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君の影を踏む
夕日が長い影をつくった
先を行く君の影が
あたしの足元に落ちている
腹立たしくて
思わず踏んだ
いつまでも
幼馴染のまま
憎たらしいったらないのに
心臓はどきどきと跳ねる
鼻の奥がつんとして
涙がこぼれそう
本当は隣を歩きたいのに
振り向いてほしいのに
言えない気持ちを込めて
もう一度影を踏んだ
不意に君が振り返る
逆光で表情が見えなくて
戸惑っていたら
ゆっくりと影が近づいて
手首を捕まえられた
いつまでも後ろついてくるなよ
と君がいう
ほら 隣
お前の居場所はここだよ
そう言って手を繋いで
並んで歩いた
はじめてだ
どきどきは伝わりそう
きっと夕焼けで真っ赤になった顔
恋心が染めた顔が
夕日で隠れてるから
きっと まだ伝わっていない
やっぱりちゃんと言おう
好きだと……




