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笑いの中で

作者: 夜深越智

恋という字の漢字と変という字の漢字がある。この二つの漢字の形を似ていると思うのは僕だけだろうか?


でも意味は違うようにに思われるが、興味を持つという意味では似ているのではないだろうか?

 

何がいいたいのかって? つまり変と思うことは恋のはじまりではないかと僕は思うのです。例え、それがとんでもない変人だとしても。


それでも僕は変人と呼ばれる人を恋人にしたい、そう思っていた。



ピッピッピッピ


朝6時30分 学生の朝、さあ目覚ましを止めて起きよう。そして、枕から顔を上げると


20,19,18,17という表示とともにピッという音を鳴らす爆弾らしきタイマーがあった。


「ギャァ嗚呼アアああああああああああああああああ」


悲鳴とともに窓を開けて投げる。しかし、よく考えれば本物の爆弾が枕元にあるわけが・・・


ドガッッッッッッッッッッッッンと爆発が空で起きた。


「本物だァァァァ!! なんでだー!!!」


「私が設置したのだァァァアア」


「静香かぁぁぁァァァ!!」


この娘が僕の幼馴染にして変人、窓宮静香である。このように色々なイタズラや自分の探求心がおもむくままに行動する女だ。


そして、前述にもあるように変だと思っている女の子でもある。


「掴みはばっちりだね、おはよう宏樹」


「はいはい、おはよう」


僕は津久見宏樹、こいつとは子供の時からの付き合いで両親が事故で亡くなった時に僕を支える為に色々してくれた結果・・・、


こうなった。しかし今でもあの時、静香助けられた事は感謝しているし、楽しいと思える自分がいる。


つまり、僕は静香の事を・・・


「さあ、朝ごはんにしよぜい。」


「はいはい、今作りますよ。」


僕は料理人だった両親が残してくれた家と財産そして料理の腕で生活していた。叔父さんは生活を困らせることはしないと


公言しており、学生には多すぎるぐらいの生活費が毎月送られてくる。しかも窓宮家の人達は勝手に僕のことを家族にしていて、


その生活費の管理をしてくれており、無駄使いしないように必要な分だけ渡してくれている。


「貯金はあればあるだけいい、将来娘と結婚するからには将来設計はしっかりしないとね☆」


「将来確定?!!」


という事が窓宮父とあったぐらい静香の家にはお世話になっているのだが、食事は僕の家で静香としている。


静香の両親の言い分は新婚気分を味わいたいという事だが、


「絶対に僕達をくっつけようとしている気がする」


「何の事?」


「気にしないで」


照れながら言うと逃げるように台所に行き、料理を作り始めた。昨日の残りのサラダを冷蔵庫から出しつつ、卵を三つ取り出す。


「スクランブルエッグとサラダ、パンでいい?」


「ベリーグッド」


会話を交わしながらホームベーカリーで作ったパンを取り出し


「自家製パンは香りがすばらしいね。朝食をおいしくさせるよ」


「そこまでこだわる必要あるの?」


「パンを強力小麦粉から手作りで一から作るなら大変だけどホームベーカリーを使えば、なんと材料を入れるだけでパンを

作ってくれるのだよ。しかも工夫しだいでは色々なパンを作れて・・・」


「わかった、わかりました。私が悪かったからご飯作りなさい、さもないと・・」


「できたよ」


「早!」


テーブルには話しながら作ったのバターをからめたふわふわのスクランブルエッグとシーフードサラダそして自家製のカリカリ食パンに


バターと苺ジャムを塗ったものを並べていた。


「ほら座って食べるよ」


「うん」


食事の時間だけは静香も大人しい。僕の両親が食事をとても大切にする人だったからだ。


「「いただきます」」


そして今日も楽しい食事が始まる、なぜなら食べる事が幸せなのだから。


「お父さん、お母さん、今日も行ってきます。」


仏壇の前でお線香をあげながら、いつものお祈りをすませて片付けをして家を出る。


「べっ別に待っててあげたわけじゃなかったんだからね」


「テンプレートのツンデレはいいから行くよ」


軽く無視して先に進むとトボトボついてきながらデコチャリに跨り通信機を積んだでかい鞄を背負っていた。


「・・・・・・どこから突っ込んで欲しい?」


「サラバ」


なぜか片言で学校の方に漕いで行った、つまり置いてかれた。


「あいかわらず、静香ちゃんは面白いね」


そして腰まである黒髪の美少女がいた。だが


「おはよう、武志」


「名前で呼ぶな、殺すぞ☆」


名前で分かるだろうが、黒影武志は正真正銘の男である。


「あれ? 鷹志は今日いないの?」


黒影兄弟は一緒に登校してくるのだが・・・


「兄貴なら『俺には妹はいないんだぁー!』とか意味分からない事を言ってどっか行っちゃた」


(かわいそうに今日も武志に萌えたか・・)


男だと分かっていても人は時に恋するものなんだな  ひろき


「じゃあ今日は二人で行きましょうか?」


「そうだね、ところで武ちゃんは鷹志の事を結局どう想っているの?」


知っているが一応聞いてみる。


「何度も言うけど私は本気だよー。兄貴はどう思っているかは、知らないけど今日もフラグが立ったよ。」


グッと親指を立ててニヤニヤしながら惚気る。


(鷹志、頑張れ)


つぶやくと朝なのに星が見えた気がした。


(それにしても恋か・・・)



