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072:フラウ男爵家の見聞(フラウ砦)

「イヴ。見聞活動を行うぞ。冬に入っては大変だからな。今年はお前も同行するといい。」


「はい。お父様。イヴも傍で支援いたします。」


フラウ男爵家は冬を除き季節ごとに領内を回り、見聞活動として領民の声を聞いて回り、いつもと違うことが無いか、治安の状況はどうか、作物などの生育状況はどうか。疫病などはないかといった情報収集を行っている。


場合によっては、帝国への報告が必要になる事象もあるため、怠ってはいけない活動としている。



「お父様、まずはどこから回るのでございますか?」


「まずは、ダンのところに向かい当家の軍事力を確認することから始まるな。冒険者業も兼ねてもらっており主力産業でもあるしな。」


「お兄様のところですね。わかりました。」


執事が完ぺきな準備を行い、二人は馬車に乗り込む、護衛を従えながら進む。


「男爵。今朝届いた手紙によりますと、ダン様は現在、フラウ砦に在留しておりお出迎えの準備ができているとのことです。」


「うむ。わかった。」


フラウ砦は半日くらいで到着する場所にあり、男爵家からも見える位置にある。


「お父様、お忙しいところ訪問ありがとうございます。」


「いや、これも男爵としての務めだ。気にすることはない。」


ダンを初め、男兄弟は全員フラウ砦にて何らかの業務を行っているため、

家族のほとんどが揃う場所でもあった。

軍事力というのは資材調達能力含めて重要な領域なのだった。


フラウ男爵は、兵力の増強、砦の防衛、設備投資の方針を確認して報告を受ける。

ダンジョンでの収集量などの報告も受けていた。


「ふむ。王都に売る物資なども順調に増えているな。当家の基盤としてこれからもよろしく頼むぞ。」


「はっ。現状は、この方針が現実的な解です。ノースサンド村の不景気が続くようであれば、村ごと砦として改修することをオススメします。」


「うむ。その提案は認識しておるが、まだまだノースサンドはフラウ男爵領の村として価値は大きい。やれることはまだある。検討は進めていいが実行するには、まだ時期が来ていない。」


ダンは、生産量が年々落ちている農家や酪農といった産業を撤廃し、ダンジョンでの素材収集を主軸とした産業構築が安定的な家の発展が望めるという主張をしていた。

そのための軍拡化を進めており、フラウ男爵家では一番成果を上げている領域であるため支持者も増えていた。

フラウ自身はバランスが大事であると考えていることからそこまで思い切った政策には踏み切っていないというのが実情だった。


仮に実行した場合、冒険者業ができない民はどうなるのか?ダンジョンで取れない生産物は他家からの購入に依存するしかなくなり、他家への依存度が高くなるリスクは無視できないものがあった。

死の森に近いエリアでは、農業といった自然に頼る産業はできないと最近では言われるようになっているため、主要な村が砦化したと知れれば、足元を見られる可能性が高かった。


「一部、勘違いした者もおりますが、決して対立してまで推し進めるつもりはございません。フラウ男爵の方針に従い、私ができることをするまででございます。」


「うむ。フラウ家の発展はお前たちにかかっている。一層励んでほしい。」


「お兄様イヴも応援しております。協力できそうなことがあればいつでもおっしゃってください。」


「イヴ久しいな。学園生活はどうだったかな。素敵な殿方と出会えたかな。」


イヴは頬を赤くする。


「そんな殿方おりません。それに男爵家の娘は、子爵以上の娘と比べると見劣りしますから苦しい立場なんですよ。それにお兄様以上に素敵な男性はそういません。」


ダンは、美男であることでも有名。

男爵家の男子も女子同様に子爵以上の相手を探すのは大変だったが、美男であることから縁談が子爵以上の娘からよく来るような人物だった。


「上手く誤魔化されたな。お前は賢いから政治に興味がいっててそんなこと考えてませんって顔だな。情熱の向き先が領民のための政治に向けられているのは兄としても尊敬しているがな。」


そんな会話をしていると、執事がやってくる。


「ダン様。食事の用意ができました。」


「わかった。お父様、イヴ。ダンジョンで取れた食材や取り寄せた食材を使った料理を準備させました。夕食としましょう。」


フラウ男爵家は、家族で夕食を楽しんだ。


面白いかも…

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