表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る心  作者: 姫姫姫
8/69

普通の恋

私達は付き合い出してから二回目の春を迎えようとしていた。あれから順調に行くと思われていた日々だがやはりそう簡単ではなかった。

旦那さんが全然寝なくなり夜中に逢う事も次第に減っていった。それに加えて、彼女は小学校の役員になってしまい、私に使っていた有給休暇を小学校に回すようになった。だがそれは仕方がない事で私にどうこう出来る問題ではない事は、わかってあげなくてはならない。でも逢えないからこそ逢いたくなるのが人間である。私もそうだった。



彼女の考えがが変わってきたのも確かこの頃だったと思う…あれほど頑なに人目を気にしてた彼女だが、何故か突然大胆な行動をとるようになる。例えばだが、少し遠くのスーパーに夕食の買い出しに私を同行させ私がカートを押して彼女が食品をとる。おもいっきり人目につきそうな事だが、そうまでしてまでも私に逢いたかったのだろうか?

私はかなり疑問に思っていた。そんな毎日が続いていたある日、彼女が言った。


「あのさ、今度、夜桜見に行こうよ!今なら遊園地が夜解放されてて乗り物にも乗れるし、桜もライトアップしてるんだって。」



「俺はいいけど大丈夫なの?乗り物乗ったりしたいなら夕方くらいから行くって事でしょ?家、出れる?」


「まぁ任せなさい!大丈夫だからさ。今度のそっちの休みいつ?」



「確か水曜だね。今日から四日後だ。」



「わかった。じゃあ火曜の6時過ぎに決定ね!」



「了解……………」



意味がわからない…了解とは言ったものの何故こんなにも積極的になったのだろうか?私達は夜中に逢える時は相変わらずエッチをしてたが、その時には何も話していない事をしようとしている。不安感があったが私は元々こういう普通のデートもしたかったから今回は何も言わず話しに乗る事にした。そして当日。



「どうかな?おかしくない?大丈夫?ねえってば。」


「全然大丈夫だよ!今日も可愛いよ、姫ちゃん!」



「嬉しい事言うじゃん。可愛いなんてさ。」


「いつも言ってるでしょ!逢うたびいつも言ってるんだけど。ま、今日はいつもよりもっと可愛いけどね」


他人が聞いてたら、なんともバカップルな会話であろうか。でも私は他人なんて気にしないし彼女に対しての感情はいつも素直に言ってきた。可愛いものは可愛いのである。何人かでもいいので共感できる人が居てくれれば嬉しい限りだ。



「よし、行くか!」


「うん!行こう!」


可愛い眼差しを向けられ、腕を組み、私は久しぶりにドキドキ感が戻ってきた。こういうのを望んでいたのだ。


まだ辺りは少し明るかったので私達は乗り物に乗る事にした。

最初は何に乗るのだろうか?可愛いらしくコーヒーカップとかかなと思っていた。だが答えは。



「よし、最初はあれね。」


いきなりですか…私は内心そう呟いていたと思う。



「いきなり回転式コースター乗るの!?姫ちゃん、もしかして絶叫マシーン好きなタイプなの?」



「うん。ダメ?ダメでも無理矢理乗るけどね!ほら、早く早く」


いつものお姫様ぶりがこういう所でも全開だった。

でも、そんな彼女が私は好きで仕方ない。



「なんだぁ平気なんだね。苦手だと思ってこれにしたのにな〜。」


「残念でした。俺はだいたい乗れるよ。」


少しばっかり強がりを言ってみたが私は絶叫系はあまり好きではなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