表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

うちのダンナ詩集

木槿とクレマチス

作者: 陸 なるみ


秋口の優しい午前の光に

宗旦木槿(そうたんむくげ)のシルクの花びらが揺れる

花の奥の秘密を曝して

赤紫のクレマチスが絡む

ふたりして耀(かが)よう


淡い灰色の細い指の枝

水鳥の足跡のような(みどり)を纏って

支えるのも重たかろうに

同色だから同類だから木槿は

声もなく微笑む


強くもない体で私を支えた

剛く繊細な貴方とはびこる私

貴方を枯らしたのは私

貴方を咲かせたのも私だ

陽は死をも言祝ぐ


絡んでも(くる)んでも脱がしても

二度と届かない貴方の中の花芯(しん)

薄クリームに空を目指す

地を這ってこんがらがって

のたうち廻って私は見守る





挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)




貴方の花芯(かしん)

薄クリームに突き上げて

空を目指し振り向かない




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i517735
バナー作成:秋の桜子さま。ありがとうございます。
― 新着の感想 ―
[一言] 純文学を読んでいるような、 違う世界に入り込んだような感じです。 なにかに圧倒されました!
2021/09/21 21:40 退会済み
管理
[良い点] 重ねられた一言一言が美しく そしてまた意味深い。込められた想いと、空に向かって伸びる植物たちの精一杯生きる力が感じられる素敵な御作品でした。 私も >陽は死をも言祝ぐ と >空を目指し振り…
[良い点] 「陽は死をも言祝ぐ」 この表現が好きです。 全てを拒まず祝うような空気が神秘的に感じました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