戦場にて。
前回からだいぶ遅くなってしまいました。
最後まで読んでもらえたら嬉しいです
何処かの世界の、何処かの戦場。
そこで、傷ついた人々をこっそりと癒していく人影があった。
「水の力よ、我の願いを聞き入れ、傷ついた者を癒してくれ」
その人影は、優斗だった。
ただ、魔法の演唱はノリでやっているだけなので、台詞を変えても、無演唱でも発動は可能である。
これまでに何十人も回復してきた優斗は……
「あー……面倒だな…そろそろ演唱も飽きてきたし……ヒール」
演唱などなく、ヒールと言い放つだけである。しまいには、
「どれだけ怪我人がいるんだよ………あー……それ」
ヒールの面影すらなく、『それ』の掛け声一つで回復していた。
ファンタジー要素がまるでなくなっている。
そうしてずっと人々の回復に努めていると…
「……あの……」
優斗は何かの幻聴かと思い、スルーしたが、
「……あの……そこの方」
周りをよく見ると、怪我で倒れている者達の中で、隊服をきた男の人が、上半身を少しだけ起こして、優斗を見ている人がいた。
「俺のことか?」
と、言ってみる。
実際は、認識されないように魔法をかけてあるのだが。
「そうです。貴方様でございます。」
と、返事がきた。
「驚いた。人には認識できないように魔法をかけてあるが、気づかれたとは。何か用か?」
「はい、貴方様ほど魔法を使える方ならば、この戦争をやめられるかもしれない…」
「えー、そんな事になる?面倒だな……」
「何か言いましたか?」
「いえ特に何も」
優斗は面倒だと思っていることに気付かれないように、早口で返答した。
「というか、この戦争を始めた原因はお互いの国の王様だろ?どうして俺が……」
「圧倒的な力をもってすれば、2人の王様もこの意味のない戦いをやめると思うのです」
力で解決するのは好きではないが、とりあえずこの戦争をやめさせることにした。
「……わかった、やってみるよ。王様がいる場所は?」
「ちょうどここからまっすぐ言ったところの建物の中に2人ともいると思います」
と、兵隊の人が言った。
「はいはい、わかったよ、やってやる………って、はい?2人ともいる?」
「はい」
「同じ部屋に?」
「はい」
明らかにおかしい、と思い、もう少し詮索してみることにした。
「えーと、ちなみに聞くが、この戦争のきっかけはなんだ?」
兵士は重そうに口を開き、話し始めた。
「それはですね……」
感想、アドバイス等々よろしくおねがいします!
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