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076:ノースサンド村調査 クエストに向かう道中

「そういうわけで俺たちはパーティー名「ノースサンドの盾」と名乗っている。昔からこの村を拠点としているパーティーだ。ローザは最近加入したんだがな。」


ウィッシュが簡単にパーティを説明してくれる。

ギルドではパーティー制度をとっており、小規模なものから大規模なものまで様々だ。

大手のパーティーだとパーティー会館と言われる拠点まであり、ギルドからの優遇制度などもある。


冒険者は物資供給の要であり、こういった優遇制度も豊富にある。

ウィッシュたちは零細パーティーであるため、細々とやっているパーティーではあるのだが、大半は小さいパーティーが乱立しているような状況だった。



「では、農家までの短い期間でごじゃるがよろしくでごじゃる。」


農家までは半日程度の日程。

そのため、道に迷わずにすぐ到着できるだろうという利点と、食事のご馳走ということでお詫びということなのだろう。

その証拠にマーケットで何か仕入れてきてくれた様子だった。


この世界では、一日一食程度が基本だ。

冒険者であれば、生計が安定的にとれるなら2食に加えて夜の酒代という感じだ。

「ノースサンドの盾」は安定的に生計が立てられている部類であり、1食奢るくらいはなんともないパーティーだ。


「あんたたち、二人でどうウルフに立ち回るつもりだい。冒険者だから自己責任ってのもあるから、止めるつもりもないけどね。もっとも実力はありそうだから大丈夫だとは思うけど。」


「私たちは隠密行動を得意としているでごじゃる。真正面から戦うつもりは毛頭もないでごじゃるよ。」


ウルフくらいは真正面から戦っても問題はないが、本来の戦い方で始末するつもりだったので嘘は何も言っていない。


「まぁ真正面から戦うつもりないなら逃げることも容易いかね。危ないと思ったら逃げなよ。違約金もないんだろそのクエストは。」


「そうでごじゃるね。まぁ、ウルフは経験あるでごじゃるから問題ないでごじゃるよ。」


「はっはっは。今度結果を聞かせてくれや!」


雑談をしながら進んでいく。面倒見がいいパーティーであり、良い人たちなのだろう。

割と若手パーティーを面倒見ているような感じなのかもしれない。


「さて、このあたりで休憩しますかね。」


ルウが休憩に誘ってきた。もうすぐ農場なので、目的地に到着する前に、このあたりで小休憩ってことなのだろう。


「本来であればこんなところで休憩しないでごじゃろうに。ありがたいでごじゃる。」


「お詫びの食事も奢るって決めてたしね。ほら、これだよ。口に合えばいいけど。」


パンとオーク肉で作ったハム。そして、お茶だった。

小麦粉が貴重であるためパン自体、豪華な食事の一つである。オーク肉も一般向けのマーケットだとあまり流通しておらず、ましてやハムなど嗜好品だ。


「これは豪華でごじゃるね。仕入れるのも大変だったのではごじゃらんか?こんなにいただいていいのでごじゃろうか」


「まあ、あたしらはオーク狩りを中心にしているからね。得意先があってオーク肉の融通はよく効くのさ。あとパンも貴族に行くのが大半だけどね。オーク肉卸している店がパンも作っててね。よく分けてもらってるのさ。これでも稼いでるから気にしないでおくれ。」


「私これ好きなんです。美味しいですよ。」

ローザもオススメしてくれている。


「では遠慮なくいただくでごじゃる」


「まあなあ、このあたりじゃないと新鮮なものは食えないし、ここらで食事取れるのも俺らとしてはありがたいわな。」


当然、レオたちが作るパンなどのほうが美味しいが、これはこれで悪くはない。

さすがダンジョン産の素材を使っているだけあるだろう。


ハムは塩味も程よく聞いていて旨い。

パンにハムを挟んでガブリといく。パンは平パンで質素な感じだが、この世界だとありがたい食事になるので、大切に食べる。


「美味しかったでごじゃるよ。オーク肉は美味しいでごじゃるね。パンも美味でごじゃったよ。」


「気に入ってもらえたなら何よりだよ。じゃあそろそろこの辺でお別れかね。また村で会ったら声かけてよね。」



「ノースサンドの盾」いい人たちだったとナナは思ったのだった。

面白いかも…

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