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第3話 え?悪魔?褒め言葉ですね


沢山の方に読んでいただきありがとうございます‼︎

早速、恋愛(異世界)の日間ランキングのトップ30入りしました‼︎今後も頑張ります‼︎


誤字、アドバイスありましたら、よろしくどうぞ‼︎







軍部に着いた僕を迎えてくれたのは、複数人の部下を連れた父上でした。



臙脂色の軍服を着た父上は、僕と頭上に浮かぶ男達を見て微笑んでいました。


「やぁ、ルーク。随分と暴れたみたいだね?」

「こんにちは、父上。そんなに暴れてませんよ」


クスクスと笑いながら話をしていたら、周りの軍人さん達が慄いた顔をしています。

そんな変な会話ですかね?


「じゃあ、そいつらをもらえる?」

「はい。姫を拉致しようとしていたらしいので、詳しくお聞きしたら……デメル公爵家から依頼されたらしいですよ」

「あれ?もうやったんだ?」

「はい、事情聴取しておくとお伝えしたでしょう?」

「まぁね。だから、そいつらそんな死んだ顔してるんだ」


父上に言われて男達を見上げます。

まぁ、彼らは総じて顔面蒼白でブルブルと震えていますね。

あ、ちなみに肉体的な損傷はさせていません。

ちょっと精神的に揺さぶってあげただけですので……まぁ、問題ないでしょう。


「ついでに精霊達に頼んでデメル公爵家も探っています。もうすぐ報告がくると思いますよ」

「ルークが優秀だからお父さんは仕事が楽だなぁ」

「お褒め頂き光栄です」


父上はそう言って僕の頭を撫でてくれます。

子供っぽいですけど、褒められるのは嬉しいですね。

引き攣った顔をしている部下さんに達に男達を引き渡したら、丁度いいタイミングで精霊達が戻ってきました。


『ルーク‼︎あいつね〜小さい子、沢山牢屋に入れてる〜』

「「………は?」」

『地下のジメジメしたところ‼︎とっても可哀想だよ‼︎』

『なんかね〜新たなコレクションがもうすぐ増えるとか言ってたよ‼︎あ、なんか分からないけどミシェリアの写真もあっーー』



「は?」



次の瞬間、僕の足元から闇色の光が広がりました。

………えっと、つまりは?

デメル公爵は子供をコレクションしていて?

ミーシェの写真があるってことは……。



「父上」



先ほどとは比べものにもならないほどに冷たい声。

まるで地獄から響く声のようで、僕は思わず笑う。

父上は何も言わなくても了承してくれたようで、笑顔で手を振ってくれた。


「あ、うん。行ってらっしゃい」

「すみません。尻拭いはさせないつもりですが、少し巻き込みます」

「あぁ、いいよ。子供なんだから迷惑ぐらいいっぱいかけて」

「ありがとうございます。では」


父上に頭を下げて、僕は風の精霊術で空を飛ぶ。

最後に父上が「流石は俺の息子。ヤンデレだなぁ……」と呟いていたのが少し気になったので、後で詳しく聞きたいと思います。






*****






デメル公爵家に着いた僕は、デメル公爵がいると言っていた部屋の窓を叩き割って侵入しました。




「ぎゃあっ‼︎何奴だっ‼︎」


そう叫んだ豚のような男は……裸で、ベッドの上に縛り付けられた少女に手を出そうとしていて。

…………まぁ、キレましたよね。


「いっそ死ね」


そこからどうしたって?

まぁ、一言で言えば千切っては治して、千切っては治してを繰り返して拷問しましたとも。


「止めろっ‼︎止めてくれっ‼︎」

「それ、少女達も言ったはずですよね?」


懇願したって手は止めません。

公爵はまるで化け物を見るかのような目で、精霊術を駆使する僕を見ました。



「あっ………悪魔ァ⁉︎」

「え?悪魔?褒め言葉ですね」



拷問すること一時間弱。

失神して、廃人寸前になった公爵を見て僕は満足して頷きました。

あ、ちなみに廃人にならないように精神的に保護をかけたのでこの人はちゃーんと正気です。

ふふふっ、気狂うこともできずに恐怖を覚えておくんですから辛いでしょうね?


