第35話 カール クーガ出場!(アポロニア島 クーガ本選前 前夜祭)
腰痛対応として散歩を始めました。
まだ、始めたばかりで何とも言えませんが 改善を期待して毎日続けようかと
まぁ 継続は力なりですかね
◇◇クーガ本選前 前夜祭
女神によって引き起こされたドタバタに頭を抱えながら、カールはクーガ前夜祭を迎える。
この時ほど、カールは前夜祭に出席できないことを喜んだことは無い。
本来、聖女ミューア・ルミナリアは前夜祭のようなお祭りには出席しないのだが 昨日、繰り広げられた騒動(聖女ミューア・ルミナリアにとっては慶事)で心は春爛漫である。
まして、カールは出席しないがカールの姉が出るのである。 将来の義姉になる人に挨拶をと考えるのも仕方がない事だった。
突然、前夜祭に聖女ミューア・ルミナリアが出席する事が告知され、大会運営委員会は騒乱の嵐に包まれた。
但し、告知は大会運営委員会のみにされたのだ、これは要らぬ騒乱を防ぐためだった。
警備の問題から始まり、スピーチの順番にと。。。 その前に着席する席の確保である。 司祭や司教の出席とは訳が違う。 それに食事の事も確認をしなければいけない
警護は聖女宮騎士団に依頼すべく連絡を入れる。
スピーチは最後にお願いしよう。
本来、最後にスピーチをするはずだった大会運営委員長は聖女ミューア・ルミナリアの前に行う事で了解を得る。
食事は急遽、聖女ミューア・ルミナリア専属料理人に依頼をする事にした。
この時ほど、前夜祭が夕方から開催されることに喜んだ大会運営委員のメンバーは居なかっただろう。
こうして時は過ぎ、大会運営委員会にとっては慌ただしい時を経て前夜祭が始まった。
前夜祭の会場はクーガ前夜祭の為に作られたと云っても過言ではない立派な宴会場だった。
今回の前夜祭が例年と少し違うと云う事が何となく周りの雰囲気で分かったのか、招待客たちは勝手知ったるメンバー同士で話していた。
前夜祭の開催を告げる音楽が流れだした。
その音楽に伴いクーガを運営する大会運営委員と教会関係者が入ってきた。
全員が入り着席するかと思ったとき、会場中央にある、ひと際立派な席が空いて居る事に気が付いた。
流れる音楽が更に荘厳な音色に変わった時、一人の女性が入ってきてひと際立派な席に着席した。
その着席を待ってから他の入場者は着席をしたのだ。
こんな一幕にクーガ前夜祭に出席した招待客はこの女性の正体について噂しだした。
こうして前夜祭が始まった。
大会運営委員の挨拶から始まり、各ギルドの長や幹部の長い話 地方の大陸予選の時と同じ流れにウンザリしていると大会運営委員長の話に成った。
やっと終わる。 目の前の美味しそうなご馳走をお預けになっている育ち盛りの青少年には辛いひと時だった。
大会運営委員長の話が終わり、議事進行の待ての解除を現す、『では皆様 ご自由にご歓談のほど』と云う言葉を全員が待ちわびていた。
そこに司会者からとんでもない人の紹介アナウンスが流れた。
「皆様、最後に聖女ミューア・ルミナリア様よりお話を頂きます。」
「おぃ! まて聖女ミューア・ルミナリア様だと!!!」誰かの呟きが聞こえた
今までにクーガ前夜祭で聖女様からお言葉を賜る事は無かった。
それが何故?
静かな騒めきの中 中央のひと際立派な席に座っていた女性が席を立ち演題の前に移動した。
「皆様 始めまして、私が聖女ミューア・ルミナリアです。 これから始まるクーガに先立ち皆様にご挨拶と祝福をしたいと思いこの席に参りました。 今、この瞬間は勝者も敗者も居らず全ての皆様は対等な存在です。 女神様は皆様を絶えず対等に全ての人を等しく愛して下さっております。。。。。。。」
聖女ミューア・ルミナリアの話は女神様から始まりクーガによる勝者と敗者の話に移りこの世の全ての人々への限りない愛を降り注ぎ、絶えず皆様を天界よりご覧に成っていると話を進めて行った。
女神様から下される愛の話が終わり、この前夜祭に出席した全ての人が何故だか感動に包まれていた。
◇◇◇◇ ウエスティン大陸代表 (ファミール連盟共和国)
聖女ミューア・ルミナリアと同じエルフ族であるファミール連盟共和国のメンバーは初めて見た聖女に心が震えていた。
「ひょっとしたら、俺たちの激励の為に態々、聖女ミューア・ルミナリア様がご出席?」
各自、都合の良い事を云いあいながら前夜祭が始まった。
生徒会メンバーを中心に聖女ミューア・ルミナリアの話をしている所に当の聖女ミューア・ルミナリアが貴賓席から降りてきた。
一気に緊張の度合いを増すウエスティン大陸代表のメンバーとサポートを務める他国の生徒会メンバー まさか、自分たちの席まで聖女ミューア・ルミナリアが居りてきて話をして頂けるとは思ってもみなかったのだ。
中には歓喜の余り泣き出すメンバーも居た。
殆どのメンバーは何が何やら分から無い迄も、緊張した時間を過ごした。
◇◇◇◇ ノーチック大陸代表 (魔王国ゼシア)
