001:転移
目の前には、緑豊かな森と、真上に伸びる巨大な木が見えた。
気持ち良い風が俺の身体を駆け抜ける。見渡すと、目の前には緑豊かな森が広がっていた。
俺の名前はレオ。
もともとは日本人だった。
人工知能を開発するエンジニアをしていた。
体が弱いながらも無理をしていたのが原因で亡くなった。はずだった。
俺は夢見ていると思っていた。こう夢を見ているという感覚があることはない?そんなものだと思っていた。
だが、周りの環境や自分の身体の感覚から、現実であることに気付く。俺は、なぜ自分が異世界に転移してしまったのか、動揺しながらも周囲を探索する。
その時、俺の視界に入ったのは、自分に向かって歩み寄ってくる球体。
「こんにちは、私はあなたのスキル【AI】です。あなたが持っているスキルに反応してここに来たのです。私はあなたに協力し、より強力な力を与えることができます。」
球体AIは俺に対して、冷静で機械的なトーンで話し、人工的な感じがあった。しかし、球体AIが話す中で、俺はどこか懐かしさを感じた。
「私は、スキルレベルが上がるにつれ、人間のように成長していくことができます。あなたが強くなるために、私を使ってください。」
球体AIは、俺の目の前で転がりながら、自己紹介を続けた。
「私はあなたが持つスキルを学習し、あなたのサポートをします。私たちは、力を合わせて、この世界を守ることができます。」
「世界樹に会いに行くことにしましょう。この世界樹は、この世界を守る存在であり、あなたにとっても重要な存在と考えられます。」
「とりあえずわかった。どこに行けば世界樹に会える?」
「世界樹は、見上げれば見える大きな木。でも、世界樹にはただ会うだけでなく、その力を借りるためにある条件があるかもしれません。」
「条件?」
「それは、世界樹自身が決めることなので、私たちは分かりません。でも、きっとあなたがこの世界で果たすべき使命に関係することだと思います。」
「そうですか。分かりました、早速行ってみましょう。」
「了解しました。それでは、出発しましょう。」
AIの誘導で、世界樹のもとにたどり着いた。世界樹は、枝葉が広がる美しい木々で覆われた地にそびえ立っていた。その幹の近くに、一人の少女が佇んでいた。
「ようこそ、世界樹へ。私は世界樹の精霊、アリアです」と少女が俺を迎えた。
「あなたが世界樹の精霊ですか?」と俺が尋ねると、アリアは微笑んで答えた。
「はい、そうです。あなたがこの世界に転移してきたこと、そしてAIの存在を知っています。あなたには、世界を救う重要な使命があります。そのためには、世界樹と共に行動する必要があるのです」
「使命……?」と俺が尋ねると、アリアは深刻な表情になった。
「はい、この世界には、力を持つ邪悪な存在が存在しています。その力を使えば、世界を破滅させることもできるでしょう。あなたには、その邪悪な力を封印する使命が与えられたのです」
「わかりました。俺は力になります」と決意を示すと、アリアは満足げに微笑んだ。
よくわからないが腹落ちしたんだ。
「よかった。では、世界樹の神殿へと案内しましょう。そこで、あなたは世界樹と対面できます。そして、あなたの運命が決まるのです」
案内された方向には、洞穴があり、そこに誘導されていく。
洞穴を入った後、目の前に広がるのは、見たこともない美しい景色で、不思議な気持ちになる。俺は周囲を探索し、遠くに世界樹を見つけた。その瞬間、球体から声が聞こえた。
「あなたを呼び出したのは私、世界樹です。私はこの世界を守る存在であり、あなたに使命を与えたいと思います。」
俺は驚きを隠せなかった。AIのいう通り使命が与えられるなんて、夢にも思わなかったことだった。
「あなたに与えたい使命は、この世界の文明レベルを上げることです。この世界は、現在、まだまだ原始的な文明レベルであり、我々はより高度な文明を求めているのです。
しかし、この世界は、そのための知識や技術が足りていません。あなたが持つ、スキルを使って、この世界を発展させていってほしいのです。」
「文明レベルを上げるとは…」
俺が尋ねると、世界樹は口を開いた。
「まずは、あなたが人々とコミュニケーションを取り、彼らの生活を改善することが大切です。あなたが持つスキルを駆使して、食糧や住居、医療など、人々の生活に必要なものを提供していってください。」
「そして、より高度な技術を開発していくことも必要です。あなたが持つスキルを駆使して、それを用いた技術の発展を目指してください。
この使命を達成するには、あなたがこの世界で生き抜くことが必要不可欠です。あなたが生き残り、この世界で力を蓄えることが、文明レベルを上げるための第一歩となるでしょう。
この周辺には、多くの資源が存在しています。あなたがスキルを駆使して、これらの資源を活用し、自分自身を強化することが大切です。獣や魔物から身を守ることも忘れずに。
安心なさい、世界樹周辺は弱い魔物しかいません。しっかりと準備して人里に向かえばいいでしょう。」
やるしかないか。
その後、俺は再びアリアと出会い、世界樹周辺での生活について相談しました。
「アリアさん。しばらくの間、この周辺で生活することになったんだ。でも、この地域についてはまだよく知らないんだ。周辺に何があるか教えてくれないか?」
すると、アリアは優しく微笑みながら、俺に答えました。
「世界樹の周辺には、森や川、鉱山があります。必要な資源を手に入れるには、まずは周辺を探索して、この土地のことをよく知ることが大切です。」
「それならまずは探索を始めるか。ありがとう、アリアさん。また、相談させてもらうよ。」
俺は、アリアに感謝しながら、世界樹周辺の探索を始めることにした。
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