抜かりなく情報も吐かせましたよ。

どうやらこいつはロリコンだったようで、性的対象が少女だったみたいですね。

加えて、綺麗な女の子が好きなようで……あらゆる手を使って少女を拉致監禁、性的暴行を加えていたようです。

その欲望は果てしなく……美姫(ちょっと僕には分かりませんけど)であるアミル姫や、隣国にいる僕のお姫様(ミーシェ)もその対象にしようとしていたらしいです。

まぁ、アミル姫はこの際どうでもいいです。



でも、ミーシェは駄目だ。


彼女に手を出すなら、俺は許せない。



………という訳で、未遂ではありますがミーシェに手を出そうとしたので、二度とそんな気が起きないようにして差し上げませんと。

恐怖からあらゆる液体を撒き散らし、醜く汚れた公爵を去勢して差し上げてから、僕は地下牢に閉じ込められていた少女達を救出しました。

地下牢は光の差さない、薄暗い空間で……いや、もうはっきり言って虫酸が走りましたね。

もう少し痛めつけてやれば良かったです。

大きな鉄の柵で囲われる地下牢で震えながら身を寄せる美少女達。

僕は鉄の柵をぶち壊して、努めて優しく微笑みました。



「こんにちは、僕はルーク。君達を助けにきました」



その言葉を告げた瞬間、彼女達の大号泣が始まりました。

とても不安だったのでしょうね。

あんな豚に触られて、酷いことを沢山されて、閉じ込められて、親からも離されて。

こんなところにミーシェも閉じ込められたらと思ったら……世界さえ滅ぼしてしまいそうなくらいに、殺意が湧きました。

そうなる前に救うことができてよかったです。

地下牢に閉じ込められていた少女達の身を水の精霊術を使って清めながら、回復の精霊術を使って病気や怪我などを治しておきます。

こんなジメジメしたところにいたのでよくない病気になっている可能性がありますし、あの豚から変な病気を移されているかもしれませんからね。

あ、ちなみにこの屋敷に突入した時点で使用人達は土の精霊術で動けないように細工しておきました。

この屋敷で雇われていた使用人達も重要参考人なので、少女達を玄関で待たせて、僕は使用人達を一部屋にまとめて軟禁しておきました。

後は、公爵の部屋にいた少女も同様に病気などを治して少女達に合流させて……。

物的証拠を差し押さえたら、完璧です。

少女達の人身売買の記録だけでなく、まさかの金銭の横領、領地の虚偽報告の証拠など……まぁそれはそれは沢山出てきました。

下手に権力がある公爵家だから、簡単に捜索されないと思ったのでしょうね。

甘いですね。



しばらくして遅れてやってきた父上達に少女達やら書類やらの引き継ぎをし、僕の仕事はひと段落。

少女達からは待っている間、できる限り自分がいたところの情報をもらったので……頑張れば直ぐにでも親元に帰れる子も出てくるでしょう。

あぁ、いい仕事をしました。







「あ、そうだ」

「んー?どうした?」


父上の隣に立ち、軍人さん達が後始末をしているのを観察しながら僕は父上に問いました。


「父上の息子だとヤンデレなのはどうしてですか?」

「あー……その話はしてなかったなぁ」


父上はハイライトの消えた瞳で微笑みながら、教えてくれました。


「俺の父……精霊王がな、ヤンデレ好きなんだよ」

「………ん?」

「うん。俺の母さんがヤンデレだったらしくて、俺にもそんな風になって欲しいなぁと願ったらしくて……俺にヤンデレ属性が付いたんだよ」

「…………えっと、よく理解できません。父上は否応なしにヤンデレってことですか?」

「うん。どうしてそうなったか分からないらしいけど、シエラ関係になると世界を滅ぼそうとしちゃいそうになるんだよね。二人だけの世界って本当に幸せだと思うし……まぁ、そんなことしたら、ルークもミーシェちゃんと結ばれなくなっちゃうから、シエラがストッパーになってくれてるんだけど」


………父上が世界を滅ぼそうとする…。

あ、普通にやりそうですね。

でも、ミーシェと結ばれないのは困ります‼︎


「だから、ルークにもそれが受け継がれてるんじゃないかなって思ったんだよ」

「僕、もですか?」

「うん。だって、俺が《穢れの王》化しそうになってる時と同じ感じで闇が出てたからね」

「………………」


なんかヤバそうな名前が出てきたんですけど。

《穢れの王》ってなんですか。



「あ、《穢れの王》ってのは世界に闇を放って滅ぼそうとしちゃう存在らしいよ」



本当にヤバい存在でしたね。

というか、僕もそれに近いモードになっていたって危険じゃないですか?

大丈夫なんでしょうか?


「父上……そんなのになりそうだったんですか?」

「シエラに救われたんだよ。だから、今の俺は《ドラゴンスレイヤー》なんて言われてるんだよ?……なんか、シエラの話してたら会いたくなっちゃった。シエラに会いたいなぁ……」


なんて言う見た目十代の父上。

恍惚とした表情を浮かべてますから……今夜の母上は少し大変そうですね。

まぁ、弟か妹を期待しましょう。


「まぁ、相思相愛の人がいれば大丈夫らしいよ」

「なんでですか?」

「愛の力はそういうもんだって、精霊王は言ってたかな」

「…………なんてアバウトなんですか…」


ってことは、僕も《穢れの王》になる可能性があるけど、好きな人がいれば大丈夫ってことですよね。

なんか……ミーシェに重い役目を押しつけちゃいそうなんですが、僕が好きなのは彼女なので仕方ないですよね。

………うん、父上みたいに愛しい人を愛することで許してもらいましょう。

愛の力とはそういうものみたいですし。


「あ、そういえば……陛下に来てくれって言われてるんだよね。どうする?」


父上にそう言われて、僕は嫌ーな顔をしました。

思いっきり苦笑されてますけど、これは仕方ないです。


「拒否権あります?」

「うーん……ないかなぁ」

「ですよね……はぁ、ミーシェに会いたい」


あ、なんかさっきの父上と同じこと言ってますね。




僕と父上はお互いに想い人を想いながら……溜息を漏らしつつ、王宮に向かいました………。







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