第4話 あぁぁあっ、可愛い可愛い可愛い‼︎
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謁見の間に来た僕達は、クリストファー国王陛下とセシリー王妃に迎えられました。
…………というか、顔色悪いですね、陛下。
大丈夫でしょうか?
「その……わざわざ来て頂いて、悪いな」
「構わないよ、陛下」
父上はどんな時でも変わりませんね。
一応、義息子であれど国王陛下なのでちゃんとした口調で話した方がいいと思うのですが……まぁ、気にするだけ無駄ですね。
周りにいる近衛騎士団の方も諦めた顔されてますし。
「で?要件は?」
「今回の件についてだ」
今回の件とは誘拐事件についてでしょう。
クリストファー陛下は、僕に優しく微笑み(……って胃が痛そうですが、大丈夫でしょうか?)ました。
「ルーク君のおかげで他の子息令嬢達に怪我がなかったからな。礼を言おうと思って」
「はぁ……そうですか」
「……………えっと。セイジとアミルも礼を言いたいと」
「いえ、そういうのは結構なので帰らせて下さい」
ヒョォォォォ………。
父上はケラケラ笑っておりますが、国王陛下とセシリー王妃はどこか悟った(……というよりは絶望一歩手前な?)顔で。
国王陛下は、ゆっくりと告げました。
「エクリュ侯爵には大変申し訳ないのだが……」
「あぁ、アミル姫がルークと婚約したいとか言い出した?」
「はい、そうです。申し訳ありません」
………………は?
ぶわりっ……僕の足元から、漆黒の氷が広がっていきます。
国王陛下達はガクガクと震えてますが、抑えられません。
だって、今、なんと言いました?
僕の婚約者になりたいとあの女が言っただと?
ふざけるなよ。
俺の最愛はミーシェだけだ。
「はいはい、落ち着きなよ」
むにょん。
父上に両頬を引っ張られて、僕の纏っていた冷気が霧散します。
…………おっと、いけない。
「すみません、父上。ちょっと暴走しました」
「だろうねぇ。ルークにはもう好きな人がいるから、アミル姫との婚約は無理だと思うよ」
「ですよね。できればわたしも止めて欲しいです」
サラッと本音を言う国王陛下に、僕は目を丸くします。
じゃあ、なんで言ったんですか。
「一応、聞くだけしようかと思っただけで……ルーク君に好きな人がいるなら、強制はしない」
「…………あぁ…形式美というヤツですね」
「まぁ……というか、流石エクリュ侯爵の息子だな。圧が怖過ぎる……」
………あぁ…なんとなく悟りました。
この人、昔から父上と母上の武勇伝(?)に巻き込まれた感じの人ですね?
「その……なんというか。アミルはどこか夢見がちなところがあり、もしかしたらルーク君に迷惑をかけるやもしれない」
「つまり、馬鹿だと」
おっと、口が滑りました。
陛下達は遠い目をしてしまいましたね。
「……………まぁ、否定はしないのだが。殺さない程度であれば、脅してくれても構わないから」
……自分の娘を脅しても構わないって言う親がどれだけいますかね。
いや、もう僕が脅す未来をなんとなく悟ってる?
あ、もしかして……父上達で経験済み?