考えながらゆっくり二人で学校に向かっている頃、静香は悲しみの青年に河原で会っていた。


「どうした、青年」


「弟の着替えを見た時に『兄貴のエッチ』と恥じらいながら顔を赤くした仕草にドキッとしてしまった自分が嫌いになりました。」


川に石を投げながら体育座りをしている男の背中に一言


「それは恋じゃよ。」


止めを刺した。男つまり鷹志は何も言わずに川に流されて逝った。


学校に着くと静香が屋上で衛星通信をするとか言って、僕と静香の必死の防衛戦があったが、


「隙だらけです」


女教師の背後からの一撃で静香は倒れた。


「遊びは終わりにしてください、授業ですから」


「はいっ」


この女性は大岳聖女といい、親の願いとは裏腹にたくましい女性である。


静香を椅子に縛り付け出席をとると


「鷹志はどうした、武志」


「名前で呼ばないで下さい、それと知りません」


「ふむ、どうせ河原だろう。それでは授業を始めるので静香を起こせ、宏樹」


そして授業が始まろうとするとドアが開き、


河童が現れた。


「おやゴン蔵さん、おはようございます。」


「クオッ」


一声鳴くと鷹志を引っ張りながら入ってきた。


「あっ兄貴! また流されたの、大丈夫?」


と、ゴン蔵さんに聞くとグッと親指を立てた。そして、何故か静香の方に来た。


「御苦労、ゴンちゃんにはキュウリを上げよう」


「なんで持っているの?」


僕の疑問をサラッと聞き流しながら河童にキュウリをあげていた。


ちなみにこの河童はゴン蔵さんといい、古くから能都川に住んでいるらしい。ある日、静香が釣り上げた謎の生物である。


「クウー」


バイバイしながら帰っていくゴン蔵さん。そして、何事もなかったように


「では、授業を始める」


先生の一声でいつもの授業風景に戻った。しかし、授業が始まっても集中はできなかった。なぜなら僕は今日・・・


窓宮静香に告白をすると決めていたからだ。


昼休みに復活した鷹志と屋上で食事をしていた。


「なるほど、いまさらな気もするがいいとは思うぞ」


「そうかな、でも誕生日だから告白っていうのは安直かな?」


今日は静香の誕生日である。本人は忘れているだろう、何故ならそういうのに興味のないタイプだからだ。


「問題は静香にどうやって気付かせるか、なんだよな」


僕の口から溜息が漏れる。あの超ド級鈍感にして変わり者をどうやって告白するかを最近ずっと考えていた。


「ヒロは考えすぎなんだよ」


いつのまにか後ろにいた武志が言うと鷹志が嫌そうに


「考えなさすぎのお前よりはマシだよ」


「兄貴ッ私の気持ちに気付いてくれたの!」


鷹志は泣きながら天に叫んだ。


「俺はノーマルだァァァァァァァ」


いつも通りの鷹志は置いといて武志の方を見て


「武ちゃんは何が言いたいの?」


「静香は変わってるけど乙女だっていいたいの、つまりは正攻法に弱いと見てるわ、私的にはね」


「なるほど」


乙女とこいつに言われてもしっくり来ないが女の子としてみるのは当たり前だがいいかもしれない。


「今日何だけど・・・」


「静香がヒロの家に近づかないようにしてくれでしょ」


長年の友は理解が早かった。お礼をいい、決意を新たにし放課後の決行を誓う。


チャイムが鳴り放課後になると静香が近づいてきた。


「私今日部活だから遅くなるよ」


「エッ! 何部?」


部活に入っているなんて聞いたことなかった僕は驚きながら聞くと、後ろで武志がゲッソリしていた。


