第3章:神殿の契約 Dai 3-shō : Shinden no Keiyaku (Chapitre 3 – Le Pacte du Temple)
光が消えたあと、エルランは静かに息を吐いた。
その瞳には、確かな決意と、どこか不思議な輝きが宿っていた。
> 「……俺、今、本当に……神様と繋がってるんだよな?」
> 「ああ。だが、これは始まりにすぎない。」
神霊・ハルトの声が、彼の内側で響く。
エルランにしか聞こえないその声は、冷静でありながら温かみがあった。
> 「この神殿……いや、“契約の地”は、お前と私の結びつきを世界に刻む場でもある。」
エルランはゆっくりと祭壇の中央に立った。
そこには、古代文字で満たされた石碑があった。
> 「これが……契約?」
> 「触れよ。お前の意志を示せ。」
彼が手を伸ばすと、石碑が淡く光り出す。
空気が震え、神殿全体が共鳴する。
> 「我は問う――汝、何を求める?」
エルランの脳内に、直接語りかけるような声が響いた。
彼は息を呑んだが、やがて静かに答えた。
> 「……守りたい。何かを、誰かを……見捨てたくない。」
> 「ならば与えよう。力と責務を。」
石碑の光がエルランの胸に吸い込まれる。
その瞬間、彼の額に浮かび上がったのは、神霊との“契約紋”。
> 「これで、お前は正式に“神霊の導き手”となった。」
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神殿の外で、何かが動いた。
瘴霧ではない。今度は――人間だ。
> 「誰かいるぞ! あの子か? 生き残りか!?」
黒いローブをまとった男たちが、神殿に足を踏み入れてくる。
> 「やばっ……! ハルト、どうする!?」
> 「落ち着け。彼らの目的を探れ。」
エルランは身を低くしながら、近くの柱の影に隠れた。
> 「この地に“神の気配”があると報告があった。確認しろ。」
男たちは“狩人”。
神に仕える者ではない。むしろ、その存在を脅威とみなし、排除するために動く者たち。
> 「神を……狩る?」
> 「我らは忘れられし神々の残響。この星に神は不要……そう定められた。」
エルランの胸が高鳴った。
逃げるべきか。戦うべきか。
そのとき――
> 「選べ、エルラン。これはお前の意志に任せよう。」
少年は拳を握り、そっと前に出た。
> 「……逃げない。今度は、守る番だ。」
神の紋章が光を放ち、彼の背に“霊なる羽”が現れる。
それはまだ小さな力。
だが、確かに――未来を変える光だった。