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051:ユグドラシルの実

ユグドラシル様はほぼ毎日拠点に現れている。

人工物に囲まれた状態が新鮮で飽きないらしい。お気に入りの場所を散歩するかのごとく、マイブームのようなものだろう。

万年単位に生きているゆくユグドラシル様だ。人間単位で考えれば一生この姿を見かけることになるんではないだろうか。



「レオよ。この前の杖はなかなかじゃった。順調に効果がでておるぞ。」


「それは良かったです。アリアさんはじめ精霊の皆さんにはお世話になってますし恩返しが少しでもできたなら。」


精霊の数も増えており、それぞれの能力も強化されているとのことだった。


「それでの、そろそろ人間たちの近くへ転移する頃合いかと思ってのぉ。」


お、ようやく移動か。でも、今まで作ってきたのを捨てるのももったいないが、いつまでも引きこもるわけにもいかないしな。


「わかりました。いつまでもここにいるわけにもいかないですしね。」


「うむ。いまある拠点はさすがに移動できんからな。今後も行き来できるように常設型の転送陣をお主に作ってもらいたい。」


転送陣…?錬金術だとは思うが、そんなもの作れるのだろうか。


「転送陣ですか。俺に作れるかな…?」


「レオ。転送陣自体は難易度は高くありませんが、材料に問題がありますが…」


エリスはユグドラシル様の方を見つめている。

ユグドラシル様は頷いているので、エリスが言わんとしていることを理解している様子だ。


「そうじゃな。ユグドラシルの実が必要じゃな。」


このユグドラシルの実。3種類の実が結ばれるとされているらしい。第一の実は、豊穣の実。これを食べることで、あらゆる怪我や病気などの状態から回復が可能。第二の実は、奇跡の実で、錬金術における最高の素材となっており、どんなアイテムでも錬金可能な素材だ。第三の実は、生命の実で、あらゆる生命も誕生させたり生き返らせたりできるものだ。


ユグドラシルの実は、ユグドラシルの樹からしか収穫できず価値をつけることは不可能なほど貴重だ。現実に存在するものではないとされている。


エリスからこの事実を聞いて俺は驚いた。


「そんな貴重なものを使うんですね…」


「うむ。まあいつまでも、人が来ることがない場所にいても仕方ないじゃろ。

それに、お主が妾を回復してくれたおかげで実も生ったからの。お返しじゃな。最近は、あんまり実が育たなかったからのぉ。」



最近というのがどういう時間軸を示しているかわからないが、

久しぶりに実が育ったのだろう。



「わかりました。転送陣作成のための素材に使わせてもらいます。」


「うむ。じゃあ頼んだぞ。」




「エリス。転送陣を製作するためにはどんな素材が必要なんだ?」


「レオ。転送陣を製作するためには、『ユグドラシルの粉末』『ハイマナポーション』『魔力の水晶』が必要となります。」


見事に作ったことないものばかりだ。まあ当然か。


「そうか。これらをしっかり準備するしかないか。」


『ユグドラシルの粉末』

これは、『ユグドラシルの実』を【錬金術】スキルで粉末にすることで製作可能であるため、阻害要因はない。

必要なタイミングで手に入れることにする。


『ハイマナポーション』

転送するためには大量の魔力が必要となるため、それを賄うためにポーションを使う。

動力源みたいなものだろう。

今までは『マナポーション』しか作ってこなかったため、上位の素材が必要になる。

『魔力草』と言われる薬草が必要となるが、生息数が少なく見つけにくいのが特徴。


『魔力の水晶』

ダイヤモンドを原料にした水晶。

ダイヤモンドを素材にして【錬金術】スキルで製作するものだ。




これらの素材を集めて最終的に『転送陣』を設置することが、

引っ越しの前提となる。

確かにいつまでも世界樹周辺に居続けてもだめだろうし、本来の目的も達成できない。


しっかり準備しよう。



面白いかも…

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