表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷走記  作者: 法相
六章=決戦=
49/54

六章八幕=因縁=

もう少しでこの戦いも終わります。

「おうらぁっ!」

「ぐあっ!?」


 全力の飛び蹴りを顔面に喰らわせ、続け様に胸ぐらを掴んで頭突きをかます。

 黄金の額が割れ、額から血が多量にこぼれ始める。


「お、鳳ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」


 憎しみを込めた雄叫びが聞こえる。

 だけど響さんが作ってくれたこの隙は逃せない! 全力で黄金の背中を捕まえ、鯖折りを仕掛ける。

 こいつがここまで弱っていなければ、すぐに逃げられただろうが……今は別だ。


「もらったぞ、外道」


 背後に回り込んだ千代さんの手には召喚された蛇が数匹、鎧の隙間に入り込み噛み付かせた。

 さらにダメ押しとでも言わんばかりに毒を塗っていたクナイも切りつけた。


「い、いい加減にしろぉ!」

「っ!」


 強引に、力で弾き飛ばされた。

 完璧に極まっていた鯖折りを上半身の力だけでぶっ飛ばすとか、普通なら冗談でもあり得ない話だが……伊達に死んで蘇って復活してないか。


「ふざけるなよ、クズども! こんなにてこずらせてくれやがって……!」

「馬鹿な……毒が回っていないのか……!? 死なないとはいえかなり強力な蛇を噛ませたのに!」

「千代さん、響さんを連れて下がってくれ」

「主人様!?」

「お願いだ。多分毒が回るのに時間がかかってるだけだ。その時間は俺が稼ぐ。だから響さんを避難させてくれ」

「ですが……!」


 泣きそうな声で千代さんはすがるが、わかってくれないならこう言うしかないだろう。


「これは命令だ、高垣千代。君にとっても大切な人を守ってやってくれ」

「……〜〜! 了解、しました……! 御武運を」


 響さんの元へ千代さんは戻る足音が聞こえる。

 これでいい。千代さんは最高の仕事をした。響さんはそのチャンスを作ってくれた。

 そして最後に、俺がここで役目を果たさないでどうするのか。


「終わらせるぞ、俺たちの因縁を」

「君を殺して、鉄華領も奪い尽くす!」


 互いに戦意は上々。

 そして俺たちは同時に踏み込んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