「河童部だよ、さっき気付いたんだ。河童の友なら河童にならねばと!」


(意味がわかりません)と心で呟くと鷹志が、まるで心を読んだかのようにうなずいた。


「武志が一緒に遊ぼうと言ったからな、テンションはマックスだ。宏樹も来るか?」


「遠慮しとくよ」


「あいかわらずノリの悪い奴だ。そんなんだからお前は宏樹なんだよ、せっかく河童スーツをお前の分まで準備しといたのに」


緑色の不気味なスーツを取り出しながらしゃべっていた。ふと、周りを見ると皆笑っていた。


(静香の悪乗りは周りには迷惑をかけずにというよりは、人を不快にさせる事をしないから嫌う人はいないんだよな。)


周りの和やかな雰囲気を感じながら静香を見ていた。いつも、たくさんの笑いをくれる幼馴染が眩しく見えた。



武志は宏樹と別れた後、女2人?は河原にきていた。静香の方は緑色のスーツを着ながら鼻歌を口ずさんでいる中、


武志は静香と宏樹との出会いを思い出していた。きっかけは、静香と私が目立っていたというのが理由だった。


私は男なのにという目で、静香はムードメーカーという目で見られていた。私は昔からなので孤立するというのは分かっていたから、


壁を作っていたが静香だけは無視して絡んできた。だが、私は無視し続けた・・・宏樹が立ち塞がるまでは


「お願い、静香を無視しないであげて・・・」


切実な懇願をされた。初めてだった・・・・だから、逃げようとした。でも・・


「逃げないで! 何か理由があるなら教えてくれ」


 私は思わず睨んだ・・そして生まれて初めて男同志としてケンカした。罵倒し合い、私は殴りもした・・・・


なのに、相手は手を出さずに色々喋っていた。


―ただ一方的に―


私は精神的に負けていた・・・


「静香があんたの支えだって言うのは分かった、でも・・なんで私を殴らないのよ!」


 ボロボロの相手は笑いながら


「・・だって、話を聞いていると君は・・お兄さんが・・・好き・・なんでしょ?男同志だから無理・・だって兄弟の・・

仲も悪くなってて、それでも諦められなくて・・聞けば聞くほど君が女性だって分かってきて・・」


 途切れ途切れの言葉に力が入ってきていた。私の一方的な言葉をしっかり聞いてまとめながら語りかけるように話す。


自分の解釈を私に押し付けるような自分勝手な答え・・それは


「僕にできる事をしたいって思ったら君を殴れないよ・・」


 私を泣かせるには十分だった。生まれて初めての理解者に泣きながら抱きついてしまった。


その夜、静香に会いに宏樹と一緒に家に行った・・静香は宏樹を見て、私に初めて敵意を向けた。


「この人は黒影武志、僕の親友だよ・・静香」


 2人は驚いたがボロボロの宏樹が笑っていたので、静香はバカバカしくなったのか笑い始めた。


それからは楽しかった・・静香の策略で鷹志にアタックし大騒ぎで兄弟の仲を修復してくれたり・・


私に陰口言っている奴を縛って連れて来て、『本人の前で言え』と言って、いきなり戦わせたりと・・


今の状態になるには色々あった。楽しい事ばかりじゃなかったし、何度も自分をぶつけたりもした。


でも・・・宏樹は、いつでも支えてくれた。だから、宏樹には幸せになって欲しい。


その為の協力ならいくらでもするし、支えにもなりたいけど・・・問題がある。それは静香が親として宏樹と接している点だ。


それが分かっていながら告白を進めたのは、私にした時みたいに体当たりして壁を壊すしか2人の仲は縮まらないからだ。


(頑張ってね、私の最初の親友)


