表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る心  作者: 姫姫姫
9/69

泣き虫

私はそんな普通なデートもやっぱりいいなぁと思っていた。その後色々な乗り物に乗り私達は普通のカップルの様にその時間を楽しんだ。辺りはいい感じに暗くなってきていた。



「暗くなってきたし、そろそろ夜桜を楽しみますか」


「うん!見に行こう!」


彼女は私の手をとり、桜の見えるポイントまで引っ張って行った。

なんか今、凄い幸せだなぁと私は感じていた。


「うわぁ!綺麗だね!」


「だね!でも姫ちゃんの方が綺麗だよ。」


私はお約束の台詞を言ってみた。見事にスルーだ。

私達は暗闇にライトアップされた桜を十分堪能してから最後に観覧車に乗ることにした。ここで問題が一つある。私は観覧車が1番苦手な乗り物だった。あのゆっくりとした動きでどんどん高度が上がっていくのが本当に怖かった。そんな事を知らない彼女は一人ノリノリである。


「最後に観覧車なんてロマンチックだよね。夜景も見えるし、上から見る桜も綺麗なんだろうなぁ。」


「そうだね…」


言葉数少なく私は言った。

渋々、私は乗り込んだ。


「あのさ、話ししていい?」


「う、うん。何かな?」


「どしたの?緊張してるの?もしかして怖いとか?」

図星である…


「実は観覧車だけは苦手でね…なんか怖くて。」


「そうなんだ。ごめんね、私知らなくて。でも隣に私がいるから平気でしょ?」

彼女は心配そうな表情で、そう言ってくれた。こういうツンデレみたいのに私はめっぽう弱い…。


「手握っていい?」


と、私は言った。


「いいよ。でもこれならもっと怖くないでしょ?」


彼女は隣に来て私を抱きしめてくれた。そしてその状態のまま語りだした。



「私達さ、この先もやっていけるよね?一緒にいて楽しいし、ドキドキするし、それに、あっちの相性もいいでしょ。」


「もちろん!この先も、来年もずっと俺は姫だけを好きでいるよ!だからうちらはやってけるよ。」


お互いに顔は外を向いたままの会話である。


「私ね、逢えた事に感謝してるの。でき婚で、なくなく結婚してしまって、今まで毎日が辛かった。旦那は最悪だしもう嫌になってた。そんな時にあなたが現れた。とにかく私に優しくて一緒にいると心の底から癒してもらえる。だからずっと一緒にいたい。ワガママで嫌な女かもしれないけどどうかこれからも嫌いにならないで下さい。」


「うん。大丈夫、大丈夫だからさ、もう何も言わないでいいよ。ありがとう姫。俺はどこにも行かないからね!本当に愛してるよ。」


彼女は泣いていた。顔がグシャグシャになるほど泣いていた。私はその姿を見て思わずもらい泣きしてしまった。


「姫ちゃん…泣かないで」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