003:家を作る
俺は生活するために家を建てることを決め、エリスに相談した。
「エリス、俺たちには、まず家が必要だと思うんだけど、どうすればいい?」
エリスは考え込んだ後、答えた。
「私たちは現在掘っ立て小屋を建てることしかできないようです。」
レオはエリスのアドバイスに従い、掘っ立て小屋を作るための場所を探すことにした。エリスは地形や資源を調べ、最終的に森の中に良い場所を見つけた。
そうしていると、精霊のアリアが現れた。
「世界樹様と相談しまして、ここは、人里から離れた世界樹の中枢部。ただ放り出すのは、あまりにもということで、私たちから支援をさせてもらいます。」
と言って出したのは二つのアイテム。
1つは、アイテムボックスといわれる袋だ。スキルによるアイテムボックスもあり、そっちのほうが上位なものらしいが、いずれ自分で取得できるだろうということで下位互換となるアイテムボックスを授けられた。
肩掛けのトートバッグみたいな感じで、革製のバッグだ。オーソドックスな形だと思う。
2つは、万能道具といわれる道具アイテムだ。
簡単なものであればイメージした道具に変化するものらしい。例えば、斧やスコップなど。
農業なんかだとイメージした農作物が早く作れるらしい。家や道具などもイメージしたものを作れるらしいがスキルレベルに依存するんだとか。
あとこれはユニークアイテムとなり俺しか使えないとのこと。確かにこれだけのチートだとね。
これを使って文明発展に寄与しろってことか?
「目先、これを使って、家を建ててください。森の中で生活することができるようになれば、私たち精霊も嬉しいです」
俺とエリスは感謝の気持ちを表し、万能道具を使って家を作り始めました。
まずは、掘っ立て小屋を建てるための木材が必要だ。
森の中には、草木が生い茂り、虫や小鳥たちが忙しく飛び回っていました。俺は森の空気を深呼吸し、心地よい香りを楽しみました。
しばらく森林の中を歩いていると、美しい木々に目を留めました。木の良さを理解し、森林を保護する必要性を感じながら、森林を探検しました。
俺は、エリスのアドバイスをもらいながら、周囲に生えている木々から食料や材料を手に入れることにした。
「ここがポイントか、木の実を採取しよう。」
基本的にエリスから提供される情報を頼りに活動している。
採取ポイントは拡張現実で表示されるようなウィンドウにマップが表示されており、どこに何があるのか、実際の場所もマーキングされている親切設計。
俺は、大きな木に目を付け、木の実を採るために登り始めました。俺はしっかりとした枝につかまり、しばらく上に登っていった。
すると、木の実がたくさんついた枝にたどり着いた。俺は慎重に実を採り始めました。実を採るたびに、マジックバックに入れていきました。しばらくして、地上に降りる。
「レオ、別に木を登らなくても採取できる木の実はありますよ。ベリー系のものは地面に生えてます。」
「早く言ってよね…。ちなみにどのあたりにあるかマッピングしてくれる?」
目の前のマップ情報が更新されて、採取しやすい食料は強調してくれた。
しばらく採取してはマジックバッグに突っ込んでいく作業を繰り返した。
ていうか、高い場所の食料はエリスがとってくれた。なんか器用な機械だよな。
「これで、飢えることはないな。」
マジックバッグを確認し、中身を見ると、美味しそうな木の実などがたくさん入っている。
「マジックバッグの情報は、リンクしているので、アイテム一覧にまとめていますので表示します。」
なんかいろんな情報のウィンドウが常時表示されていて、ゲームをしているような気分になってきたな。
次の採取ポイントに向かうために森を進んでいく。
家を建てる場所、作業場所や食料を確保するための農地などが必要であるため、森林の伐採が必要だ。アリアには、必要最低限の範囲を居住エリアとして伐採することは許可をもらっている。
落ち着くまでは、野宿になるかと思っていたが、適当な場所にアリアが結界を作ってくれたので、快適に過ごせそうだ。
魔物除けの効果と結界内は快適性が保たれるらしく、雑魚寝にはなるが快適に過ごせそうだ。
今日は、これくらいで休み、木材の調達は明日にしよう。
そうしているとアリアが、
「あなた達に生活魔法を授けます。この世界の住人の半分くらいは生活魔法の素養があるんですよ。でも実際に発動させて使っている人は一握りですが。」
「生活魔法?それは何ですか?」
「生活魔法は、生活を便利にするための魔法です。例えば、火を起こしたり、水を創ったり、食料を保存に用いたりすることなどができます。」
「それは素晴らしい!どのように学ぶことができますか?」
「通常は生まれるときに授かるものですが、今回は魔法陣の上に手を置いて、自分の名前を唱えてください。魔法があなたたちに与えられます。」
俺は魔法陣の上に手を置き、自分たちの名前を唱えた。すると、周りに魔法の光が輝き出した。
魔法が使えるようになった感覚がわかった。
「素晴らしい!これでもっと便利に生活できますね。ありがとう!」俺は喜んで言った。
夜は生活魔法で火を起こし、
適当な材料で小物を作ったりして過ごすことにした。
イメージした場所から水を出すこともできたので、水浴びをしたり。
お風呂とかいつか作らないとなぁ。
翌日、
万能道具を斧にして木を伐採する。
この道具、チートアイテムなので、一振りで伐採できてしまう。
皮を剥ぐ道具、カットする道具など必要な道具に変化して、しかも豆腐を切るかのように簡単にカットできる。
木材の加工はエリスがナビゲートしてくれるので従うだけの簡単な作業。
掘っ立て小屋に必要な材料を1日でそろえることができた
「レオ、これだけの木材があれば掘っ立て小屋を作ることができますよ。」
「そうか。でも、俺は大工でもないしな……」
「大丈夫です。私がお手伝いしましょう。建築スキルが手助けしてくれます。掘っ立て小屋を建てるつもりでハンマーでたたいてみてください。」
俺は驚きながらも、エリスに教えてもらいながら木材を加工し始めました。生活魔法を使うことで、木材は切り出しやすくなり、すぐに掘っ立て小屋の形に加工することができた。
途中、手の届かないところが出てきたりしたので、足場を作ったりして右往左往しながら日が暮れる頃には完成した。
エリスのおかげで、俺は簡単に家を建てることができた。
スキルには経験値が存在しており、試行錯誤による経験値や本からの習得、人からの師事によって得られるようだ。
世界樹知識を持つエリスからの師事という形になり、建築できたようだ。
師事を受けることで一つ上のスキルレベルまで作成できるようになり、本来は作れない掘っ立て小屋を作ることができた。
いわゆる1DKくらいで一人で暮らすには十分な広さの家を建てた。
次に必要なのは、自分の寝床。俺は森林に向かい、藁を収穫し始めた。
藁を収穫するのは簡単だった。アシという植物が藁素材になっており、道具がなくても手で引き抜くことができる。俺は森林に数時間いて、たくさんの藁を集める。
藁の束は、マジックバックに詰め込んで持ち帰る。
自分の家に戻った後、藁を寝床にするために編んでいくことに。
以前、農家で藁のベッドを見たことがあったのを思い出したんだ。
藁の束を半分に折り、俺はその上に藁を何層にも重ね、それを折り畳む。
藁の厚さを整え、端を縛る。縛り目はしっかり結ぶことができるように、藁で紐を作って結ぶ。
これで俺の藁の寝床は完成。俺は満足そうに座り、寝床の上に転がる。
寝心地は、そこそこなのだが、俺は自分で作った寝床に満足した。
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