あらすじ
HJの大賞に応募するために書いてます。この部分は読まなくても大丈夫です。
ある街に、祖母を二日前に無くした、名前をフィーベル・ハイドという少年がいた。
少年の祖母は生前、「最も素晴らしい魔法ってなんだと思う?」と少年に問うていた。少年は、その時には気に留めなかったが、彼の祖母を亡くしてから考えるようになった。
――果たして、祖母は「最も素晴らしい魔法」を見つけたのか?
気になり、祖母の研究室を探してみると、一通の手紙があった。その手紙の宛名はハイドとなっていた。手紙を読み、祖母は自分の死期が近いと悟ったことと、「最も素晴らしい魔法」が何かを見つけられなかったことを知る。それを知ったハイドは、祖母の代わりに「最も素晴らしい魔法」を見つけようと、旅に出た。
それから歳月が立ち、すっかり大人になったハイドは数年前から二人の仲間と一緒に旅をしていた。
一人目の名をドローレス・マーチン。鮮やかなほどの赤い髪が特徴的な彼女は、旅の途中で、ハイドが使用していたスクーターを直してくれた修理屋の娘さんで冒険者としても生計を立てていた。たまたま店先で知り合って意気投合した二人は一緒に旅をすることになった。二人目をエイルラント・サイフ 。彼はマーチンと出会った後に立ち寄ったある村での事件の犯人として殺されかけたところをハイド達に助けられてからの旅仲間。容姿が整っていて銀髪なのが効いたのか、獣の頂点にも立つような者達がが頭を垂れ、跪き、流れでそれらと主従関係を結んでいたため、そこら中の森に眷属がいる状態になっている。
仲間達との旅の間にハイドは、旅先で出会った人や仲間達に、かつて、自分も祖母にされた質問を聞いていく。
だが、全ての者が、「わからない」と答える。
途方に暮れるが、そんな時に、昔、祖母が読んでくれた童話を思い出した。その中で、勇者が魔法使いから祖母と同じ質問をされるシーンがあった。そこで勇者は、
「そんなことは、俺にはわからない。それでもひとつ上げろと言うなら、俺は愛という名の魔法を挙げる」
その言葉を胸の中で転がしながら、「まだ見つけられてないけど、いまはこれでいいんじゃないかな」と思い、ちゃんと見つけるまで旅を進めようとも決心した。