ラストステージへのストーリー
今回も書きましたー
最後まで見ていってください!
「それはですね……」
兵士は重々しく口を開いた。
よっぽど言いにくい事情なのだろう……と優斗は思い、話し始めるまでじっと待った。
少ししてから、ぽつり、ぽつりと話し始めた。
「……あのですね、原因は……この戦の原因は、嫁なのです……嫁を、取り合っているのです」
予想よりズレた答えで少し驚いたが、このまま話を聞くことにした。
「そうか、その……よほど大変な恋愛事情なんだな。いや、嫁だから……もっと大変か」
「はい、大変なのです……」
「それほどまでに綺麗な女性なのか?」
いっそのこと俺のこと好きにならないかな〜と内心思いつつも詮索する。
「綺麗…というよりは、可愛らしい、という方があっています……。銀髪で、碧眼で」
「銀髪で碧眼……うん、いい。」
「……?今何か言いましたか?」
「いや特に。続けてくれ」
銀髪碧眼が優斗の好みに当てはまっているのは関係ない。 ここまでで作り上げてきたなんとなく厳かな雰囲気を醸し出すキャラも崩したくなかった。
「はい。黒ニーソは必ず履いていました」
「ふむ。」
「あとは、ウサミミと」
「うん?この世界に獣人はいなかった気がするが……?」
「はい、いませんよ、人間だけです。人間だけですとも。現実に居るのは。あとは…従順な性格です」
「おー、分かった。一回止めてくれ」
嫌な予感はした……が、このまま真実を受け入れない訳にもいかない。故に自分の口で問い、真実を明らかにすることにした。
「その……取り合っている嫁、というのは……現実にいない、二次元嫁ですか?」
思わず敬語になりながらも聞いた。
「はい、そうです!」
「なんでそこだけ元気よく答えるんだ……二次元嫁の取り合いからこの戦争が勃発したのか?」
「そうです」
「だが、二次元だぞ?奪うも何もない気が……」
戸惑いながらも、タイムリミットが迫っているため事を急ぐ。
「なにしろ、お二方とも傲慢な性格です。自分のもの、という確証がないと嫌なのでしょう。なので、そんな理由で召集された私たち兵士も、人を殺してはいません」
言われてみれば、と優斗は気づく。
「確かに、誰一人として死んではいないな…」
「こんな事で命を失うなんて馬鹿げていますから」
言っちゃったよ!と内心で突っ込みながら、優斗は決心を固めていく。
「……よし、分かった。二人の王様を説得させて、終わらせてみせよう、この戦争を」
「……!ありがとう、ございます……」
深々と頭を下げた兵士に頭を上げてくれ、といい上げてもらい、王様の元へ行くことにした。
「じゃあ、いってくる」
「はい、お気をつけて」
「……銀髪碧眼の美少女は最高だよな」
「……」
優斗の残した言葉と、それを聞いてぽかーんとしている兵士をおいて、目的地へと急いだ。
「ここか」
いかにも『王様がいます!』と言い張っているかのような建物があった。
「……二人の、二次元嫁を取り合っている王がいる場所はここか」
目の前にいる、普通の見た目のいかにも村人A、村人B役で出てきそうな人に尋ねた。
「……そうだにゃ」
「僕たちがその王様だよっ!」
「……まじか」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
まだまだ話は続くので、これからもよろしくです!
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