086:ガラス作り
この世界において、あまり普及が進んでいないものがある。
それはガラス製品だ。
窓に使うガラスは普及し始めているが、人間族にしても魔族にしても首都近郊程度にしか使われていない。
飲み物の容器は木製が多く腐りやすいので入れ替え頻度も高いし、
腐敗したまま使えば衛生上の問題もある。
という今は、木製のものを使っているのだが、そろそろガラス製品の食器類も欲しくなってきた。
「エリス。そろそろ、グラスを作りたいと思うのだが、どういう材料が考えられるかな。」
「レオ。すぐに作りたいのであれば錬金術での製作になります。ガラスの原料として使われることが多いのは、砂や石灰岩、ナトロン(炭酸ソーダの一種)などです。錬金術の素材としてもそうですが、これらの原料を混ぜ合わせ、高温で溶かして成形することができる設備を作れば、ガラスを作ることが可能です。」
入手可能なものばかりなので問題はない。
ナトロンも鉱石の一つなので、鉱山で収集可能なものだ。
「じゃあ、ピース民たちに素材を集めてきてもらってガラスを作るとするか。ガラスを作ることでそれを原料にグラス容器なんかを作ることができるっていうことだな。」
「レオ。その通りです。素材については私のほうから頼んでおきたいと思います。」
普段、鉱山で作業しているピース民たちが材料をそろえてくれた。
相変わらず仕事が早いこと。
数日後
「ってことで、サンプル作りとしては十分な量がそろったな。」
「レオ。これで作れますね。」
ガラスに必要な素材はあるので、まずはガラスの板を作ることにする。
サイズを合わせていけば、窓としても十分に使えるようなガラス板になる。
俺は、【錬金術】スキルを発動させて、ガラス板を製作した。
透明度も高く見事な出来栄えだ。
「レオ。製作できましたね。この世界で最高級のガラスです。」
「ありがとう。まあ、気軽に流通させることができないものってことではあるよな。」
「レオ。どの道我々が注目を浴びるのは時間の問題ですから、高く売りつければいいだけの話です。」
そういう意味ですか…
「まあ、こんな便利なものを流通させない手はないよな。とりあえず、錬金術が使える人にはガラス製品も作ってもらうようにしてもらう。レシピは渡しておいてくれ」
「レオ。わかりました。」
「せっかくだし、自宅の窓はガラスの窓にするか。」
窓に合わせた木枠にガラスをはめ込む。十字に木枠を作り、ガラスを装着するオーソドックスな形だ。
ガラスの良さを理解してもらえることだろう。
窓を開けなくても光を取り込むことができるのだから。
「よーし。いい感じだな。」
「レオよ。ガラス窓じゃな。お洒落なものを作ったものじゃの。」
最初に見つけたのはユグドラシル様だった。
何かしていることを察知したのだろう。相変わらず、新しいものを作るときには行動が早い。
「ええ。ガラス製品が欲しくなりましてね。せっかくなので、ガラスの窓を作ってみました。ガラスを普及したいと思いますよ。」
「ガラスは作るのが大変じゃからの。首都圏あたりにしか普及しておらんからの。このあたりで作れるとなれば、商人たちは驚くじゃろうな。」
「そうですね。まあ、しばらくは自分たちで使うのが中心になりますかね。余裕ができたらノースサンド村なんかにも普及させますよ。」
「まあそれがいいじゃろうな。ノースサンド村も昔のほうが栄えておったからのお。冒険者は増えているようじゃが、活気は無いからの。」
食糧問題はナナからの情報で知っている。その対策を俺たちが行い、ガラス製品なんかも入れてより文化的な生活を取り入れるようにできるだろう。
それはともかく、ガラスが手に入ったので、これからいろいろ作ることができるな。
面白いかも…
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