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転生者のロスライフ  作者: 紅ライ
一章 ロスライフ
2/4

第2話 下着と転生




 静寂から覚醒し、目を覚ますとそこは今まで見たことが無い場所だった。果てが見えず、永遠に続いているのかと思わせる空間。地面には、青と水色、白で形成されたタイルが敷かれている。


 どうやら自分は椅子に座っていたらしく、その対面には同じ構造の椅子が置かれていた。


 「どうゆう......こと......だ......?」


 困惑を隠せ無い桂樹は、おもむろに周囲を見回す。と、その時、上から神々しい光が差し込んでくる。


 「こんにちは」


 そう言いながら降りてくるのは、背中に羽が生え頭に光輝く輪を付けている美女だった。


 「気分は、どうでーー」


 「黒......」


 「はい?」


 美女の透き通るような声を、色の名前で遮り桂樹は、美女を指差し


 「あなたのパンツの色!!」


 「え? ......ひゃあっ///」


 顔を赤らめ、両手でスカートを抑えながら地面に降り立つ美女。


 「おほん。改めまして、私は天使セレナと申します。」


 「て、天使?!」


 「はい。わからないことが色々あるかと思いますが、端的に言います。あなたは一度死にました。」


 あまりに唐突すぎる美女からの告白は、桂樹を混乱させるには十分だった。


「ちょ、ちょっと待ってください。俺が死んだ? 本当に死んだんですか?!そもそもここどこですか?! 拉致監禁ですか?!」


 動揺を隠しきれず、ただただ質問をセレナにぶつける。


 「お、落ち着いてください。順を追って話をさせてもらいます。あなたは自宅に帰る途中、子供が轢かれそうになってるのを見かけ、子供を突き飛ばし助けましたが、その代わり自分が死んでしまいました。」


 「マジかよ......」


 自分は、死んだ。それは桂樹にとって信じがたい真実だった。呆然とし、手を握りしめる。


 「え、じゃあ、なんで俺こんなに普通っていうか、その、今まで通り動けるんですか?」


 「それについてもお話しします。あなたは死んでしまいました。ですが、その行いに免じあなたは転生することになりました。」


 「は?」


 「ですから転生することになりました。」


 「はぁぁーーーーーーーー!!!!????」


 (転生? 転生つったら異世界に行って、無茶苦茶強い能力があることがわかって、可愛いヒロインや個性あふれる仲間たちと旅をしたりモンスター倒したりして、最終的に魔王倒して世界平和にして伝説になるってのがオチのあの転生!?)


 「多少間違ってるところもありますが、だいたいそんな感じです」


 「えっ」


 心の中を読まれ驚きつつも、ふと疑問を抱く。


「心の中読めるんですか......まあそれよりも聞きたいことがあるんですけど」


「はい?」


 「転生するのはいいんですが、転生する世界ってのは具体的にどんなところですか?」


 そう、転生すること自体に嫌という感情はない。もう無いはずの人生をもう一度やり直せるのだから。だが、転生した先が兵器ばんばん使って戦争しまくりみたいなところなら最悪だ。


 「あなたの転生先は、異世界です」


 「はい」


 「あなたが思い描いていたのと似ています。魔法もありますし、モンスターなどもいます」


 「おぉ! すげぇ」


 なかなか期待できるシュチュエーションの世界に期待が高まる。


 「桂樹さんには、その世界で魔王を倒してもらいます。」


 「魔王?」


 画面の中では、何十体も倒したが、現実では見たことも無い。


 「その異世界で魔王を倒してもらえたら、報酬として、願いを一つ叶えてあげます」


 「えっ!? 本当ですか!!?」


 「はい。本当ですとも」


満面の笑みで見られ、悩殺される桂樹。また、生き返れて魔法が使えれる世界に行けて、魔王を倒せば願いを一つ叶えてくれる。こんな美味しい仕事は元の世界では絶対無い。


 「どうです? やりますか?」


こんな仕事を逃す手は無い。即答だった。


 「やります」


 「ありがとうございます!あなたならきっと魔王を打ち倒し世界を平和へと導いてくれるでしょう。それでは次の世界でも頑張ってください」


 そう言い終わった瞬間、地面に魔法陣的なあれが現れる。


 「あの、最後に質問なんですが」


 「はい?」


 「すごいパワーみたいな何かってもらえないんですか?」


 そうだ、生き返ったとはいえ能力がなくては正直何もできない気がする。


 「行ってからのお楽しみです」


 悩殺スマイルで笑うセレナさん。


 「えっ? ちょっ、待って。」


 「あなたに女神からの祝福があらんことを。」


 青い光に包まれ異世界へと転送される。


 「ちょっとぉぉ! 待って、本当、お楽しみってなにぃぃぃぃ!!!」


 そうして桂樹は、青い光ともに、異世界へと転生した。






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