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失望
私にとって、唯一必要なものは容姿だった。
それがあれば何でもできた。
だから私は、ただただ醜かった。体が、そしてそれにつられる形で心が、汚く濁った。
もう元には戻れなかった。
進んでも地獄、戻っても地獄。
今ここにあるのはあまりに大きな絶望の塊。
そして私は全てを失くしてしまったんだ。
結局、金も女も容姿がなければ得られない。
私は醜かったから、それらを諦めた。
でもそれでは、当たり前だが、生きていけなかった。
私は生きていくために金が、私が私であるために女が必要だと気づいた。