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テーブル・ターニング

作者: 謎猫

初の企画参加作品!!



の2つ目です(///)


1つ目よりは、ホラーっぽく・・・

書いてみた様な???


あっ!!

1つ目だって、一応ホラーだったのですよ!?(汗)


と、言う事でっ♪

2作品目、宜しくお願い致します(///)



こんなのは、幽霊や悪魔・心霊現象なんかは全く関係無い。

ただの心理学的な、オートマティスムと言われる現象で説明がつく

何の不思議もない科学的なものだ。


「そういえば」

「うん? どうしたの?」


真昼の公園。

今日も気温は高く雲一つない快晴の炎天下だが

木陰の下で座っている分には時折吹く風もあり

それほどの酷い暑さではない。


そして今は、3ヶ月前にバイト先で知り合い

1ヶ月程前から付き合い始めた彼女と出掛けている所だが

強すぎる日差しから公園へ避難して木陰のベンチで休んでいる。


「テーブル・ターニングって知ってる?」

「なにそれ? 知らないわよ?」


確かに、この呼び方で分かる人はあまり居ないと想う。

ただ、言い方を変えれば誰でも聞いた事は有るだろう。


「それじゃ、コックリさんは知ってる?」

「それは知ってるわ やった事は無いけど」


この、テーブル・ターニングと言うのは

コックリさんの起源とされる占いの様なもので

道具や方法は多少違うが基本的な部分は殆ど同じらしい。


「なら、コックリさんって信じる?」

「えぇ~? 急になに?」

「いや、本当にそう言う事はあり得るのかと・・・」

「もしかして、幽霊とか呪いとか信じる方なのかしら?」


自分で言うのも変かも知れないが、誰かを嫌う事はあまり無い方だ。

けど、唯一と言っても良い。

不快になるので、あまり想い出したくはない事なのだが

嫌な奴が1人だけいる!


「別に信じてる訳じゃないが・・・」

「ふ~ん?」


数年前の事だ。

もちろん、その時だって占いや心霊の類いについては

全く信じて居なかった。

ただ、それをテレビで観ただけだった。


「・・・・・・うん? どうした?」

「どうした、ってこっちが聞きたいわよ」

「なにが?」

「何か考え事? なんか暗い顔をして」


あいつを嫌いな事は、僕の周りの人は全員知っていた。

言い換えれば、あいつが僕を嫌いな事も全員知っていた。

そして、去年の今頃だ。

あいつが、急病で亡くなったと知らされた。


「いや、何でもない」

「そう? なんか変よ?」

「はぁ? 何がだよ」

「だって、急にコックリさんの事を聞いたりして」

「あぁ、あれだ! 最近ネットでそう言うの見たからだよ」

「そうなの?」


本当は違う・・・

好き好んで、自分でそう言うものを見る事は無い。

想い出した理由は分からない、唐突だ。

丁度、あいつが亡くなって1年が経つからだろうか?

昨日まで、なにも想い出す事すら無かったのに。


「ただそれだけの事だ、気にしないでくれ」

「う~ん・・・ あるのかも知れないわね?」

「なにが?」

「だから、コックリさんでしょ?」

「さっきの質問の事か?」

「私はどちらかと言えば信じるわ」


実は、ひとつ引っ掛かる事があった。

あいつが急病で倒れたのはコックリさんが原因なのでは?

そんな考えが、訃報を聞いてから少しして頭を悩ませた事があった。


「実はさ・・・」

「なに? 怖い話!?」

「い、いや! 違う・・・ と想う・・・」

「想うって何よ???」


あいつが亡くなったと知らされ

その原因がとても気になった。

事故? 自殺? 病気? 殺人?

その中で、心当たりのある事が1つあったからだ。


「去年、知り合いが亡くなったんだけど」

「そうなの? 友達?」

「いや、友達・・・ ではない・・・」

「なによそれ???」

「何て言うか、あいつの事は大嫌いだったんだ」

「そうだったの・・・」

「・・・急病だったらしい」

「でも、それがコックリさんと何か関係あるの?」


何故、こんな事を話しているのだろう?