 心からの期待を胸に空を見ている武志は知らなかった、後に河童静香といつのまにか合流したゴン蔵さんが緑のスーツを持って近づいてる事に・・・



 武志の悲鳴が響いた頃、宏樹は料理を作り始めていた。下ごしらえは前日にやっておいた、後は仕上げるだけ


「昨日のうちに作ったチーズケーキはちゃんとできてるかな?」


 静香の好きなチーズケーキを今日の為に練習してきた。冷やすまでは完璧だったから大丈夫だと・・・


恐る恐る冷蔵庫から取り出すと、レシピ以上においしそうなチーズケーキが出てきた。


「よし! 味は確かめられないけど、これはおいしい!絶対に!!」


 料理を一品一品丁寧に仕上げていく、静香の為の料理を・・・


夕方、静香はビショビショで帰って来た。


「家に帰ったら濡れ女を入れぬ! と言われ、追い出された私に風呂とスープとパイそして暖かい心を・・くれ・・・」


 僕が頼んだので申し訳ないがビショビショの静香がいけないだろう。タオルを渡すと、


「さっき起こった事を正直に話そう、嫌がる武志をゴン蔵さんと捕まえ特注河童スーツを着せた所までは良かった。しかし、

不審者として通報されていた我々に警官が近づいてきたのだ! 逃げるために能都川に入ったが、河童スーツは外側の水は弾くが

顔が出てる場所から水が入って来たんだよ。そして・・・」


 ガクガクと震えながら


「武志が後ろから『溺れる!! じぬぅぅぅ』と捕まって来た。そして、気が付いたらゴン蔵さんが2人を下流で干しながら焚き火を

しながら魚を焼いてたんだよ!!我々は河童の生態に直面したのだ!!」


「ツッコミが追いつかないけど、とりあえずゴン蔵さんはどうやって2人を助けた後、火をつけたの?」


 助けるのまでは認めても火をつけるのは無理だと思う。


「それより早く風呂に入ってきて」


 はーいと言いながら風呂に行く静香・・・リビングで待つ僕・・・


時間が経つのは、こんなにも遅かったか、料理を温めながら待っている。そして


「は・だ・か・ワ・イ・シャ・ツだよん。いいでしょう」


 言いながら来る静香に僕は


「誕生日おめでとう!!」


「!! 何事!」


 ワイシャツからチラリと胸が見えるぐらい驚いていた。目には毒だが作戦は成功していた。


「ポカーン」


「口で言ってどうするの、ほら座って」


「うっん」


 戸惑っている静香を座らせる。


「おいしそう!! 見た事のない料理ばかりだよ」


 座らせた途端元気をだした静香は、珍しい料理に目を輝かした。


「このカップケーキみたいなのは、パイ生地をスプーンで割くとカレーが出てくるよ。カレーは割ったパイと一緒に食べるとおいしいよ。

白い塊はイワシの塩釜焼きでトンカチで割ると面白いよ。そのスープはそのクリームを入れると美味しさが変わるよ・・」


料理を説明しているけど静香は聞いちゃいない様子でウズウズしていた。


「ごめん、食べよう!」


「「いただきます」」


 食べ始めた静香は思ったよりはがっつかずに一品一品を大事に食べていた。いつもと違うのは会話がない事だ、なぜ・・


「おいしい・・本当においしい・・・いつもの何倍も・・」


「じゃあ・・どうして泣きそうなの?」


「・・・・・・・・・・・・・わかんないよ、ただ・・・・ごめん」


 いつもは絶対に残さないのに席を立ち、少し泣きながら家を出て行った。呆然としていた・・・分からなかった、静香に分からないのに


僕に分かる事なんて出来っこない。でも・・


「「ひ・ろ・き・君」」


 その時、地獄から声が響いた、リビングをのぞく夫婦がいた。


「ヤッチャッタ?」


「いえ」


「この意気地無しが」


「父親のいうセリフじゃない!」


「責任は取ってあげてね」


「母親自重してください」


「事情は分からんが頑張れ、君は家族なんだからな」


「ありがとうございます?」


 よく分からんが僕を励まし、イチャイチャしながら帰って行った。


「家族か・・・それ以上を望んじゃだめなのかなぁ・・」


 さっきの反応は僕の違った雰囲気のせいだろう・・残りを冷蔵庫に入れて、自分の部屋に戻った。


すると、机の携帯に着信履歴が残ってた。そこには黒影武志とあった・・・僕は諦めてなかった、だから・・


「武志、聞きたい事があるんだ。」


 と切り出し、ある提案をした。


「「ハァ??? はぁアア??!! (・Д・)」」


 

