振り、アルトゥールは一歩下がる。

男は首を傾げながらも、また人の波に溶けて行った。

「……」

来た道を振り返る。

買い物を楽しむ親子連れ。

客を呼び込む男。

荷車を引く驢馬がゆっくり歩いていく。

どの角を曲がってここに辿り着いたのか、それすら分からない。

アルトゥールの髪の奥にいたジギスヴァルトが這い出してきて、頭をもたげる。

「ジギス……完全にはぐれてしまいましたわ」

どうしたものか。

見知らぬ街で、アルトゥールは途方に暮れた。





あちこちとスピーゲルを探して歩いたアルトゥールは、けれど彼を見つけることは叶わず、やがて疲れ果てて橋の上で座り込んだ。

足が痛い。

そもそも王城では自分の部屋にほぼ引きこもっていたので、これほど出歩いたのはかなり久しぶりだ。

腹部から聞こえるキュルキュルという情けない訴えに、アルトゥールは項垂れる。

見れば周囲には軽食を売る店が並んでいた。砂糖が焦げる甘い香りに、肉を焼く世にも美しい音。

肩にへばりついていたジギスが、小さな手でアルトゥールの髪を引っ張った。

彼の口の端からは、今にも涎が滴り落ちそうだ。

「……ダメですわ。ジギス。お金を持っていませんもの」

店に並んでいるものは銀貨と交換しなければならない。勝手に飲んだり食べたり、とったりしてはいけない。スピーゲルに言われたことを、アルトゥールはちゃんと聞いていた。

銀貨一枚すら持っていないアルトゥールには、店先に並ぶ食べ物を食べる資格はないのだ。

(……林檎飴……食べたかったですわ……)

アルトゥールは深く嘆息した。

あの赤く美しい宝石のよう飴は、どんな味がするのだろう。

想像するだけでアルトゥールの口の端から涎が溢れる。

「おかあさあーん」

子供がアルトゥールの目の前を走り抜けて行く。

「ほら、手を繋いで。はぐれちゃうわよ」

手を繋ぎ歩き出した親子連れを、アルトゥールはぼんやりと眺めた。

(……置き去りにされる、なんてことはありませんわよね)

アルトゥールを殺したいスピーゲルにしてみれば、殺す前にアルトゥールに何かあれば困るはずだ。きっと彼は今ごろいなくなったアルトゥールを探してくれているだろう。

そうと分かっていても、アルトゥールの胸には一抹の不安が灯る。

もし置き去りにされたらどうすればいいのだろう。もう自分には帰る場所など―――元より居場所などないのに。

「……もうちょっと頑張って探してみましょう」

アルトゥールは立ち上がった……が。

きゅるるる……とお腹が鳴り、よろめいて石橋の欄干に寄りかかる。

(空腹が過ぎて……)

力が出ない。

(このままスピーゲルに会えずに餓死したらどうしましょう……)

橋の下の川の流れを、アルトゥールは目を細めて眺める。

長くはない人生が、川面に走馬灯となって流れていく。

「どうかしたのかい?」

声をかけられ、アルトゥールは我に返った。いつの間にか、二人組の若い男に左右両側を挟まれている。

昼間から酔っているのか、酒の匂いを漂わせた若者達はアルトゥールの顔を見て驚いた顔をした。

「おお!?やった!美人だ!」

「あんた美人だなあ!」

「……知ってますわ」

アルトゥールは淡々と返す。

自分の容姿が人より多少優れていることは知っている。けれどアルトゥールにしてみれば『だから何なのだ』という心境だ。どんなに顔形が美しかろうと、それで得だと思ったことなど一度もない。笑わなければ結局『傲慢だ』『高飛車だ』と蔑まれ、嘲笑われる。

若者二人はアルトゥールの鼻持ちならない返答が予想外だったのか、少しばかり気圧された顔をしかめたが、すぐに笑顔をとりつくろった。

「なあ、暇なら俺達に付き合えよ」

「うまい酒飲みたくないか?」

馴れ馴れしくアルトゥールの肩に回手を回そうとした若者を、ジギスが口を開けて威嚇した。

「ひっ!は、羽蜥蜴!?」

「わたくし、お酒は飲めませんの」

さっさと立ち去ろうとしたアルトゥールの行く手に、若者の一人が立ち塞がる。

「そう言わずにさ!」

「なあ、行こうぜ?」

腕を掴まれ、アルトゥールはかすかに眉をしかめる。

「だから、お酒は飲めないと……」

若者の手を振り払おうとしたアルトゥールだったが、はたと考えた。

(……ちょうどお腹がすいていたんでしたわ)