「そりゃあルークにはもう最愛の人がいるからね。でも、こうなるって分かったら……正式に婚約しようか」
「っ‼︎父上っ‼︎」
実は婚約確定っぽそうだったけど、婚約はまだだった僕とミーシェ。
ですが、今回の件でやっと……婚約の運びになりそうです‼︎
そこだけは感謝してやってもいいよ、姫‼︎
「父上っ‼︎僕、ミーシェにっ……」
「あぁ、はいはい。行っておいで。リオンには伝えておくから」
「行ってきます‼︎」
顔がにやけるのが止まらない。
僕はミーシェに会いに行くため、レティアント公爵家の家の前に転移します。
扉をノックする前に開く扉。
そこには金髪碧眼の侍従と、淡紫の髪に黒目の侍女。
ミーシェの専属であるシゥロとククリです。
「お待ちしてました、ルーク様」
「お嬢様には伝えてあるぞ‼︎」
「ありがとう、シゥロ。ククリ」
この二人の方が一つ年上ですが、小さい頃からの付き合いなので幼馴染のようなもので。
前は精霊だったとかで、人間に転生したらしいです。
まぁ、精霊時の記憶はないらしいんですけど、精霊術は強いの使えますし。
ある意味、ミーシェ見守り隊という仲間です。
案内しながら(案内されなくても大丈夫なのですが)、二人はニッコリと笑う。
「あぁ、そういえば。精霊に聞きました。婚約をやっとなされそうなんですね。おめでとうございます」
「それだけはまだお嬢様に伝えてないから、ルーク様本人が伝えて喜ばせてやるといい。おめでとう」
「ありがとう。でも、これからも二人には協力してもらいますよ?」
「勿論です。ミーシェお嬢様を狙う不届き者はわたし達で始末しますよ」
「あぁ。ワタシ達の可愛いお嬢様を狙うなど……万死に値する」
……………ニヤリ。
と凄みのある笑みを浮かべるシゥロとククリ。
……………まぁ、ミーシェは可愛いからそうなりますよね。
ちなみに、僕たち三人はよくミーシェに粉かけようとしている令息達を締めたりしています。
僕のミーシェに手を出そうとするんだ。
それぐらい当たり前ですよね。
「では、わたし達は飲み物の準備をしてきますので。羽目は外しちゃダメですよ?」
「勿論です」
「エッチ過ぎるのはダメだが、一線越えなきゃセーフってことだ」
「侍女が逆にけしかけてどうするんですか」
普通は過度な触れ合いを止める側の侍女がそんなことを言うから、思わずツッコミを入れると、シゥロとククリはケラケラ笑う。
ミーシェの部屋の前に辿り着き、二人はそのまま去っていきました。
本当は未婚の男女が二人だけでいるのはダメなんですけどね。
流石、幼馴染。
分かってくれてますね。
扉をノックして、「ミーシェ」と声をかける。
すると、勢いよく扉が開いて僕のお姫様がぎゅうっと飛びついてきました。
「ルーク様っっ‼︎」
あぁぁあっ、可愛い可愛い可愛い‼︎
あの姫とか誘拐犯とか、首謀者とか国王とか僕の気分を駄々下げる奴らばかりだったので、ミーシェの笑顔に癒されるっ……‼︎
「むぅ……?ルーク様、お疲れ、ですか?」
ミーシェは僕の頬に触れながら心配そうな顔をしてくれます。
それが嬉しくて……頬が緩んでしまう。
「ミーシェに会ったら癒されましたよ?」
「…………本当?」
「本当です」
彼女の頬にキスをして、その手の甲にもキスします。
そして、ニッコリと微笑みました。
「ミシェリア・レティアント公爵令嬢」
「はい」
「愛しています。僕と婚約してくれますか?」
「っっっ‼︎」
「そして、成人を迎え次第……僕だけの妻になって下さい」
「…………はいっ‼︎」
本当はお花畑とかロマンチックなところがいいんでしょうけど、僕としては早くミーシェに伝えたかったので。
そのまま唇にキスをしようとして………。
「ストップ。キスはせめて婚約式をしてからにしろ」
リオンおじ様に首根っこを掴まれて止められました。
チッ。
「お前、舌打ちが出てるぞ」
「あぁ、すみません。つい」
イラッとしながら微笑みますが、リオンおじ様は苦笑するばかり。
ですが、ミーシェがボロボロと泣き出したのでリオンおじ様はギョッとしました。
「ミーシェっ⁉︎」
「お父様っ‼︎ルーク様を離してっ‼︎」
殺意にも似た怒りにリオンおじ様は狼狽しつつ慌てて僕を降ろします。
ミーシェは慌てて僕に抱きつき、ペタペタと頬を触りました。
「怪我は大丈夫?」
「ないですよ。ミーシェ、ありがとう」
「…………ルーク様ぁ……」
とろりと蕩けるミーシェの笑顔に、僕も思わずニコニコしてしまいます。
そんな僕らを見て、リオンおじ様は呟きました。
「…………これ……ヤンデレ(?)とか言うのがミーシェにも移ってないか……?」
多分、移ってますね。
ヤンデレ属性持ちの父上の息子なので、そんな僕が育てた(と言っても過言ではない)ミーシェも………。
「…………まぁ、いいか」
そうやって受け入れちゃうリオンおじ様も流石ですね。
ちなみに、婚約の件は無事にオーケーになりました。