 武志と後ろにいた鷹志の声が夜の街に響いた。その頃・・静香は暗い自分の部屋にいた。


「私は卑怯者だ・・まるで告白をしてもらう為にやってきたみたいじゃないか」


 宏樹の料理の一品一品を口にするだけで分かった・・・分かってしまった。宏樹は私とは違う意味での好きだ。


そして・・私も宏樹の事を家族以上の気持ちを持っていた。つまり、いままでの私はなんだったのか?


「なんていう道化師・・なんていう自惚れ、宏樹に好きと言われると理解した瞬間怖くなるなんてね」


 気持ちをぶつけられただけで逃げた・・私はいつもそうだ。宏樹の両親が亡くなった時、どんな風に接していいかが


分からず道化を演じる事で宏樹を取り戻した。その代償に自分を見失った・・・それからは道化を演じる事で


笑いの、騒ぎの中心にいれたが、私は知っている・・私の為に宏樹がたくさんの人にフォローをしてくれている事を・・・


武志の時も本当は辛かった・・泣きたかった・・でも


『この人は黒影武志、僕の親友だよ・・静香』


 宏樹が連れてきた時、私は敵わないなって思った。宏樹が思っている程、私は強くない。


「今を変えたくないだって、私がわからなくなっちゃうから」


 私の世界は宏樹の為に作ってきた。それが今日壊れると思ったら怖くて逃げてしまった・・その行為で今の世界が壊れるのを知りながら・・


「誰か・・・助けてよ・・・・・」


 つぶやきは闇に消え、夜が明ける、逃げ場のない朝が始まる・・・・


「おはよ」


 寝れなかった私は、ローテンションで家のリビングに入る。いつもはすぐ宏樹の家に行くため、自分の家のリビングに入るのは久しぶりだ・・


「はい、あなた・・あーん」


「あーん・・・うん!最高の味付けだよママ!!!」


 ドンッとドアを閉めた。


「学校行こう・・」


 着替えて早く出る事にした・・宏樹の家には行かずに・・


いつもの通学路には何もなく、学校に着いても何も・・


「待ってたぞ」


「なんだ鷹志か?」


「何だとは何だ、せっかく待っていたのに」


「何で?」


 と聞くと、校舎の方に手を振る鷹志・・すると


『黒影武志読ませていただきます。笑いは世界を救う 窓宮静香』 


「なっ!!」


 小学校の頃の作文?!! じゃない、なんであいつが持っている????