酒を飲む店には、何かしらの食べ物も売っているのではないだろうか。

「……いいですわ。付き合ってさしあげますわ」

「そうこなくちゃ!」

「パーッとやろうぜ!パーッと!」

心配げな目でアルトゥールを見るジギスに、アルトゥールは頷いて見せる。

「腹が減っては戦は出来ぬですわ。スピーゲルを探すのは何か食べてからでも遅くはなくてよ」

アルトゥールが連れていかれたのは、街角の古びた店だった。

荷運びを生業とするいかつい男達が所狭しと集まり、店内は芋を詰め込んだ麻袋のような状態だ。

その店の奥の席にアルトゥールを挟むように陣取った若者二人は、忙しく行き来する店員を呼び止めた。

「おーい!麦酒三つ持ってきてくれ!」

「それから」

アルトゥールはすかさず口を挟んだ。

「あれと同じものをくださらない?」

男達はアルトゥールが指差す先を辿り、目を丸くする。

「……え」

「あれ……?」

そこには重い荷物を担ぎ慣れている逞しい男達が、山盛りの骨付き鶏肉を貪り食べていた。

―――半刻後。

店中の客達が、一様に口をあんぐりあけて店の奥を眺めている。

そこでは膝にジギスをのせたアルトゥールが、皿に山盛りになった骨付きの鶏肉料理を次々と口に放りこんでいた。

「おいひいでふわ」

ニンニクと胡椒をきかせた料理を気に入り食べ続けること、二十皿目。

豪快に肉の塊を頬張りながら、アルトゥールはジギスに最後の骨付き肉を差し出した。

「はい、ジギス」

ジギスは差し出された骨つき肉を受け取ると、それに何の躊躇もなくかぶりつく。その様子に満足しながら、アルトゥールは硝子の(グラス)に満ちていた水を飲み干した。

アルトゥールを店に連れてきた若者達は、アルトゥールの隣で顔をひきつらせる。

「ね、姉ちゃん……腹すいてた、のか?」

「で、でも、そんだけ食えばもう十分だ、よな?」

「ええ。そうですわね」

アルトゥールは頷き、店員に声をかける。

「何か甘いもの頂けて?」

「ま、まだ食う気か!?」

周りの男達がざわつく中、アルトゥールを連れてきた若者二人は顔を真っ青にして立ち上がる。

「どんだけ食うんだこの女!」

「冗談じゃない!俺は払わねえぞ!」

若者二人は店から逃げ出そうとしたが、酒に酔った足は上手く動かないらしい。ふらつきながらもようやく扉に辿り着いた彼らを待ち構えていたのは、客層に負けないいかつい髭面の顔の店主だった。

開き気味の瞳孔で若者二人を見下ろし、店主は凄む。

「勘定がまだのようだが?」

店主は岩のような手で若者二人の首根っこを掴むと、二人を店の床に放り投げた。

「い、いてえ……っ」

「な、何する……う、わわわわわわわ!?」

店主は凶器のような顔を男達に近づける。

「俺の店で食い逃げしようなんざ、いい度胸だな。ああ?」

「ち、違……っ」

「食ったのはあの女で……」

「てめぇらが連れて来たんだろうが」

店主は若者達の腰から下がる財布を引きちぎるようにして奪うと、中を覗きこむ。その隙に、若者達は這うようにして店から駆け出して行った。

「……ちっ。一皿分にもならねえ」

店主は財布の中に入っていた銀貨を取り出すと、それを懐に入れ、財布をゴミのように投げ捨てる。

「……お嬢さん」

店主が近づいてくる。

アルトゥールはようやく自分がまずい状況に置かれているかもしれないことに気がついた。

「……何ですの?」

少々不安を感じながら、アルトゥールは店主を見上げた。

店主は厚い胸板を誇るように、棍棒のように太い腕を腰にあてる。

「金。持ってるのかい?」

「持っていませんわ」

正直に首を振ると、店主は眉間に皺を寄せた。

「持ってないなら……体で払ってもらおうか」







次で幕間終わりですねー。

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