出会い
「ひとがしんでる!!!!」
10歳にも満たないような子供が裏路地から飛び出てきて放った言葉に、周囲の大人は茫然としていた。どうやらその子供のことを知っている風な中年が、少し遠くから駆け寄ってきて真っ先に声をかける。
「どうしたベル坊」
「ひ、ひとがしんでるんだよ! ぼくとおなじくらいの!」
「なんだと!? 連れてけ!」
ベルと呼ばれた子供はその中年の手を引っ張って路地裏に連れて行った。
そこには小さな身体が横たわっていた。ベルは中年の後ろから恐る恐るその"死体"を覗き見る。
中年は動揺する素振りもみせずに、"死体"に歩み寄る。
「おいベル! 勝手に人を殺すな! まだ息してるし、目立った傷もねえ。気絶してるだけだ」
「ほんとに!? よかった…… その子助かる?」
「医者に連れていかねえと分からねえが、ぱっと見命に別状はなさそうだ。安心しな」
(見ねえ顔だな…… よそから来たのか)
中年は倒れている子供を仰向けにし、その顔をまじまじと見つめる。黒い、少し長めの前髪が、閉じた瞼の上でそよそよと揺れている。
(まあいい。はやいとこニル爺のところに連れていくか)
「おいベル坊! 俺はこの子をニル爺のところに連れていく。お前もついてこい!」
「わかった!」
ぐったりとした子供を抱きニル爺の病院に向かう中年の後を、ベルは心配そうな顔でついていく。
「その子、大丈夫かなぁ……」
そう言葉をこぼすベルの口元が少し緩むのを見た者は誰もいない。
初投稿です。
創作初心者なので至らぬ点も多々あると思いますが、応援の程宜しくお願い致します。
本日中に第01話まで投稿します。また、「『属性決め』編」が終わるまでは毎日投稿を予定しています。