聖女ミューア・ルミナリアが次に向かったのはノーチック大陸代表の所だった。
ここでは聖女筆頭の聖女リザベート・ルミナリアの話を中心に話していった。
彼女の素晴らしい事を冒険談風に話して聞かせるのだ。
直接、聖女ミューア・ルミナリアから聞く聖女筆頭の聖女リザベート・ルミナリアはまさに天使の如く光輝き伝えられた。そんな貴重な時間を持てていた。
◇◇◇◇ サウラウンド大陸代表 (ジーニス獣王王国)
次に向かったのがサウラウンド大陸代表の所だった、ここでも獣人族の聖女オリガ・ルミナリアの話だった。彼女の勇敢な所や皆も楽しませるユーモアがある所など、色々な民に愛されて居ると話して聞かせた。
嘗て、竜王が病に侵され錯乱状態に陥った時に調伏に出向いたのだ。
この世界には勇者は過去に一度、現れたのだが 大抵は4人の聖女が事に当たっていた。
その為、例え聖女であっても一通りの剣技や武術は出来るのだ。
◇◇◇◇ イーストウッド大陸代表(ハイランド王国)
最後に出向いたのがイーストウッド大陸代表である、実は聖女ミューア・ルミナリアにとっての本命で有り何としてもお近づきに成りたい将来の義姉がいるのだ。
聖女ミューア・ルミナリアは慎重に準備を進めていた。 挨拶に回る順番も計算尽くされていた。
初めに自分と同じ種族のファミール連盟共和国に行き、次に筆頭聖女としての種族である魔王国ゼシア、残るはどうしても最後にしたいと云う理由からジーニス獣王王国となる。
ハイランド王国を最後にしたのは、これで最後だから多少時間を使っても不自然に感じないだろうという事からである。
カールとの出会いからカールがハイランド王国の選手であることが分かっていたのと姉が一緒に来ている事だけだった。
ここまで、各国の生徒会首脳部との挨拶を受けて来たが、名前など全く頭に入っていなかった。
聖女ミューア・ルミナリアの中にあるのは、、カールの家名であるアーレンハイトと云う名前だけである。
只、アーレンハイト家の家名を持つ者だけに神経を集中していく。
ハイランド王国の生徒会メンバーが恭しく礼をしながら聖女ミューア・ルミナリアへ自己紹介を行う。
「此度のハイランド王国代表チームのリーダーを務めます。 カトリーヌ・フォン・アーレンハイトと申します。 宜しくお願い致します。」
聖女ミューア・ルミナリアにしてみれば、いきなり本命を引き当てた気分である。
そう、このカトリーヌこそカールの姉である。
それもハイランド王国代表チームのリーダーで有れば直接、話しかけても不思議ではない。
次々に挨拶をされるのだけど、聖女ミューア・ルミナリアにとっては些末な事、どうやってカトリーヌの関心を引くかの方が大事であった。
まず、ここでも他と同じで同じ種族の聖女エルザ・ルミナリアの話から入ったが、ここで時間を費やすのは無駄とばかりに、話を何と二人の共通の話題に持って行く。
「カトリーヌ・フォン・アーレンハイト様 もし宜しかったら私の事はミューアとお呼びください。 その代わり貴女様の事をカトリーヌ様と呼ぶ事をお許し願えますでしょうか?」
カトリーヌとしては突然、遥か雲の上の存在である聖女様から名前で呼び合う事を提案されたのである。
「はぃ! 喜んで!」 と答えるしかなかった。
周りのメンバーは聖女様と自分たちのリーダーとの会話を静かに聴いているしかなかった。
そう、この会話の中に入る事ができる蛮勇はいなかったのだ。
ミューアは此処で一気にカトリーヌとの距離を詰める必殺技を繰り出した。
「カトリーヌ様 実は先日、アポロニア島を妹と散歩をしている時に妹が手を放した隙に迷子に成ってしまった事、そしてその妹をハイランド王国の選手であるカール様と云う方に保護をして戴きました。」と話したのだ。
勿論、カールがカトリーヌの弟である事を承知の上で知らない素振りで話した。
まさに偶然を装ったのだ。
女性とは種族を問わず、最高の演技者である。
まして恋する乙女であれば、アカデミー賞ものの演技もできるのだ。
こうしてカールと云う共通の人物を通しミューアとカトリーヌは友達になる事になった。
そう、友達なら自宅への訪問も可能なのだ!
そこまで考えての聖女ミューア・ルミナリアの作戦は順調に進んだ。
実を云うと完璧主義者の聖女ミューア・ルミナリアを助ける要因として、この街にカールの母アグネスとカールの配下たちがいた事が挙げられる。
何故なら聖女ミューア・ルミナリアと友達になると云う夢のような話を黙っている様なカトリーヌではない。
このクーガ観戦に来ているカールの母アグネスの元へ報告にいくだろうと考えていた。
運動不足からの腰痛は更に悪化の一途を辿っています。 ま。。。拙い!
保険適用があるマッサージ&整骨院に通い始めました。
少しでも改善して欲しいのですが。。。。 本当は運動をするのが良いらしいのだとか?
ここまで如何でしたか。
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