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2、お天気の登校


空には雲がひとつもなく青空が広がっていて、空気までもが青く澄んでいるように感じた。――朝の空気だ。


私とリョーコの家は近い。いつもの看板がくっついている電柱の角で、リョーコを発見した。

私は肩にぽんと手を置いて、声をかけた。


「あ、おはよー」


リョーコのお気に入りの白いブラウスがいつもより眩しく見える。新学期だから、念入りにアイロンでもかけたのだろう。



学校に向かって歩きながら「今日の最初の授業ってなんだった?」と聞いた。授業なんてなんでもいいけど、やはり分からないと不安なものである。


リョーコは――国語だけど――と言ってから、思い直した風に続けた。

「いやいや、それくらい自分で確認してこなくちゃだめでしょ? 私なんて、昨日の夜から気になって何回も時間割見直しちゃったよ」

「だって、授業なんてオマケみたいなものだもん。休み時間のオマケ。オマケのことなんていちいち調べる気が起きないの。ああ、でも! 体育は別だよ。あれは休み時間の延長だから」

「あんたに付き合ってると休憩時間が一番疲れそうだよ・・・・・・」


リョーコはやれやれ、と両手を広げて首を振り、この子には付き合ってられませんとアピールしていた。

「ふふん、本当はリョーコも私と同じで、授業中は休み時間に何をして遊ぼうか考えてるんでしょ?」

「考えてるけど・・・・・・ユイは授業中に寝てるから考えられないでしょーが!」

「ぶぶー。夢の中で既に遊んでいるのだ」


本当に、今日は天気がいい。

このまま学校へ向かわずに、ずっと公園かどこかでおしゃべりしていたい。



校門が見えてきたところで、私は立ち止まった。

リョーコは少し遅れて気づいたので、どうしたの? といいながら私に振り向く形となった。

どうしても今のうちに言っておかなければいけないと思った。


「私はずっとリョーコの友達だからね」

本当はリョーコの味方だから、と言いたかった。

しかし、あまりにも白々しいので、私の口から言うことが出来なかった。


「うん」


リョーコは、ぽつりと答えた。




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