アラン王子とヴァイス王弟
ちょろいのは仕様です!ええ!子供の頃って惚れっぽいと思うんですよね!
そんな後味の悪い前世の死因を思い出した……だから昔から無意識に赤い色がキライだったのか……
それともう一つ重要なことを思い出した
この世界のことである
さっき見た アラン殿下は 「貴女だけに愛を注ぐ」という乙女ゲームのメインヒーローで、悪役令嬢の”銀女王様”と政略婚約させられる
王家で甘やかされたアラン殿下は自分以上に優秀な婚約者に対してコンプレックスを持っており、自分に自信をなくしてゆく
それを励まし、時に叱り元気付けるのがヒロイン
ここで重要なのは悪役令嬢の”銀女王様”である
銀女王様はいつも銀の髪をドリルのように巻いており、アラン殿下の婚約者の立場を乱用して、事あるごとにアラン殿下に付きまとい、アラン殿下よりも優秀な様を見せつけていた
今ならわかる。きっとアラン殿下に自分を見てほしくて自分をアピールしていたのだろうということが。まあそれが逆効果なんですけど
そして、アラン殿下とヒロインが仲良くなるにつれてヒロインに嫌がらせをし、いじめ抜いた
アラン殿下はそれを許すはずもなく、アラン殿下とその他にもヒロインと仲良くなった他の攻略対象者に私は断罪されることになる
普通の女性ならここで悲観するのかも知れない
しかし、私は歓喜した
「やった!!!悪役令嬢!!しかもまだ犯罪は犯してない!!!」
そう。悪役令嬢といえばヒロインに対抗する相手として、身分、見た目共に優遇されており、性格が悪いというのがテンプレ
別にヒロインになりたいとか不特定多数の男性にモテるなんて全く求めていない
私が求めるものは、自由とこの世界の魔法の知識
確か悪役令嬢の私は王子殿下を凌ぐほどの魔力があって、断罪後も殺すのは惜しいとされて魔力塔に監禁されて魔力を封じた状態で軟禁生活を送った……とかなんとかエピローグにあったわ
乙女ゲーム内ではちょこっとしか出てこなかったけれど、この世界は魔法が存在していて、貴族の4分の1ほどが魔法を使える存在で、平民には魔力は宿らないとされている
そんな中、平民でありながら高い魔力を有したヒロインは14歳の時に男爵家に引き取られ、魔術学院に入学することになる
まあそこからは乙女ゲームのテンプレ通り、貴族令嬢にはないヒロインのおおらかな優しさと魅力に惹かれて〜ってやつ
まあそこは勝手にやってください
私も悪役令嬢として一応この世界での役割は果たさないといけないだろうけど、断罪された後のこととか考えると憂鬱だわ
あと、せっかく公爵家に生まれたのに平民になるのは普通に嫌だな〜……この世界での平民って貴族に逆らえないし、もし平民になったら隣国に逃げよう。隣国では貴族制が撤廃されてお金があるかないかの貧富の差はあるものの、この国よりマシらしいし、今のうちからへそくりを作って平民になった時にも困らない蓄えを作っておこう
完全に王宮の救護室にいることも忘れてブツブツいってたら急に話しかけられた
「気がついたか?良かった。ちょうど殿下に用事があって呼びにいったら君が急に倒れて……急いでここまで運んだ。何処か痛いところはあるか?」
そういって話しかけてきた人は、王子より王子のような容貌をしていた黄金の様な輝く金髪にサファイアの様な青い瞳
少年と青年の間の危うい様な美しさだ
「あ、ありがとうございます。少しはしゃぎすぎて倒れてしまった様ですわ。今日はもう失礼させていただこうと思います。後日、お礼に伺いますわ……」
「気にしなくていいよ。君はアリアーナ家のエリザベス嬢だろう?血は繋がらないが、書類上では俺の姪だ。君の母親の義理の弟だよ。君が生まれたばかりのころに何度か会ったんだけどな」
義理の弟……あ、そうか、お爺様は側室との間に男女の関係を持たず、王妃であるお祖母様との間に3人の王女と1人の王子を生んだけれどそれ以降子供が生まれなくて、公爵家から養子をとったんだっけ……長女のお母様とは10歳差だっていってたから23のお母様の10歳下……13歳?わっか!落ち着いてるからもっと年上に見える
「えっと……すいません、覚えていないですわ」
「まぁ、会ったといってもほんの赤ちゃんの時だ、俺がこの国に戻ってきたのも最近のことだしな。隣国に交換留学に行っていて最近戻ったばかりなんだ」
「そうなんですのね!留学……羨ましいですわ……あ、私のことはエリーと呼んでくださいませ。おじさま」
「うっ……俺はまだ13歳なんだけどなぁ……おじさん扱いは辛い……できればヴァイスって呼んでほしいな」
「では……ヴァイス様ですね!今度また隣国のお話をしてくださいませ!」
やった!隣国の情報を持ってる人みっけ!
上機嫌でヴァイス様に微笑むと、ヴァイス様はプイッと後ろを向いてしまった
「ヴァイス様?どうかされましたか?」
「エリー。むやみやたらに微笑んだらダメだよ!絶対!あ、俺は身内だからいい。うん。身内限定にしてくれ」
「へ?わ、分かりましたわ」
少し顔が赤い様な?おじさまって言ったから怒っておられるのかしら?
「ヴァイス様、怒っておられますか?ごめんなさい。もうおじさまなんて言いませんわ。こんなカッコいいおじさまなんていませんもの!失礼なことを言ってしまってごめんなさい。」
ベットから少し顔を出して恐る恐る謝ると、今度は両手で顔を覆ってしまわれました
(※小声)
「天然か……可愛すぎる……」
??何かボソボソ話しておられるけれど、怒ってはない?のよね?
まだ少しフラフラするし、もう少し休んでいていいかしら……
そのままベットで休んでいると、救護室の扉が開いてアラン殿下が入ってきた
「おい、大丈夫か?急に倒れたが何処か悪いのか?」
「いえ……」
はっ!しまった!今日は婚約者を決めるためのお茶会!ゲーム道理ならば幼少期に婚約者になったって言ってたし今日に決まる可能性もある
このまま病弱なフリをしていれば王子の婚約者から外れられるかも……
「私、不治の病なのです。とても病弱で外に出るのは禁止……じゃなくて外に出られない体で、今日は無理を言って王子を見に来たんです。決して婚約者候補として来たわけではありませんので、安心してください。」
「ふむ……無理をしてまで俺を見に来たと……まぁ、俺はかっこいいからなぁ!しょうがないな!別に今日婚約者を決めるつもりはなかったんだ。家から出られないのなら暇なんだろう?俺が遊びに行ってやろう」
「いえ!いえいえいえ!それは大丈夫で……私、寝てるだけできっと屋敷に来ていただいても王子殿下を楽しませるお話なんてできませんし……!寂しいとかそういう感情とは無縁ですので!」
「そう謙遜するな。お前の顔は見ていて面白いぞ。こう、コロコロと変わるしな。そうだ。俺のことはアランと呼べ。特別にお前を俺の友人にしてやろう」
「あ、ありがたき幸せ……」
あーーーめんどくさいのに関わってしまったぁぁぁ!!!!!
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