「ちょっまっ!!」


 学校に入った途端、門と玄関が閉められた。そして、


「静香―――!!!」


 目の前に津久見宏樹が立ち塞がった。


「絶対に逃げれない状況を作らないと静香は逃がしちゃうからね、これなら逃げられないでしょ」


「宏樹!何の真似よ、これは・・」


『泣いてる男の子がいました。その子は、いつもは私の手を取り進んでくれた子でした。でも、悲しい事があった君は私の手を

離してしまいました。悲しい事は君だけでなく私まで悲しくさせました。だから、私は笑わせようと思ったのです。』


 武志の朗読は続く、聞きながら昔を思い出す・・


「静香の真似をしてみたよ・・・無茶をしてみたよ。大変だ・・すごく大変だ・・静香はすごい」


「うるさい!! 私は・・宏樹が思っているような事をしていない!!」


『最初は何をしていいのか、分かりませんでした。ただ・・」


「世界を楽しくさせて宏樹を笑顔にしたかったの!!!」

『周りを笑顔で満たして君に笑ってもらおうと思った』


 今も昔も変わっていない想いが爆発した。


「大きくなっても変わらなかった!世界を楽しくさせようとしても私一人の力じゃ、限界があった。そんな時、あなたは

帰って来てくれた・・ただ、ありがとうって言ってクッキーをくれた。宏樹の両親が死ぬ前の宏樹に戻った事を喜んだ・・・

でも、どうして戻って来てくれたのかが分からなかった!!」


「だから、関係が壊れるのを恐れたの?」


 叫んでいた・・静香はその言葉でボロボロ泣き始めた。


「だっで・・・怖いんだもん・・誰かに嫌われるのも・・拒絶されるのも・・・」


「静香」


 落ち着いた声で名を呼び、ゆっくりと近づき抱きしめた。


「ごめん・・そんな風に思ってたんだね・・僕のせいで無理をさせてたんだね。僕が立ち直った理由はね・・

静香が楽しさを必死に伝えてくれたからなんだよ。静香はいつでも楽しそうだから僕は惹かれていったんだ・・明るい世界に、

だから、泣かないでよ」


「でも・・」


「でもは、もういらない僕のわがままだろうとなんだろうと静香がいたから僕は立ち直れた、そして・・・」


 息を整え、静香の濡れた瞳を見ながら


「好きになった。この事実は静香がどんな無茶をやっても揺るがない!!」


「ん~~~~!!]


 奇声を発する静香に僕の気持ちをぶつける。


「わたしも・・」


 静香が小刻みに震えながら、ゆっくりと・・さらに近づきながら


「私もあなたが・・・宏樹が大好きです」


 言葉を紡ぎながら唇が近づいていく・・そして


『先生、ストップ!! 今いいところなんだから』


『教師として見過ごせるか!!! 貴様らー! それ以上したら許さんぞー!!!」


 大岳先生の珍しい怒声で正気に戻り、離れる二人・・するとブーイングが聞こえてきた。


「そこまで来たらキスしろよー」「大岳先生のバカヤロー」「おめでとう、2人とも」・・・


 などの言葉が校舎から聞こえてきた。真っ赤になる2人・・


「アノー鷹志?これはどういう事」


「皆に声を掛けたら、思いのほかノリが良くてね、宏樹の計画に乗って皆で仕掛ける事になってね」


ビデオカメラを取り出してガッツポーズを取りながら


「どうだ!! 宏樹ー、静香ー、目にものを見せてやったぜー!!!!」


「貴様らー!!!!!!!!!!!!!!!」


 静香は大急ぎで鷹志を追い掛け回す、学校は授業をしなくちゃいけない時間なのに誰もが笑っていた。


(静香・・これが静香の・・いや、僕達の作った笑いの絶えない世界だよ)


 その頃、放送室では大岳先生と武志が撤収作業していた。


「まったく、先生方を説得する私の身にもなってみろ」


「そういいながら無茶に付き合ってくれる先生が大好きだよ」


「フン、成績優秀な宏樹達の願いだから聞いてやったんだ。それに今更この程度で怒る程、騒ぎに慣れていないわけではない。」


 そういいながらも若干嬉しそうだった。鍵を閉めるぞという先生は少し顔が赤かった・・・


「待ってください、作文置いていったら怒られちゃいますよ」


「おっすまんな、ところで作文の最後の方はなんで読まなかったんだ?」


「ああ、読まなくても表現されてますから」


「なるほど」

 

 2人は騒がしい校庭を見る、そこには最後の一文がきるされているようだった・・・


『笑いに包まれた世界の笑顔の中心になりたい。』

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― 新着の感想 ―
[良い点] 個性的なキャラ! 自由で伸び伸びしていて、とても良かったと思います [気になる点] 場面の切り替わりが少し分かりにくかったです [一言] とても、面白かったです!突っ込みど…
[良い点] 随分と誤字脱字がありますが、そこは気にせず一気に読むべき作品だと思いました。それくらい勢いのある作品です。方向性も好きです。最後の展開の仕方も、ギャグをダラダラ進めるようなのではなく好感が…
[一言] 文法や日本語はムチャクチャなんですが、それを超えて、楽しいひとときを過ごさせてくれる作品でした。 主人公とヒロインが同じことを考えているのにすれ違い、最後にハッピーエンドになるところは微笑ま…
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