別に知らない相手のことを聞かされても

楽しい事なんて無いだろうに・・・

それも、誰かが亡くなったという話なら尚更だ。


ただ、誰かに聞いて欲しかっただけなのかも知れない。

どこか不安だったのかも知れない。


「何年か前に、テレビで心霊とか呪いとかの番組があって」

「もしかして、コックリさんを試したの?」

「あぁ」

「それって、放送後にクレームが殺到したって番組?」

「たぶん、その番組だ・・・」

「なんか不可解なことが多発して視聴者から問い合わせが来たって」


そう言ったものは、ただの集団心理的な現象や

思い込みから来るものだろうと想って居た。


「嫌なあいつなんか居なくなれば良いって想って居たんだ」

「ふーん」

「それで・・・ コックリさんにお願いをしたんだ」

「なんてお願いを?」

「・・・あいつを殺して下さいって」

「・・・・・・」


その時は、適当に平仮名の一覧と(はい)(いいえ)の紙を用意して

番組通りの手順で部屋で1人、コックリさんを始めたのだが。


「すると、コックリさんは(はい)と答えたんだ」

「本当に?」

「そして、続けて聞いたんだ」

「何を?」

「それは、いつですか?って」

「それには、何て答えが?」


その質問をすると

指は数字の書かれている方へと移動して(1)の上で止まった。

その後、平仮名の(ね)と(ん)を示した。


「1ねん、1年って答えたんだ」

「それが、去年って事なの?」

「そして、その時最後の質問をしたんだ」

「最後の?」


コックリさんへの最後の質問は


「どんな方法で?って聞いたんだ」

「そうしたら?」


事故ですか? と聞くと指は(いいえ)を示した。

殺人ですか? と聞くと指は(いいえ)を示した。

病気ですか? と聞くと指が(はい)を示した。


「コックリさんは病気にするって答えたんだよ」

「そうなの?」


そして、あいつが去年・・・

病気で死んだ。


「ただの偶然とは想えないだろ?」

「偶然にしては色々重なってるものね?」

「直接の原因は不整脈だと聞いた」

「致死性不整脈でしょ? 知ってるわ」

「朝、バスを待っている時に倒れたらしい」

「確か、倒れた場所が良くなかったのよね?」


あいつは、バスを待っている時に歩道にある植え込みの影に

倒れ込んだらしく、その倒れた姿は車道からは見えなかった為

発見された時には手遅れだったらしい。


「もし発見が早ければ助かったのかも知れないが・・・」

「でも、その時は他にバスを待つお客さんは居なかったのよね」

「直ぐ脇を行き交う車からも植え込みが邪魔をしていたんだ」

「それと、その日は事故の渋滞で偶々バスが遅れていたのよ・・・」


事故で渋滞?

バスの到着が遅れていたというのは初めて聞いた。


「そうなのか!?」

「全部、知ってるわよ?」

「全部???」

「えぇ、全部」


もしかすると、彼女は偶々そのバスに乗っていたのだろうか?

それなら、詳細な状況を知っているのも当然だ。


「そのバスに乗っていた?」

「いいえ、違うわよ?」


と想ったが、彼女はそのバスには乗っていなかったようだ。

でも何故その時の状況を詳しく知っているのだろう?

彼女は、あいつの知り合いか何かだったりするのだろうか?


「もしかして、あいつの元彼女とか?」

「あはは、違うわよ」

「でも、それなら何故?」

「何故って、あなたが言ったからよ?」

「言ったから?」

「私にお願いしたでしょ? あいつを殺してって」


この会話の流れで、何の違和感もなく発せられた言葉だったが

それは、とても意味深で直ぐには理解出来ないものだった。


「い、一体何を言ってるんだ???」

「あっ! それと、言い忘れてたのだけど」

「言い忘れ?」

「私ね、あなたの言うあいつからもお願いされてたの」

「お願い???」

「それはね、(俺を殺したらお前を殺す)ってお願い」


すぐ横に座る彼女の顔を見ようとした瞬間

胸の奥を締め付けられる様な痛みが走った。


「胸がっ! 苦しいっ・・・」

「痛いのかしら? つらそうね?」

「た、助けて・・・」

「う~ん でも・・・ 無理そうよ?」


霞む視界で公園を見渡したが人影は何処にもない。

そして、強い日差しを遮る大きな木陰は

公園の外からの死角になっている。


「こ、これは・・・」

「同じよ?」


薄れ行く意識の中、彼女は喋り続けている。

どうやら、僕はあいつと同じ死に方をするらしい。


公園のベンチで倒れ、その時間は偶々誰も近くには居らず

木陰が外からの視界を遮り、苦しむ僕の姿は誰からも

気付かれる事はなく。


「そう言う事か・・・」

「ふふふ」

「狐・・・」

「そうよ? 私が-」


視界が途絶える瞬間、うずくまりながら見上げた彼女の姿には

純白の尻尾が見えた。

そして、最後に聞こえた彼女の声は

人間以外の鳴き声だった。

最後までお読み頂きまして

ありがとうございました♪


少しはホラーっぽかったでしょうか?

(ホラー作品なのに、この聞き方って!?)


あとあとっ!!

猫要素がない・・・(泣)


化け猫物とか書けば良かったぁ~(涙)


ではでは~

今回の企画「夏のホラー2018」ですが

色々な作者様の物語が沢山ありますので

ぜひぜひ、読み読みお願い致します♪


読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] ホラーっぽかったですよ! 短編ではありますが、ホラー的要素が詰まってました!
[良い点] 読みました! 徐々に確信に迫る様が、ホラーっぽかったですね しかも、オチが猫ではなく〇〇〇とは…… コックリさんのデス〇ート版みたいな感じでしょうか ホラーコイン、3枚進呈です!
[良い点] なんだろう、なんだろうと惹きこまれていくうちに、最後に「やられた!」と思いました。 完全にホラーでしたΣ(´□`;) [一言] コックリさんというフレーズだけで怖くなります。 私はやったこ…
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