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第 5話 覚醒後に大騒動(アグネス母さん 教会を訴える!)

無事に覚醒という名の目覚めの儀式を終えて天界から人界に戻った途端カールは意識を失った


「カ~~ー~~ル~~~~~~~ゥ!!!」    アグネス母さんの絶叫が教会中に響き渡る。。。。




アグネスとしては唯一の息子 それもまだ3歳である。 半狂乱に成りながらリザイア司教の両肩をゆすりながら叫んでいたとしても不思議ではなかった。


普段は沈着冷静で優等生であるリザイア司教も領主の息子が目覚めの儀式で気絶するとは思ってもいなかったのである。自ら水魔法の回復魔法や光魔法の状態異常回復の魔法を掛けるが いっこうにカールが目を覚ます気配が無い ま。。。。マズイ 完全に責任問題である。


今までに目覚めの儀式で気絶をするなんて事が起こった記録が無いのである。 優等生のリザイア司教にすれば、過去に起こったであろう事象に付いては記憶しているが 初めての事には頭が回らない 女神ディアナからの聖光を浴びて倒れたのだからカールは邪悪な存在ではなかろうかと一瞬考えたが口にする事は無かった。



教会の世界は完全に縦社会である 頂点に君臨する教皇ヨハネ・ディア・フィリップだけが女神ディアナの愛称をミドルネームとして使用できるのである そして教皇の配下として4つの大陸を管轄としている枢機卿がいる 更に枢機卿の下に四人ずつ大司教がいて各国の中の複数の司教や司祭を管理している、司教は国の中でも伯爵以上の領都に着任しており その中で各市町村に居る司祭、助祭、シスター等を管理しているのだ。



リザイア司教の直属の上司である第四教区の大司教は女性でエリザベート・イーストである

大司教からは自分が所属する大陸の愛称を名として与えられている為 担当教区に非常に愛着を持っている まして女性である アグネスの訴えは我が身のごとく理解するだろう! 下手をすると司教の座から司祭へ降格もあり得るのだ。


此処でカールを邪悪な存在などと云って領主やアグネスを怒らせたら降格は確実になるかも知れない。




まずは気を失っている カールを安静にしなければ成らない 教会の中で一番 柔らかで上等なベットは何処かと考え 自分のベットへ運ぶ事をアグネスへ提案をした。


「奥様 この教会の中で最上級のベットは私が使用している物です どうか、私のベットをお使いいただけますように」


 それが更にアグネスの逆鱗に触れる 司教にしてみれば最上級のベットを提供した心算がアグネスにしてみれば可愛い息子に他人が使っていたベットを使わせる事など考えられなかった。


その間、夫であり伯爵であるフィリップ・フォン・アーレンハイトは完全に忘れ去られていた。


魔法は1属性しか使えない初級 2属性まで使える中級 3属性以上使える上級となって居る アグネスは上級でも上位の4属性が扱えた。


アグネスは自分が上級魔法師で有る事を完全に忘れている 火属性、風属性、水属性、光属性の4つの属性魔法が使えるのである



皆が狼狽える中、カールのメイドであるシンディーは素早く馬車から毛布を運びカールに掛けている そしてカールの呼吸が正常である事をアグネスへ伝えるのだった。


「奥様 カール様の呼吸は正常でござます もし病気や毒、呪い等であれば呼吸は乱れます」その一言でアグネスの感情と思考はいつもの落ち着きを取り戻した。


「シンディー  ありがとう そうね 呼吸が正常ならば毒や呪いでは無いわね」


「取り敢えず 状態は落ち着いて居ると思われます カール様をお屋敷にお連れしたらどうでしょうか?」



シンディーの言葉で状況を把握したアグネスは「シンディー 優しく そ~~っと カールを屋敷に運びましょう」


その間に従者でるハワードは馬車を教会の正面に着ける  アグネスは馬車が教会正面に付いた事を確認すると優しく風魔法を発動しカールの身体を浮かせ そのまま馬車へ運んだ 馬車の中でも風魔法で浮かせたまま帰るとハワードに指示をした。



残された教会には完全に忘れ去られたフィリップとリザイア司教の姿があった。 


「リザイア司教殿 世話になった」後程と挨拶を交わし、深いため息と共にフィリップは歩いて帰る事になった。


アグネスは屋敷に帰っても夫であるフィリップの事を思い出して居ない 馬車から息子のカールを風魔法でベットまで運び 呼吸や顔色などを確かめていた。


アグネスがフィリップの事を思い出したのは夕食に呼びに行こうとした時である。


夫であり伯爵のフィリップが歩いて帰ったと知ったアグネスは頻りに謝罪をしたがフィリップは笑ってアグネスを許していた。(多分 こんな優しさがアグネス達を虜にしたのかもしれない)


この後 カールは3日ほど寝込み 4日目に目を覚ました。 アグネスは今回の目覚めの儀式に付いて長年の親友の母でもあるエリザベート・イースト大司教に相談という名の訴えをした。その訴えに エリザベートは配下のリザイア司教を呼び出し 手順に誤りが無かったかを何回も確かめた。 手順の不備が無かった事から、教会の中でも再度 調べてみるとエリザベートから回答を貰うと共にカールの様子を見に来ると云われた。 (カールは秘密の危機にまだ気が付いていない 。。。。 危機一髪! ちょっと手前)



それから更に四日後、カールはアグネスとエリザベート・イーストによる口撃と女性の必殺技である泣き脅しに遭い 敢え無く秘密の一端を心の中に留めてもらう事を条件に話すことにした。

(ただ 使徒である事と聖紋に有る二重丸の意味は誤魔化す事に成功した)



カール・フォン・アーレンハイト 3歳にして初めてのイベントに望み、大きな収穫と思わぬ失態に少しの譲歩 女性の口撃と涙には気を付けようと心に誓う。


その頃、天界では気の緩んだ女神ディアナは下界でカールが気絶している事は事前に説明済のために気にしていなかった。


 それよりも女神ディアナは担当上級神であるユピテルへカールへの面談が大成功であったと報告すると共にカールが初めての使徒として視察に同行して貰える事を話していた。



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